好きなホラーについて語らせてくれ! 〜「SIREN」〜
今回は、SIRENについて語ります。
ひたすら「SIREN」です。
なぜって、このゲーム、めちゃくちゃ面白いし奥が深い。
一言じゃ語りきれない魅力が有りあまりすぎて、Twitterの文字数じゃ足りない。
だけどどうにかまとめたい。
だから、10個に無理やり詰め込みました。
「SIREN」って何?
「SIREN」とは、知る人ぞ知る、究極かつ壮大なホラーゲームです。
とある閉ざされた山奥の村、羽生蛇村の儀式から惨劇は始まります。
儀式をきっかけに、目から赤い血を流した「屍人」と呼ばれるゾンビたちが徘徊し、次々と生きた人を「屍人」へと変えてしまいます。
プレイヤーはキャラクターを操作し、「屍人」の襲撃を避けながら、物語を進めていきます。
※ちなみに、キャラクターのうち半分ほどは武器を持つことができません。
武器が持てたとしても、戦闘力は常人程度。
物語の裏には、はるか昔に村で起こった大飢饉、過去の儀式の失敗による犠牲者、歳を取らない謎の女性、空から降ってきた、神生物など、壮大な伏線・設定が組み込まれています。
魅力1:クリア不可能!? 難易度が高すぎる条件
このゲームのキャッチコピーは、「どうあがいても、絶望」。
だからって、ゲームシステムにまで「絶望」を組み込まなくても! と叫びたくなったプレイヤーは少なくないでしょう。
なにしろ、操作キャラクターのうち、小学生の女の子、中学生の女の子、牧師のおっさんは、武器を一切持つことができません。
屍人に見つかったら、即ゲームオーバーです。
他の操作できるキャラクターも、武器の振り上げ・振り下ろしは緩慢で、間合いも微妙に取りにくい。
しかも、一撃のダメージは決して大きくない。
仮に倒せたとしても、「屍人」は不死身の怪物ですから、一度体を丸めて動かなくなったとしても、すぐに復活してきます。
ヘッドショットを当てても同じです。
どうにか屍人を避けようとしても、薄暗くてグラフィックも粗い、しかも霧がかっている羽生蛇村は、見通しが悪いことこの上ありません。
敵の視界を盗み見ることができる「視界ジャック」という機能を使えば、敵の位置を把握できますが、役に立つとは限りません。
畑を耕していて下ばかり見ている屍人や、壁にひたすら釘を打っている屍人なんかは、視界が土一色、壁一色なので、場所の把握ができないんです。
まさに、「どうあがいても、絶望」。
そこにストーリー把握に必要なアイテムの回収や、意味不明でノーヒントの「必要行動」なる謎のクリア条件など、難易度をあげる要素が盛り沢山です。
※必要行動とは「バルブを回す」「ほこらを壊す」などの行動。ストーリーの進行には関係ないのに、やらないとゲームが詰んでしまう。
魅力2:「喋るゾンビ」って、怖いけど悲しい
「バイオハザード」「デッドライジング」「ウォーキングデッド」などに登場するゾンビは、ほとんど喋りません。
喋るとしても、原型がないほどクリーチャー化してたり、そもそも英語だったりすることが多いです。
一方、純日本製の「SIREN」のゾンビ、「屍人」は、がっつり喋ります。
しかも日本語です。
「だれかいるの?」
「何? こわい……」
など、人間らしいフレーズを、死にそうなしわがれ声で呟くんです。
大工仕事や畑仕事を、虚しく繰り返している屍人もいます。
「屍人」となった人々には、世界が美しく綺麗なものに見えています。
自分たちが、まさか恐ろしい怪物になっているなんて、夢にも思っていません。
それどころか、「苦しみも痛みもない、美しい世界を生きている人にも見せたい」という思いで、主人公たちに襲いかかってくるのです。
一方、言葉はまともに通じませんから、こちらとしては、やっつけるしかないわけです。
この悲しさが、「SIREN」独特の魅力の一つとも言えるでしょう。
魅力3:苦情殺到! テレビで放映された例のCM
「SIREN」が発売された当初、最も話題になったのが、全国放送されたCMです。
女の子が「お父さん、お母さん、開けて、開けてよ」
と窓ガラスの外から呼びかける、というもの。
気づいた父親と母親がガラス戸の方を振り返ると……両目から血を流し、変わり果てた屍人の姿になった少女。
悲鳴をあげる両親……というお茶の間大号泣なCM。
当然クレームの嵐となったそうです。
こんなの夜中に流れたら、眠れなくなること間違いなしです。
魅力4:製作陣の熱が伝わる、蛍光ペンだらけの時系列表
ここまでゲームの難易度や、ゾンビなど、ホラーゲームとしての側面を主に紹介してきました。
ここからは、より深くて、かつ「ホラーゲーム以前にゲームとして面白い」という内容を紹介していきます。
まず注目すべきは、複数のキャラクターからなる、群像劇、という点です。
「SIREN」の操作キャラクターは、主人公を含めて13人も存在します。
この13人の行動が複雑に絡み合いながら、ゲームが進行していきます。
つまり、13人のキャラクターの行動把握が必要なわけです。
「サイレンマニアックス」という、「SIREN」の裏話などが集められたファンブックを見ると、このキャラクターメモが凄まじい!
