ジャック・アマノの“アメリカNOW” ノース・キャロライナ大チャペル・ヒル校でゴルフ
ノース・キャロライナ州トライオンでの取材の後は、クルマで1時間半ほど東に行ったシャーロット界隈で過ごすつもりだった。それが、「週末はずっと雨」と聞いて予定を変更。更に2時間ほど東に行った辺りで過ごすことになった。100マイル離れるだけで雨雲の影響、結構違ってくることがあるので。
Durham=ダーラム? ドゥーラム? Raleigh=ローリー? ラーリー?
リーズナブルな値段のホテルを見つけたのは、発音しにくい都市ふたつに近いチャペル・ヒルというところ。着いてから知ったのが、ユニヴァーシティ・オヴ・ノース・キャロライナの街だということ。アメリカ最初の公立大学で創立は1789年というから、日本だと江戸時代の後半か。
大学構内に18ホールのゴルフ場が……。それも有名コース・デザイナーの作品。コンディションも上々でした(タイトル写真)
これは、大学寮ではないと思うんだけど……17番ホール横にあったコンドミニアム。学校関係者とかが住んでるのか?
しかし、「街全部が大学なの?」って感じだった。「これも?」、「ここも?」と道の両側に学校関連の建物があって。古いのが建ってる中心部に行かなかっただけなんだろうけど、新しく、大きい施設があまりに多いので驚かされ続けだった。10年以上前、ハーヴァードとかイェールのキャンパスを見て回った時にも、大学が町と一体化しているところと、大学の敷地の広さに驚かされたけど、UNCは次元が違った。時速50マイルとかで走れちゃう道が中を通ってるぐらいデカい。
NCのロゴx2が誇らしげなクラブハウス
UNCはマイケル・ジョーダンの母校、と友人から教わった。その後でキャンパス内にゴルフ・コースがあると聞き、そういう大学のコースならプレイしてみたいかも……と思った。
コースの維持に貢献している人々の名前がスタート・ホール横に
ネットで調べ、有名なトム・ファジオのデザイン(=1999年に今の18ホールになった時に彼が設計を担当した)と知って、俄然行く気になった。”マスターズ”が行なわれるオーガスタ・ナショナルの改良にずっと関わっている著名なゴルフ・コース設計家なので、ファジオって。2020年の東京オリンピックに向け、霞ヶ関カンツリー倶楽部の改造を手掛けたのも彼だ。そして、UNCゴルフ部はデイヴィス・ラヴ三世という名選手を輩出していた。
ノース・キャロライナ出身でUNCの卒業生のデイヴィス・ラヴIIIの名前を発見。1997年PGAツアー・チャンピオンシップ優勝を含め、PGAで21勝を挙げた彼は世界ゴルフ殿堂入りも果たしている
平日とあってか、予約はスンナリ取れた。気温は25℃で風が少し、という絶好のコンディションだった。1週間前にいたインディアナポリスは、もう冬みたいな寒さだったのに、ノース・キャロライナでは半袖でオーケイ。2人組と回るはずが、彼らが先に行っちゃったので、ひとりゴルフに。
1番ホールからスタートする人用のパッティング・グリーン。練習しているのは、この大学の卒業生? ウェアがスクール・カラーの水色。道を挟んだところに10番ホールからの人用もあった
後ろもお一人様だったから、「ご一緒しますか?」と尋ねたら、「電話が何本もかかってくる予定なので……。でも、声をかけてくれてありがとう」との答え。上手い断り方だ。覚えておこう。
ドライヴィング・レンジも十分な広さ。試合の時は芝から打てるみたい
池の絡み具合とか、木の配置とか、コースはチャレンジングさが絶妙だった。コースのメインテナンス、コンディションは上々。難しいんだけれど、難し過ぎなかった。優れたデザイナーのなせる技だ。
クリークあり、池あり……でチャレンジング。バンカーも効いている
景観に見惚れるホールも多く、至福の午後を過ごした。パーマがかかったようなバーミューダ芝のラフは難しかったけどね。ボールがスッポリ埋まっちゃって、フェアウェイ・サイドでは打ててもパワーの食われ具合が大きく、グリーン周りに沈んだボールは強く振らないと出ないので、勇気が要った。
バーミューダ芝のラフは、ボールがスッポリ埋もれてしまう……というか、隠れてしまう……というか
こんなハイ・レヴェルのコースが、カート込みで70ドル。チャンスがあったら、今度は歩いて廻りたい。そんなにアップ&ダウンはキツくないので。カートなしなら、50ドルと更に破格だし。
以上 ストーリー37終了