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おばあちゃんちで食べた餅

砂糖醤油、きなこ餅、醤油を塗って海苔で巻いたやつ(一般名称不明)

餅の食べ方といえばこの三択だった。とくに砂糖醤油は砂糖に少しの醤油をたらしてシャリシャリ感が残るアレを餅ですくって食べるだけなのに美味しい。なお、お雑煮やおしるこは餅を具材の一つとした料理なので含めていない。

そんな子供時代。祖母の家へ遊びに行くといつもおやつを用意してくれた。ツナキューブとかゼリーみたいな羊羹も大好きだったが、その日は切らしていると祖母は申し訳無さそうに話して次にこう言った。

祖母「餅、食べるか?」
僕「食べるー!」

ほどなくして台所からジュージューと音が聞こえ始める。僕の三択からは想像しにくい音だった。

祖母「熱いから気をつけなよ」

そして出てきたのが油で焼いた餅に醤油をかけた皿だった。餅は網で焼くものという固定観念が打ち砕かれた瞬間である。これが無性に美味しかった。

サラダ油と醤油と餅。バターやめんつゆでもアレンジできそうだが、そんなしゃらくさいことはしなくていい。揚げ焼きという感じでもなく、思うさまに油を吸った餅に醤油をビシャがけしただけの雑なシンプルな料理。

これを祖母が作ったというのが感慨深い。僕はおばあちゃん子だったので味覚が似ていることも嬉しかったのを覚えている。