シルバーバレット
↑前回のつづき
銀の弾丸などない。たった一発ですべてを解決し、誰が見ても正解だと納得できる手段は存在しない。
だからせめて善意の人であってほしい。誰かが悲しむ結果になったのは別の誰かを救うためであった。一点の曇りもなくそう信じさせてほしい。それが内閣を支持する理由および支持しない理由ににじみ出ているのではないだろうか。
人柄が信頼できれば多少の失敗は許せる。まったく成長せずに似たような失敗を繰り返されても困るが、精一杯やった上でうまく行かないのはある程度仕方のないことだ。
ここに分水嶺がある。
一方の川には凡人が流れていく。善良で真面目だが能力は普通。仕事を上手にやり遂げることもあれば失敗することもある。
もう一方の川には才人が流れていく。能力が高くて失敗もしない。仕事さえこなせれば人柄は問われない。
仕事を任せるならどちらがいいかと聞かれたら当然のように後者を選ぶ。しかし、才人は激レアなのだ。いくら待ってもその川に本当の才人は流れてこない。
代わりに虚勢を張った凡人、良くてプチ才人が流れてくる。彼らは普通に失敗もするが、それは許されない。正直に凡人の川を選んでおけば良かったものを。
才人の川を下りていいのは銀の弾丸を持つ人だけなのである。
↓次回につづく