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新人からキープレイヤーへ チームを巻き込める入社2年目エンジニアの成長ストーリー
インフキュリオンでは新卒採用を行っており、2023年12月には新卒入社エンジニア4名のインタビューを公開しました。今回は、その中で現在バックエンド開発に携わる1名に再びインタビューを行い、この1年間での仕事への向き合い方や成長について語ってもらいました。
株式会社インフキュリオン
プロダクトマネジメント部 エンジニアリングチーム
「Wallet Station」バックエンドエンジニア
荒川(あらかわ)さん
バッチの新規開発、リファクタリング、性能改善、テックブログの運営・執筆、技術系イベントの運営などを担当。
※本記事は2024/11/20に公開。所属や業務などは取材時点の内容です。
キャッシュレス決済プラットフォーム「Wallet Station」の性能改善に取り組む
— 昨年10月のインタビューから1年経ち、役割や仕事の仕方に変化はありましたか。
荒川:「Wallet Station」開発の精算・取引履歴チーム、将来課題検討チーム、Batch Squadの3つに所属しています。昨年から所属部署にも変化がありましたが、仕事への向き合い方は特に変わりました。1年目は与えられたタスクをこなすことが中心となっていましたが、現在は仕様整理から設計、開発、テストまでのプロセス全体に責任を持ち、リーディングプレイヤーとして推進することが増えました。
— 今はどんなプロジェクトに携わっていますか。
荒川:いくつかありますが、1つ大きなプロジェクトとして「Wallet Station」の性能改善に取り組んでいます。「Wallet Station」には、モバイルウォレットにお金をチャージしたり、決済を行ったりする、取引に関する機能が備わっています。この処理速度が遅いと、ユーザーが不便に感じてアプリの利用を止めてしまうかもしれませんし、クライアントの売上や事業運営にも影響する主要な機能です。
現在のユーザー規模では問題なく処理できているものの、将来的にユーザー数が10倍、100倍、1000倍へと拡張したときに、現行のアーキテクチャでは対応が厳しい可能性が十分にありました。「Wallet Station」はプラットフォーマーなので、「Wallet Station」を使ったペイアプリが新たに1つ増えるだけで、ユーザー数が一気に増えることになります。
将来に備えて徐々に改善を加えていくべきと考え、データベースにCQRSという設計パターンやテーブルパーティションを取り入れて、読み込み(参照)用と書き込み用のテーブルを分けることによる性能改善を提案し、今年の夏に実際に取り組みをスタートしました。
— どのような考えを経てその手法を提案するまでに至ったのですか。
荒川:データベースに関する本を読む中で、性能改善にはインデックスを貼る手法がよく使われていましたが、これは参照系の話に限られていました。書き込みを早くする方法論は、初心者向けの書籍にはまったく見当たりませんでした。
「みんなはどうやっているんだろう?」と気になって、そこから自分で調べる中でCQRSの考え方に出会い、このキーワードを元に様々な企業のテックブログを読んだり、書店で関連書籍を購読して知識を深めました。その結果、テーブルを分けることが効率的という結論に至りました。
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— チームに提案する上でどのような準備をしましたか。
荒川:性能改善の提案をする際、まずプロジェクトマネージャーへの説明が必要になります。今後ユーザー規模が大幅に拡大した際に対応できなくなることを、過去の性能試験のデータを集めてエビデンスとして提示しました。その上で、この課題への対処法をいくつか示しつつ、その中でもCQRSのアプローチが性能改善に効果的である点、性能面以外のコスト面などのメリットを示しました。
また、「Wallet Station」の主要機能にメスを入れる話なので、万が一障害が発生すると影響範囲が大きいというビジネスサイドの懸念がありました。そこで、具体的な移行プランを提示し、Feature Flagを埋め込むなど、何かあっても安全に切り戻せることを説明し、納得していただきました。
成長の要になった社内コミュニケーション
— 性能改善プロジェクトを通じて、ご自身がどのように成長できたと思いますか。
荒川:今お話しした、ビジネスサイドの方々とのコミュニケーションについては、この1年で多く学ぶことができたと思います。仕組みの変更によるリスクや、プラスとなるビジネスインパクトを、正確に理解してもらう必要があります。エンジニア特有の難しい用語を並べても伝わらないため、誤解なく説明するために、どのようにコミュニケーションをとるべきか、非常に頭を使いました。
— チーム開発をする上で大事にしていることは何ですか。
荒川:コミュニケーションをとる際には、「図の形」で記録に残すことを大切にしています。インフキュリオンではリモートワークが基本で、私も関西からリモートで働いているため、対面で話す機会は多くありません。そのため、認識の齟齬を防ぐには、文書や図を活用することが効果的だと考えています。
— 今年から新人のメンターも担当していますね。どのようなことに気を付けていますか。
荒川:今年4月に入社した同じチームの新卒エンジニアのメンターを務めており、週に1回、1on1をしています。もちろん技術的なことも話しますが、タスクを円滑に進める方法やコミュニケーションの取り方など、ソフトスキルについてもよく話していますね。
ただ、メンターである私にばかり質問するのではなく、社内にいる他の優秀なエンジニアともコミュニケーションをとることが重要だと考えています。
そのため、自分がすぐに答えられるような質問でも、あえて「○○さんに聞いてみるといいですよ」と伝えることが結構あります。色々な人に質問することで、誰がどの技術領域や業務に詳しいかがわかり、中長期的に仕事がしやすくなると考えています。いろいろな考えに触れてもらうように、意識して促しています。
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— 決済プロダクトを作る面白さについてどのように感じていますか。
荒川:普通のプロダクトであれば、必要に応じてすぐに改修可能ですが、決済に関わるプロダクトは品質を担保しつつ改修を進めなければなりません。ミッションクリティカルで厳しい制約がある中で、どのように進めて行くかを考えることは、一段と難しいパズルを解く感覚で非常に面白いと感じています。
また、自分が開発したプロダクトが、生活の中の身近な場面で使われることにも面白味があります。例えばコカ・コーラ公式アプリ「Coke on(コークオン)」を使って自販機で買い物をしたとき、「これ、自分が関わっているんだよ」と知り合いに話すことがあります。そういう時に、自分の仕事が社会とつながっていることを実感します。
事例がないから面白い“自分で考えて動く”楽しさ
— どのような点で、インフキュリオンに入ってよかったと思いますか。
荒川:これまでお話ししてきたように、チャンスをもらい、任せてもらえることが魅力です。さらに、これは入社を決めた理由の一つでもあるのですが、プロダクト自体が他に類を見ない特異性を持っており、ユニークさを感じつつ仕事ができることが面白いと思っています。「自社ペイを作れるプロダクト」なんて、少なくとも国内ではほとんど聞かないと思うんです。
そのため、他社の事例を参考にできず、自分たちで考えなければならないことも多いのですが、そこが気に入っている点であり、入社してよかったと思えるポイントです。
— 最後に、 来年新卒で入る方に向けてアドバイスがあればお願いします。
荒川:自分が1年目にやってよかったと思うことは、社内にいる経験豊富なエンジニアたちに臆さず話しに行ったことです。
そこで、「どうすればいいか」と聞くだけではなく、まず自分で考え、案を持っていくことを心がけました。すると、十中八九「多分それだとここに穴があるから難しいよ」といった意見をいただくのですが、それが非常に勉強になりました。これから入社する新卒の方にも、臆せずにぶつかっていってほしいと思います。
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入社後に地方移住して働き方を変えた荒川さん。
同期の新田さんと久しぶりに対面し談笑。
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