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さよなら コード表 (後編-1)


前編ではコードに使われるCルートの音程のお話をしましたが、後編ではそれらの音程が実際にどのように表記されるのかについてのお話をします。

その前に、後編だけ読まれる方のために「ルート」や「コードの概要」について再度お話をします。



◆コードの概要◆


コードは3度ごとに音を積み重ねてできています。

Cメジャースケールの音だけで考えます。

C D E F G A B C

「3度ごとに積み重ねる」というのはCから始めたとして
Cの3度上の音E
Eの3度上の音G
Gの3度上の音B
といった具合に積み重ねるということです。

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C・E・G・Bとなりますがこのようにしてできる和音がコードです。

更に3度ごとに積み重ねて、各音をCからの音程で考えます。

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このように1つの音を固定して(この場合 C)音程を考える時、固定した音をルートと呼びます。 

コードでは必ずルートから何度上(うえ)なのかを考えます。
(=ルートを一番低い音として考える)

Cをルートにして3度・5度・7度‥ と奇数の音程の音が積み重なっていく事が判ります。   

13度の3度上はルートから2オクターブ上のCですがコードでは オクターブの違いは気にしないのでルートに戻ったと考えます。
なのでコードで使われる音程は13度までです。

ルートと3度・5度の3つの音で構成されるコードを3和音と呼び、7度の音までを含めた4つの音で構成されるコードを4和音と呼びます。

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オクターブより上の音である9度、11度、13度はテンションノートと呼ばれ(以降「テンション」と略します)、テンションを含むコードをテンションコードといいます。

テンションの音程は7を引いた音程で考えると判り易いです。
9度 = 2度
11度 = 4度
13度 = 6度 
コードは基本的に13までの奇数の音程で表記されますが、この2・4・6の偶数もコード表記に使われます。

コードは「3度ごとに音を積み重ねる」のが基本ですが、そうではないコードがあってその時に2・4・6を使います。

コードの概要は以上です。


実際にコードを押さえるときは、各音程の音をオクターブ違いにしても構いませんし同じ音名の音がオクターブ違いで複数鳴っていても構いません。

ただコードを考える際は、
ルート・3度・5度・7度・テンション
の並びで考え、これを基本形と呼びます。

とりあえず実際にどのようにコードを押さえるかは置いといて、構成音を基本形で考えてコード表記のお話をします。

かなりの長話の為後編を2つに分けました。

後編-1:コード表記の仕方
後編-2:実際にどのように押さえるか



では音程がどのようにコード表記されるのかCルートでお話をします。


◆コード表記◆


<ルート・3度・5度>


コードは音程を表記する位置が概ね次のように決まっています。

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それぞれの位置に次のように表記します。

【ルート】
ルートの音を英音名で表記

【 3度 】
長3度 → ブランク
短3度 → m (マイナー)

【 5度 】 
完全5度 → ブランク
増5度  → #5 (シャープ ファイブ)
減5度  → b5 (フラット ファイブ)

先に進む前に


3度・5度には ブランク(=何も書かない) という表記の仕方があります。

何も書いていなくても3度・5度の音程は存るのです。

という事はコードは少なくとも3和音になっている事になります。

これに対し、7度とテンションは在る時だけ表記します。
何も書いていなければ無いのです。


手始めとして3和音を実際にコード表記してみます。

◆C・Cm

コードの概要でCEGBという構成音のコードが出てきました。

5度までだとCEGという3和音になります。

これをコード表記してみます。


ルートは 「C」
3度 E は長3度なので 「ブランク」
5度 G は完全5度なのでこれも 「ブランク」
7度とテンションは無いので「無し」

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結局「C」1文字になります。

Cとだけ書かれていると1音のようですが、コードCにはC以外に長3度E ・完全5度Gの音が在って3和音になっています。


コードCの3度Eを半音下げてC Eb Gにすると

ルートは「C」
3度 Eb は短3度なので「m」
5度 G は完全5度なので「ブランク」
7度とテンションは無いので「無し」

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Cm(シーマイナー)というコードです。

※ 短3度は「m」以外に「-」の表記もあります。

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ここで知っておいて頂きたい事があります。

メジャーのコード
マイナーのコード

といういい方があって

長3度のコードをメジャーのコード
短3度のコードをマイナーのコード

といいます。

この後すぐに「maj」と表記されたコードが出てきますが、

メジャーのコードというのは「maj」と表記されたコードの事ではなく、長3度のコード、つまり3度がブランク表記になっているコードの事です。


表記の仕方に戻ります。

<7度・テンション>


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