13行の表に、蛍光ペンと無数の付箋による手書きメモで、行動一つ一つがメモされているのです。
さらに、ゲームの裏設定がわかる「アーカイブ」と呼ばれる資料が提示される場所まで、事細か。
いかに綿密に話が組み立てられているかが、一眼でわかります。
通りでクオリティが高いわけです。
魅力5:闇が深すぎる上にネタも満載な双子
「宮田」と「牧野」
「SIREN」の魅力を語る上で欠かせないのが、「宮田司郎」、そして「牧野慶」という二人のキャラクターです。
画面で見ていただくとわかるのですが、この二人、同じ役者さんが演じていらっしゃいます。
見た目も役者さんの顔を貼り付けたものになっています。
ここからちょっとネタバレします。
どうして同じ顔なのかというと……この二人、生き別れの双子なのです。
脇のキャラクターをどうしてここまで細かに説明するかというと、この二人のキャラクターは、主人公を差し置いて、ポスターの真ん中を陣取るほどの人気ぶりだからなんです。
詳しく説明しましょう。
災害をきっかけに、赤ん坊の二人を残して両親がなくなります。
これをきっかけに、別々の家に引き取られたのがことの始まりです。
兄は教会の求導師の家に引き取られ、弟は村医者の家に引き取られます。
実は、弟が引き取られた家というのが、村の秘密を知った人間を始末する、後ろ暗い役割を背負う家だったのです。
教会の求導師となった兄は、村の人々から崇め奉られ、尊敬を集めます。
一方、弟は「宮田の人間」(=後ろ暗い稼業の奴ら)として、村の権力者と教会に服従する立場になってしまいます。
幸い弟は、看護師の彼女を手に入れ、心の平穏を手に入れた……かと思われましたが、その彼女が求導師と弟を比較するような発言で地雷を踏み抜き。
弟、彼女を絞殺。
死体を山に埋めに行ったところで、「SIREN」の世界が始まります……。
……いや、闇深すぎるでしょ。
この後たどる、宮田、そして牧野の運命は、残念ながら幸せなものとはいえません。
脇役にして深すぎるストーリーが、多くのファンを虜にしているんです。
魅力6:謎すぎるエンディング
〜躍り狂う屍人たちのパーリーナイッ〜
ここからは、ちょっとネタ要素てきな部分を紹介していきます。
がっつりエンディングの話ですが、細かいところは触れずに、決定的なネタバレは避けていきたいと思います。
なんやかんやで、ストーリーが終了した後の主人公。
例えばバイオハザードだったら、朝日を背にして「終わったんだな」的な空気で終わるのが定番です。
「デイズゴーン」だって、みんなで手を取り合った大団円の終わり方でしたよね。
いずれにしても、アンニュイな雰囲気のエンディングと、悲しげな歌が流れるのが定石です。
一方、「SIREN」。
鳴り出すのは、うっとりするようなバラード……ではなく、ガチガチのヘビメタ。
ボーカルのシャウト。
ヘッドフォンから流れるヘビメタに合わせて、躍り狂う無数の屍人たち。
二刀流の輝く剣を携えた主人公。
しかも、なんの脈絡もなくこの映像が挟み込まれて、ゲームは幕を閉じます。
この謎すぎるエンディングも、SIRENの独特の雰囲気を醸し出す理由の一つになっているようです。
わけがわからないよ!!
魅力7:なぜここにいる、斎○工!?
実はSIRENには続編が存在します。
それが、「SIREN2」。
残念ながら初代ほどの人気は得られませんでしたが、意外に豪華な役者さんが出ていることは、あまり知られていません。
驚くべきは、主人公の一人が、あの斎藤工であるということです。
そうです、あのエロかっこよすぎる俳優、斎藤工です。
さらに、初代アナ雪のオラフの声を担当した、ピ○ール瀧までご出演。
まるで未来を予言したかのように薬z……いえいえ、なんでもありません。
人気の高い、自衛隊員のキャラクターを演じていらっしゃいますよ!!
