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出版翻訳家。『マザーツリー』『CBDの科学』『植物と叡智の守り人』他多数。(一社) G…

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出版翻訳家。『マザーツリー』『CBDの科学』『植物と叡智の守り人』他多数。(一社) GREEN ZONE JAPAN 共同創設者として、医療大麻に関する正しい情報の発信と啓蒙活動をしています。原発反対、2023年12月に乳がんと診断。猫好き。日・米・バリ島の3か所暮らし。

最近の記事

放射線治療の完了と、大麻の “スケジュール” 変更が意味すること

4月9日に始まった放射線治療の 16回のセッションが 5月2日で終了し、乳がんの治療が一通り完了しました。幸い、放射線を当てた部分の皮膚がうっすらと赤くなっている程度で副作用もほとんどなく元気です。デルモゾールG軟膏というステロイドと抗生物質含有の薬を処方され、一日最低2回は塗ってくださいと指示されて使用していますが、私は同時に、抗炎症作用のある CBD と CBG オイルも外用薬として併用しています。 奇しくも、治療が終了する2日前の 4月30日、アメリカの連邦レベルでの

    • 放射線治療が始まりました

      私の乳がんがどういうタイプであるかは最初の記事でお伝えしました。腫瘍が 5mm と小さく、画像で見るかぎりリンパ節への転移もなかったので、乳房全摘ではなく、腫瘍のみを切除する腫瘍摘出手術(いわゆる温存手術)を行いました。 手術では、腫瘍の周囲のバファーを含めて少し大きめに切り取り、切除した腫瘍は再度生検を行います。その結果、切断面にがん細胞が見つかると、切除範囲が十分でなかったことになり、再度手術をすることもあるのですが、私の場合、幸いにそれはありませんでした。ただし、がん

      • リック・シンプソンのこと

        医療大麻、特に、大麻によるがん治療について関心のある人なら、リック・シンプソンという名前を一度は聞いたことがあると思います。 以前の記事で、カンナビノイドが持つ抗がん作用に関する研究は 1970年代にはすでに行われており、1975年にはアメリカの国立がん研究所が『カンナビノイドの抗腫瘍作用』と題された論文を発表したということを書きました。 当時このニュースは報道もされましたが、あまり真面目に受け取られず、揶揄的なトーンであったそうです。ところがこのニュースをラジオで聞き、

        • "ドージング・スペシャリスト”という存在

          アメリカでは州によって医療大麻が合法である、と聞くと、それはつまり病院で医師が医療大麻を処方するということだと考える人が多いと思いますが、実はそうではありません。 アメリカでは今も連邦法では大麻は一切禁じられており、そのため、大学の附属病院や公的資本が入っている病院の医師が医療大麻を「処方」することはありません。ある患者の疾病の治療や症状緩和に大麻が有効である可能性がある、と医師が判断した場合、医師は医療大麻を使うための「推薦状」を書くだけで、患者本人が推薦状を持ってディスペ

        放射線治療の完了と、大麻の “スケジュール” 変更が意味すること

          医療大麻をがん治療に取り入れる目的  その2:がんを治す

          前回の記事では、大麻ががんの標準治療による副作用の緩和に有用であるということをお伝えしました。近年の研究では、副作用を抑えるだけでなく、悪性腫瘍の「治療」にも効果がある可能性が明らかになりつつあります。 カンナビノイドの抗がん作用:基礎研究からわかること 実は、大麻によるがん治療の研究の歴史は意外と古く、最初の論文は、1975年にアメリカの国立がん研究所が発表した『カンナビノイドの抗腫瘍作用』と題されたものでした。 その後も基礎研究は続けられ、2010年代になると、特定

          医療大麻をがん治療に取り入れる目的  その2:がんを治す

          医療大麻をがん治療に取り入れる目的  その1:標準治療の副作用緩和

          医療大麻をがん治療に取り入れる目的は、大きく分けてふたつあります。がんの標準治療による副作用の軽減と、腫瘍そのものの増殖・転移を抑える、あるいは縮小させる「治療としての介入」です。 1990年代まで:がんの症状や標準治療による副作用の症状を緩和させるための対症療法 アメリカでは、1937年に大麻が禁止された以降も大麻は綿々とアンダーグラウンドで使用され続け、当初は移民や黒人ミュージシャン、ビートニクといった一部のマイノリティが使っていましたが、1960年代以降は白人中産階

          医療大麻をがん治療に取り入れる目的  その1:標準治療の副作用緩和

          乳がんになりました

          経緯:2023年11月〜2024年1月 2023年11月初旬のこと。ここ何年か受けていなかった乳がん検診を乳腺外来のクリニックで受けたところ、マンモグラフィーには映らない小さな腫瘍が、超音波検査で右の胸に見つかりました。細胞診の結果、がんの疑いが濃厚となり、続いての組織診(針生検)で乳がんが確定したのが 12月1日。それから小川町の日赤病院に紹介状を書いてもらい、乳腺外科を受診し、MRI と CT を撮るなど詳しい検査を受けました。その結果、12月14日に確定した正式な診断

          乳がんになりました