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水辺のプチ散歩小話

休みの日は読書したり、音楽を聴いたり、日記を書いたり猫と遊んだりと、超インドア派な私である。
どうも好奇心が内的にというか、頭の中の世界に向かうことが多かったので、気分転換に身近な自然の中に飛び出すことにした。

少し車を走らせると親水公園的なものがあるので、そこで散歩をすることにした。子供のころから野鳥を眺めるのが結構好きで、この季節は池にカモなどが飛来している時期でもあるので、ウォーキングとバードウォッチングが両方できてちょうどいい。

某親水公園的な場所では、大きな池の上を歩く遊歩道が整備されていて、アシや荻の繁茂する間を散歩できる。
車を停めて、遠目から池を眺めただけでも、池にはサギやカモが集まっており、番でのんびりと泳いでいる姿がよく見えた。かわいい~。

遠くから盗撮

野生動物からの避けられ

遊歩道に降りたら、水面でくつろぐカモやサギを驚かせないように、ゆっくり静かに歩く。

だが、一歩進むたびに悲しいくらいに野鳥たちが遠ざかっていく。

当たり前中の当たり前だが、彼らは野鳥なので、当然人間への警戒は怠らず、人間が近づけば警戒し離れていく。
そんなことは知っているのだが、なんか物悲しい避けられ方なのである。

警戒音を出して急ぎ飛び立つ、とかそんな感じではなくて、人間がやってきたことには気づいたうえで、チラチラッとこっちを伺い、番の2羽で顔を見合わせて静かにスウゥ…と遠ざかっていくのだ。

「ごめん、嫌いとかじゃないんだけど、お前のことまだよく分かんないから、一旦避けさせてもらいますわ」の雰囲気。
避けてることを本人に気づかせないように、こちらの歩調に合わせてさりげなく少しずつ遠ざかるという多少のチキンレース感も感じられる。

仲良しと一人も同じクラスになれなかった時のクラス替え初日の、あの雰囲気である。コミュ障学生時代を過ごした人間にはつらい空気だ。

社会人になってからは、やはりビジネスマナーや社交辞令がある社会で生きてきたおかげか、このような雰囲気には直面しなくなっていたなと気づく。
みんな挨拶と天気の話くらいはしてくれる。いい人間世界だったのだ。

カッケー木を発見

水中から生えているカッケー木を発見した。

これ、一本の木なのか何本かの木の集まりなのかどっちなんだろう。
たまたま水中に沈んでしまったのか、元々水底から生える木なのか不思議。

神秘的だけど、なんか出てきそうでキョロキョロ後ろを振り返りながら歩いた。

UMA⁉

木の写真を撮ったあと、来た道を戻っていると、遠くの水面におかしな動きをしているものが見える。

水面を這い転がるようにすごいスピードで移動しているクリーム色の何か。

思わずスマホを構えたが、ズームしてみたら、強風に吹かれて水面を流れる荻(ススキに似ている)の穂だった。穂は軽いせいか、水面に浮き、ランダムな動きで回転しながら生き物みたいに水面を這うらしい。

リアル「幽霊の正体見たり枯れ尾花」じゃん…!と少し興奮する。

ごほうび

さて駐車場に戻るか…という最後の時間に、急に荻の陰からサギが飛び立った。
今まで私がサギの死角にいたせいか、急に現れた私にびっくりしたらしい。

びっくりしたのはこっちも同じで、慌ててサギの飛び立った水面のほうに視線をやると、なんと、その瞬間すごいスピードで水面すれすれを飛ぶ翡翠色が!

これは絶対にカワセミのオス!!
実際に見たのなんて十何年ぶりだろう。嬉しかった~。
視力が悪いので若干ボヤっとしていたけど、あの鮮やかな翡翠色は忘れられない。
本物のカワセミを見たと思っておくことにする!

今日のBGM

BASI - これだけで十分なのに(BASI REMIX)


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