Monpe Climber #00 ウールライク製作手記
Monpe Climber Project コンセプト
もんぺという日本の古い作業着をご存じでしょうか？
生地は絣が有名なのですが、映画”この世界の片隅に”（https://ikutsumono-katasumini.jp/）でも見られる通り、戦時中に食べ物にも困る中、たいせつな着物を仕立て直して作られるリサイクルウェアでもありました
西洋のパンツ＋日本の伝統的な柄という良い部分を、無地やロゴ物が多い登山ウェアやクライミングに日本独自の展化できないかという試みで立ち上げたプロジェクトが"Monpe Climber Project"です
近い将来、日本の伝統工芸の一部として海外に撃って出たいため、英語表記が多いですがご理解をいただけると幸いです
#00 ウールライクについて
ウールライク＝ウールに似ている/類似しているという意味の名称です
約１００年前に英ジョージマロリー（奥左から２番目）も写真（引用https://www.britannica.com/biography/George-Mallory）のようにウールのロングパンツなどを使用していましたが、日本でも大正時代付近からウールのニッカボッカーズが使われていました
ニッカーは通常ひざ下丈ですが、効率の良いロングにすることで使える機会を増やし、最新の立体裁断、素材、パーツを使って現代のニッカーを表現しました
本来は柄の入ったアイテムの後に作る予定の素材で作ったので、実は発売順が逆転してしまっています
エヴァ０号機、つまり試作型の位置にしていますが本当は#06作目に当たります
使用アクティビティ、温度帯
使用アクティビティ
登山、クライミング全般、キャンプ等野外活動全般、オフィスカジュアルウェア、ファッションアイテム
使用温度帯
ハイペースな登山等：０～１５℃
フリークライミング、軽い登山等：５~２０℃
普段使い：８～２０℃
期間的には関東の夏以外の３シーズン程度を想定しておりますが、タイツの使用や個人の体感によりますのであくまで参考までにお考え下さい
２０２２年３月３０日現在、通常使用ですと昼（１７度）は良いかですが、夜（５度）はさすがに若干寒いです
素材について
日本国内の研究機関を持つ２社が共同開発した素材「PTT（ポリトリメチレンテレフタレート）」を使用しています
糸についても生地が伸びる妨げにならないよう、メイン部分には同素材の縫い糸を使用しました
分子構造がバネ状で
・繊維のストレッチ性
・形態回復性
・かさ高性
・程よい断熱性
を持ちつつ、ポリエステルの特徴である
・速乾性
・耐摩耗性
・手触りの良さ
・通気性
を維持しています
画像の通り、ウールに比べて繊維自体が細く、長繊維で整然と並んでいるため強度や手触りで特に優れており、風合いの面でも長期の使用で経年変化が起こり少しづつですがクラッシックな雰囲気も出てきます
裏地は少しざらついていますが、汗をかいても肌に張り付かないための構造です
当然ですがポリエステルのため、普通の洋服のように洗濯機で気を遣わず洗濯できます
機能、立体裁断
・縫製、パターン
極力少ない縫製でごろつきをなくしつつ、ダーツによる立体裁断で人間の体を曲げる部分に対応しています
履いていて必要な機能は削らずに、縫製するパーツを極限まで減らすことでかなりの軽量化に繋がっています
・機能
ムービングウエスト：人間はかがんだ際にウエストが膨らむため、ベルトとウエストそのものが少し伸縮するよう物理的なギミックを施しています
また、岩との接触で破損しづらい金属パーツを使い無段階でウエスト調節を可能にしています
バックルはアルミ合金に真鍮等を鍍金したもので、重量は約９ｇ
同サイズのプラスチック製サイドリリースバックルが２０ｇなので１１ｇの軽量化と小型化、強度ＵＰに繋がっています
ベルト本体もポリエステルを採用したため速乾性に優れています
ゲイターレスフック：裾部分にシューレースやマジックテープ部分に引っかけることができるフックを内蔵しています
登山や野外活動時は小石や砂などの侵入防止、クライミング時はくるぶし回りの保護に役立ちます
チョークバッグループ：腰部分にウエストのベルトと別でチョークバッグループを取り付けています
ハーネスによっては使用する際にも干渉しづらいため、リードクライミング時にも使用が可能で、ウェビングによるウエストへの巻き付けと違い違和感や位置のずれがありません
サイズ感、重量、価格
サイズ感
推奨サイズ、１サイズ下２つの履き方があります
推奨サイズ：ゆるめな膝までは若干ゆとりがあり、膝下～裾は少し細目な現代風もんぺシルエット
１サイズ下：全体が細めになるスリムシルエット（腰履きするとジョガー風に少し緩く見えます）
＊男性の画像は腰履きしているため腰～膝が緩く見えています
重量
XXS:355g/XS:378g/S:3954g/M:415g/L:448g/XL:465g(261g/㎡）
＊個体差により誤差があります
価格
￥18700（税込み）
来季生産分は原材料、工賃等の価格上昇により１０～２０％UPの見込み
生産本数
現在、コロナの影響で国内の縫製工場が圧迫されており、２０２１年３月３０日現在での在庫がXXS～XLの６サイズで各３～１０本、合計４０本程度しかありません
４月上旬にもしかしたら追加が少しあるかもしれませんが、ないものと思っていただいた方が良いと思います
販売時期、販売ページ
販売開始時期：４月上旬
販売サイト：https://infinity-peaks.stores.jp/