幸運の女神には前髪しかない
チャンスは出会ったときに掴まないと逃してしまうというギリシャのことわざ。タイトルは忘れたが、シリアスなスポーツもののマンガで知った。文章だけの引用だったので当時は「へえ」としか思わなかった。
改めて状況を想像してみるとツッコミが止まらない。
まず女神のビジュアルがエキセントリックすぎる。「女神の前髪」でググるとおもしろ画像が色々見られて楽しいが、こんな姿で本当にご利益はあるのかと疑問を抱かずにいられない。これもルッキズムだろうか。
女性の前髪を掴むのもやめてあげてほしい。と思っていたら原文では女神ではなく男神らしい。
じゃあ、いいか。
良くないよ。性別とは関係なく正面から近づいていきなり前髪を掴むのは完全にバイオレンスだよ。しかも相手は神ぞ。変な髪型だが敬意とか礼儀とか相応の接し方があるだろう。
「チャンスをものにしたな、人間よ」
前髪を掴まれてちょっと前屈みになった神が上目遣いでこう言うところを想像した。これ、ギリシャの人はおかしいと思わなかったのか。うまいこと言ってやったとドヤ顔している作者がいたと思うと軽くイラッとする。
そんな神の名はカイロス。昨日打ち上げに失敗したロケットの名前にもつけられている。前髪を引っ張られても挫けずに頑張ってほしい。