岡住修兵のふわふわタイム!!【仲間の集め方を語る!!】
稲とアガベが定期的に配信しているメールマガジン「岡住修兵のふわふわタイム」。WEBメディア「海と」では、さらにバージョンアップした「岡住修兵のふわふわタイム!!」をリリースしていきます。
今号からは、隔月でテーマトークをお届け。「クラフトサケ」「人事」「まちづくり」などさまざまなテーマに基づいて、岡住代表がディープに話していきます。
今回は、「仲間の集め方」をとことん語ります! といっても、稲とアガベでは、求人をまともにしたことがないそうで……? 果たしてどんなお話になるのでしょうか。
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採用に苦労したことがない!?
僕は今まで、人手不足で悩んだことがありません。最近、X(Twitter)で蔵人募集の呼びかけをしましたが、それまではまともな求人をしたことがありませんでした。ハローワークや求人サイトに出稿したことはないですし、公式ホームページにも求人情報は載せていません。
立ち上げのメンバーは、僕が「料理人、音楽家……」と欲しい人材をひたすら並べて書いたツイートの募集で集まってきてくれました。
この募集がちょっとおもしろかったみたいで、秋田周辺の若い子たちから問い合わせが来るようになりました。ただ、いろいろ事情があって、断ってしまうことのほうが多いんですよね。これまで200人くらいから応募が来ていて、その中で採用したことがあるのは20名くらい、という感じです。
岡住流の採用基準とは?
これまでも、自分の中で採用基準のようなものはふたつだけ設けていました。
ひとつは、笑顔で働いてくれること。もうひとつは、その人が将来的にやりたいことの方向性が、僕らの会社のベクトルとある程度一致しているかということです。
優秀かどうかは、特に意識していません。それよりも、稲とアガベが取り組んでいることと、その人の夢や目標が地続きであるかどうかのほうが大事だと思っています。
「私、こういうことやりたいんです」と夢について語ってくれる人に対して、「それって、うちでチャレンジしたら、事業化もできるよね」という流れになることはよくあります。うちで働いたら、その子が「行きたい場所に行ける」と思えることはすごく大切だし、そういう人たちとの出会いによって、こちらにも発想が生まれて、新しい事業が生まれていきます。
例えば、今年入社したパスカルさんは元Google Japanですが、将来的には好きな酒蔵でシステムエンジニアとしての能力を活かしたいと考えています。稲とアガベでいろいろなシステムを開発していくことがパスカルさんの仕事の幅を広げるし、それによってもっとステップアップしていけると信じています。
つまり、稲とアガベにとって必要な人材であるだけでなく、稲とアガベという環境がその人にとって良いものでなければいけないんですよね。その人にとって、稲とアガベがいちばんベターな選択肢でありたい。アルバイトの人たちにまではできていないかもしれませんが、正社員で、ある程度長く活躍してくれる人に対して求めているのは、完全にそういうところです。
起業家として、「採用」を考える
なぜ、そういうふうに考えるのか。そもそも、僕がなぜ起業家になったかというと、青くさい表現ですけど、人を幸せにしたいからなんです。
自己実現のために事業を展開して、そのための奴隷を雇いたいわけじゃないんですよね。僕が事業活動することによって豊かになれる人を増やしていきたいので、従業員が夢に向かって頑張れるという条件はまず外せない。そもそも、一人ひとりがここでやりたいことができているという状態じゃないと、続かないと思うんです。
自分が生まれて生きて死んでいく中で、どれだけ多くの人たちを豊かにできたかっていうことが、人生の物差しだと思っています。なので、しっかり話を聞いたうえで、「君が活躍する場所はうちじゃないんじゃない?」と思ったら、どれだけ活躍していてもやめることを推奨します。
ちなみに僕は、去る人は全然追いません。稲とアガベ以外にも、もっといい選択肢って無限にあるはずなんですよ。それぞれの状況がある中で、いちばんベターな選択肢が弊社であるというところは目指したいですが、違う選択肢もあるだろうし、縛られる人生なんてしょうもないと思っています。
“宗教的”にはなりたくない
周囲のスタートアップやベンチャー、特に地方では、人を集めるのが結構大変だと聞きます。では、稲とアガベにはなぜ人が集まってくるのか? 正直、自分でもまったくわかっていません。なんで来てくれてるんですかね?(笑)
僕が従業員にとってどういう存在なのかということは客観的にはわからないので、なんとも言えないところではあるんですが、例えば僕も、宗教の教祖っぽく振る舞おうと思えばできると思うんですよ。でも、そういうのは嫌なんですよね。
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