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心配も一興
些細な身体の不調で必要以上に不安になるエピソードは他にもあった。2年くらい前に背中のデキモノが気になって皮膚科を受診し、5分で帰ってきたことがある。
自分の背中なんて普段は目にしないので小さな変化には気付けない。それなりに顕著な症状が表れてようやく異変を察知できるのだ。
当時、背中を洗っているときに腰のあたりにしこりがあることに気づいた。鏡越しに見るといつ出来たかわからないホクロがある。触った感じと見た目の大きさの違いに違和感を覚えたが、とりあえずスルーした。
半年ほどして今度は皮膚が広範囲にゴワゴワしているのが気になりだす。歳も歳なので肌の乾燥くらいは想定内である。しかし、ホクロの周りというのが引っかかった。
ホクロも肌の乾燥も単独なら気に病むほどのことではない。それらが目の届きにくい場所で組み合わさったことで僕の警戒モードは発動した。ネットで調べるとホクロは「悪性」や「がん」の可能性も指摘されている。
まあ結果としてはただのホクロとただのあせもだったわけだが、心配して損をしたとは思わない。健康で良かったと月並みに思う以上に答え合わせが楽しいと感じた。
たぶん、がんを宣告されても「あちゃー、そっちだったか」と他人事みたいに言って周囲をなんとも言えない表情にさせると思う。