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旅と猫

 『ねこのきもち』10月号は、「私たち、大好きな愛猫がいるから○○やめました」という特集を載せている。そこで挙げられているのは――、
 
 ・仕事が終わったら、寄り道をして帰らなくなりました!
 ・飲み会の2次会にはいかなくなりました
 ・2泊以上の旅行はしなくなりました
 ・朝寝坊をしなくなりました
 ・猫グッズを買うため、無駄遣いがなくなりました!
 ・夫婦喧嘩が減りました
 ・禁煙しました!
 ・猫のいる部屋でアロマを楽しむのはやめました
 ・観葉植物や生花を飾るのをやめました
 ・猫が口にしたり落としそうなモノの置きっぱなしはやめました
 ・(猫の毛が目立つから)黒い服を買わなくなりました
 ・揺れるアクセサリーを家で着けるのをやめました
 ・雛人形は飾らなくなりました
 ・家の中で大声で歌うのはやめました
 
 といった事柄である。当てはまるもののあるが、ほとんどは大したことではない。
 たったひとつ、影響が大きいのは、旅行ができなくなったことである。
 猫を飼い始めてから、海外旅行はもちろん国内旅行すら一度も行っていない。あ、日帰り旅行はあるけど、一泊以上の旅行は一度もない。
 「食事と水とトイレさえ複数用意しておけば、猫は一泊くらいは留守番できる」
 と物の本には書いてあるが、とても実行する勇気はない。10時間ほど留守番させただけでも大変な寂しがりようである。
 口コミ(体験談)を読むと、ペットホテルに預ける気には到底なれない。ペットシッターはどうか。しかしこれには連れ合いが反対である。猫好きの友人に預けるのがいいのかもしれないが、一軒家だと脱走の心配があるし、相手の都合やいろいろ考えると、これも簡単には適任者が見つからない。
 まずは、ペット同伴可の国内のホテルを探す、というところから始めるのが妥当な気もするが、意外や意外、犬なら可というところはたくさんあっても、猫も可というところが、なかなか見つからないのである。
 国内旅行ですらこうなら、海外旅行など、夢のまた夢???
 
 ということで(?)、思いはいつの間にやら未来から過去へ……。
 
 これまでの旅で最も多くの猫に出会ったのはギリシャの旅だった。アテネとコリントスに行っただけだが、至るところに猫がいた、という印象だった。

 パルテノン神殿の近くで出会った猫たち



 また、イタリア北部、コモ湖畔のレストランで会った猫も人懐こかった。


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