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溺れるものは藁をも掴む

↑前回に続き 、「科学とオカルト」の第4回。

もともと手品がそうであるように、スプーンを曲げたり、相手の選んだカードを当てたりするのは見世物として成立している。超能力を謳っておいて「実は偽物でした」となっても、「なんだ、そうだったのか」で済む。

霊能力は違う。霊能力者が必要とされる状況では必ず困っている人がいる。それもほかの手段では解決できない、厄介なトラブルを抱えている人が。

そんな人達を助けるという名目がある以上、ニセ霊能力者はニセ超能力者よりも悪質と言える。能力が嘘っぱちなら根本的な問題解決は望めないし、お金を取っているなら詐欺罪にあたる可能性もある。

それでも霊感商法がなくならないのは困っている人ほど騙しやすいものはないからだ。溺れている人に手を差し出せば掴むに決まっている。心霊現象に懐疑的だったとしても助けてくれるなら何でもいい状態になっている。

人の弱みに付け込む、血も涙もない所業である。これに対して多くの人は正義感が働くのだろう。その矛先はニセ霊能力者に向けられるべきだが、真偽が簡単にわかるなら誰も苦労はしない。

結果として、ただ霊能力者であるというだけで風当たりが強いように感じる。嘘をついている前提で叩かれているのを見ると気の毒に思う。

↓つづく