観察がわかれば30分で絵が変わるbefore→after
輪郭だけ全力でえがく
自分が何を見ているのかわからないのが描けない原因です。
影や形や色などさまざまな要素の整理ができないから描けないんです。
だからはじめに何を見ているのか、視点をはっきり認識してもらいます。
はじめは輪郭だけに絞ります。
マンガやイラストの人は線で描く人が多く応用しやすいし
シンプルで一番手間がかからない描き方だからです。
描くのは線だけ。
影も形も描きません。
輪郭を見て線だけで描く練習をするんです。
このように視点と方法を絞り込むことで
迷いがなくなり、やるべきこと、問題点がわかりやすくなります。
一つの要素に持てる能力を集中することで深いレベルで観察ができます。
一度に色々な要素を描こうとするから訳が分からなくなる。
自分は影を見ているのか形を見ているのかもわからない人がたくさんいます。
見ているものがわからなければ問題点もわからないし
何が悪いのか分からないから直すこともできません。
何をしたら良いかわからなくなる人はここでつまづいています。
線の長さ=視野の広さ=情報量
線の長さは視野と関係があります。
短い線で描いている人は視野が狭い。
視野が狭いということは見えてる範囲が狭い、
つまり情報が少ないんです。
それは小さく折りたたんだ地図を見ているようなものです。
一部分しか見えなくて目的地も現在地もわからなければ地図は役に立ちません。
大きく広げて全体を見渡すと最適なルートが分かります。
周りに
気になる場所を見つけたら寄り道をしてもいいでしょう。
全体がわかれば計画を立てることができます。
絵を描くときも同じです。
視野が狭くて見えてないから
どう描いたらいいのか、何を描いたらいいのかわからないのです。
指導前
これは教える前に描いたものです。
15分程度。
線が短いので視野が狭いのがわかります。
そして人指し指だけたくさん描いていることから
人差し指を中心に見ていることがわかります。
視線は画面の中心や関心のある場所に集中する傾向があります。
視線が集まる場所はたくさん描くので、そこだけはっきりしたり大きくなったりするのです。
次に中、薬、小指を見ると先端の位置を確認するアタリをつけている。
だから指先は意識して描いているけれど、指の根本はあまり描いていません。
ここでも視線のばらつきがわかります。
指先も意識はしているけれど、もやもやした線を重ねるだけで爪は全然描いていないのは具体的に形が見えていないからです。
わからないから迷っている、迷い線はいくら集まっても形になりません。
そして手のひらと比べると手首が異様に太くてバランスが悪く角度もおかしい。
それなのに直した形跡はほとんどありません。
中心から離れているので関心が薄くて放置しているか、ほとんど見ていないか。
視野が狭いとこのように画面の中の密度やバランスにばらつきができます。
指導後
こちらは指導の直後に描いたものです。
20分程度。
1枚目より線の本数は少ないけれど爪もシワも描けているのは
線が正確だからです。
指示通りに線を長くゆっくり描いています。
指一本一本の動きの違い、爪の形の違いまで表現できました。
アタリをつけないで一発描きでバランスよく描けています。
手首が太くなりかけたけど、前のデッサンを思い出して咄嗟に修正してました。
20分程度の説明の直後の1枚でこれだけ変化がありました。
練習を重ねたわけではありません。
線の使い方と観察の方法を教えただけです。
色々な人にこの方法で教えてきたけれど、多くの人に変化が現れます。
指導の概要
①1枚目の講評=確認の方法(比較)
②輪郭だけで描く理由
③線の描き方
④直し方
あとは上達するための練習だからうまく描こうと思わないこと。
うまくいかなくて焦ると観察できなくなります。
安心して、落ち着いて描くのが大事です。
線の描き方について、次の記事に書きます。