主人公めがけて「あーそびーましょー♪」と襲いかかるピ○ール瀧……戦慄ものです(笑)
魅力8:世界を救ったしょんべん
こちらもSIREN2のお話。
詳しい経緯は省きますが、あらゆる伏線、あらゆる描写、そして、あらゆる資料などなど全てを含めて結論づけます。
たった一人の男の、トイレ喫煙+しょんべんが、世界を救います。
しょんべんに含まれるアンモニアに、タバコの火が引火したのが原因らしんですが……プレイヤーも1周目は呆気にとられたこと、間違いなしでしょう。
本人も茫然としている描写があります。
SIREN2は初代と比べると、かなりコミカル色が強くなっている作品です。
だからといって、話の中心にしっかり組み込んでくるとは……天晴としか言いようがありません。
魅力9:海外版リメイク作「SIREN:NT」
〜アメリカンは、恐怖も拳で解決だぜ〜
続編だけでなく、実は海外用リメイク版も存在します。
それが、「SIREN:New Translation」、通称「SIREN:NT」です。
大筋のストーリーや設定はそのままに、キャラクターを一新、ほとんどを外国人のキャラクターにして、操作キャラも減らしています。
また、初代では戦闘力常人並みだったキャラクターたちが、このNTではサイヤ人並の戦闘力に。
小さな子供のキャラクターをのぞいて、ほぼ全てのキャラクターが、拳で屍人を倒せます。
外国人が強すぎる、ということで人気のSIREN:NT。
システム面もかなり難易度が下がり、初心者でも気軽にプレイできるようになりました。
唯一、ヒロインのミヤコだけは、初代と同じ女優さんが、成長した姿で出演されています。
SIRENにご興味を持っていただけた方は、まずはNTからチャレンジしてみてください。
魅力10:発売から何年経っても色あせない、
出演者とファンの絆
SIRENの驚くべきところ、それは、発売から何年経っても色あせない、出演者、そしてファンたちの絆です。
SIRENは、2006年に発売されたゲームで、同じ年に発売された2、2008年に発売されたNT以外、新しいシリーズは出ていません。
それにも関わらず、ほぼ毎年、ファンイベントが開催されているのです。
私も、2019年、中野ブロードウェイで開催されていたイベントに行ってきましたが、大行列でした。
ゲーム内の羽生蛇村の宗教歌で、テーマ曲にもなっている歌を、みんなで歌い、儀式を再現する、というイベントも行われたそうです。
さらに、ネット上では、SIRENのゲーム内の日付であるところの、8月3日〜5日にかけて、「異界入り」と呼ばれるイベントが開催。
三日間の間、ゲームのイベント時間に合わせて、イラストやツイートを投稿する、というものです。
このイベントは毎年開催されてる模様です。
例えば、宮田司郎の車が主人公に燃やされる、というゲーム内のイベントが発生するタイミングでは、「#宮田四郎のジャガー炎上祭」と題したイラストなどが大量に投下されます。
今年も大いに盛り上がった模様です。
役者さんの熱も、冷め切ってはいません。
2020年には、SIRENで主人公須田恭也を演じた役者さんが、Youtubeにて、SIRENを実況する生配信がスタート。
多くのSIRENファンが沸きました。
ゲーム実況界隈では、「コジマ店員」「ガッチマン」などの人気実況者が、過去にプレイしたSIRENシリーズを再びプレイする、という企画を行っています。
当時の動画と比べながら見るのも楽しいですよ。
まだまだSIRENの熱気は衰えるところを知りません。
皆さんも是非、この夏、伝説のホラーゲーム、SIRENに浸ってみてはいかがでしょう?
まずは、SIREN:NT、そして実況動画から楽しんでみませんか?
何が言いたかったって、SIRENが最高だって話です!
……というわけで、大好きな「SIREN」の魅力を、ひたすら語ってみました。
本当はもっとイラストや画像を入れたかったのですが、どうしても夏にアプロードしたかったので、このまま一度、記事をあげさせていただきたいと思います。
余裕があったら、随時、追加編集をさせていただきますので、あしからず。
この記事で、少しでも多くの人が、SIRENの沼にハマっていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
それでは、また次回、お会いしましょう。
お相手は、エイでした!