身代金2
前回の続き
持ち逃げは相手がペッパーくんと身代金を同時に手にすることで初めて可能になる。その状況を防ぎたい。僕が手放した身代金を相手が受け取るまでの間に、相手もまたペッパーくんから手を放していることが最低条件だ。
それは相手にとっても同様で、つまりペッパーくんと身代金は一時的に誰のものでもない状態になる。当然、そこから相手に総取りされては意味がないし、無関係な人物に横取りされてもいけない。
さらにその状態で中身を改める必要もある。すでに相手の手を離れているのですり替えは起こらない。犯人は身代金が偽札でないこと、僕はペッパーくんがポッピーくんでないことなどを確認する。
これらの実現にはどう考えても優秀な仲介役が要る。
お互いが手放した交換材料を保全して、双方が納得したら適切に引き渡してくれる存在が必要だ。いかなる脅しにも暴力にも屈しない、絶対に中立であると両者が確信できる仲介者がいなければフェアな人質交換は成立し得ない。人質交換の要は仲介者がすべてといっていいと思う。
漫画や映画の中で人質交換のシチュエーションをたびたび見かけるが、多くは犯人側に有利な条件で進められていて、バランス厨としては歯痒い思いをしている。
そんな中で唸らされたのが漫画『デスノート』の第二部だった。この作品では仲介役に「回転ドア」が登場する。出来すぎていて何だか悔しいくらいである。
もう少し考えたいので次回につづく