大学書林『四週間』シリーズを本当に四週間でやってみた③:『スウェーデン語四週間』
前回までの四週間チャレンジ
大山です。
就職してからお金の余裕が出来たので、長年の夢だった大学書林の『〇〇語四週間』の収集ができるようになりました。ここのところは、この四週間シリーズを本当に四週間でやり終えるというチャレンジをやっています。酔狂です。
これまでに、『オランダ語四週間』、『ペルシア語四週間』、『ギリシヤ語四週間』を完走しています。
ちょっと前回から時間があいてしまったのですが、中国に持ち込んでいた四週間シリーズがその三冊だけだったんですね。だから四冊目の挑戦は日本に帰省するまで待たなければなりませんでした。
今回は選択肢が結構豊富なので、事前に投票してもらったところ、とんでもない大接戦の果てに、『スウェーデン語四週間』がギリギリで一位を獲得しました。ですので、今回はスウェーデン語に挑戦ということになりました。
レギュレーションですが、いつもの通り4週間=28日間でやりきるという方針でいきました。今回は事前に集中講義や結婚式があることがわかっていたので、最初から②の規定を使うことを想定していました。その辺りは事前にご了承願います。
というわけで、挑戦開始です。
四週間チャレンジの経過
挑戦開始して真っ先にぶちあたったのが、出版年の問題です。なんとこの本、初版が1955年という古さなのです。
出版年が古いのは四週間シリーズ全般に当てはまることなのですが、スウェーデン語の場合は、現代の我々の時代に至るまでに接続法がほぼほぼ廃れてしまったりしているので、『四週間』の知識のままでは古い……らしいのです。
これに関しては、たまたま古本でRoutledgeのスウェーデン語文法を入手していたので、裏でちょこちょこ参照していました。
ちょこちょこRoutledgeの文法書で内容を裏取りしていたのですが、正直言って非常に面倒でした。四週間シリーズに執着のない人が真面目にスウェーデン語をやる場合には、別の新しめの教科書を使うのが良いのではないかと思いました。
わたしは四週間シリーズのマニアなので意地でもこなそうと思いますが、ぶっちゃけ語学の効用とか効率という観点から見たら他の教科書の方が断然優れていると思います。
さて、今回は前回の『ギリシヤ語四週間』とは別のヤバさがありました。それはですね、……すごいんですよ、落差が。負担の。
……端的に言って、『ギリシヤ語四週間』よりはるかに楽だったのです。
確かに訳読はちょっと長めなのですが、ギリシア語の場合は毎日訳読20問、作文10問でしたから、あんまり大変だとは感じませんでした。注釈もたくさんありますし、語彙もついていますし、とにかく親切だったという印象です。
ギリシア語の場合は既習だったのに、最初の週から「おお、もう…」が飛び出していました。わたしが「おお、もう…」と言う時は、だいたい「Twitter上で進捗報告する縛りを課してなかったら絶対挫折してたわ」という意味だと理解してください。今回は「おお、もう…」も「ここからが本当の地獄だ…」も出番がありませんでした。
その代わりに飛び出したのが「まだまだ余裕」ですね。
ただ、こっちはですね、まだまだ余裕とか言いつつ本当はヤバいのを求めてるわけです。ギリシア語のあのヤバさを知ってしまうと、もう戻れないのです。中本だって、北極を食べ出したら普通の蒙古タンメンは甘く感じるでしょう?辛いのが食べたいのに甘く感じるのですよ。そんな感じのほんのりとした不満が……
『スウェーデン語四週間』の中身に関する唯一の絶望案件はこれでした。
これは流石に骨が折れました。……いや、実際に危なかったのは手首かもしれません。勉強の最大の敵は書きすぎによる腱鞘炎です。ちょっと下に全文出してみます。これが一日分です。
とはいえ、一文一文は短くて単純ですし、なんとかなりますよね。
……と思ったのですが、今思うと、この時点で既に感覚が麻痺していました。冷静になって常識を取り戻して、普通に考えると、(76)まである練習問題とかおかしいでしょ!?(76)まである練習問題もおかしいし、それを見て「まあなんとかなる」とか思えてしまうのもどこかおかしいですよね!?
……そう、最終的には、「『ギリシヤ語四週間』のせいで感覚が麻痺しているのだろう」という結論を認めざるを得ませんでした。恐ろしい……負担がインフレした環境に慣れすぎて、もう四週間シリーズでも簡単な方のものでは足りなくなっていたのです。
裏で執筆作業を並行してやっていたのですが、そうしてようやくちょうど良い感じでした。まあ、本業が研究関連なので、本来そうあるべきなんですけどね。とにかく、『スウェーデン語四週間』はとっつきやすいです!(満面の笑み)
しかし、そんなつまらない状況を神が嘆いたのか、大ピンチがわたしに襲いかかりました。
この四週間で最大のピンチは、訳読の負担でも、時間が足りないことでもなく、二週間近く出かけることになっていたのに『スウェーデン語四週間』を家に置いてきてしまったことです。
……いや、実は本を持って来なくても良いように、第四週の内容をiPadでスキャンしておいたのです。ところが、その後に、iPadも重いからやっぱりいいや!ということでその肝心のiPadを家に置いてきてしまったのです。転ばぬ先の杖をぶち折って転んでるじゃないか……
最終的には、徐々にインフレさせて楽しみたいのであれば『ギリシヤ語四週間』は最後に回すべきだった、という結論になりました。仕方ないね。
……ノリと勢いで始めた企画なので、こうなることはまあ本当に仕方ないことです。そもそも本来の目的はとにかく語学をやることなので、完走することに最大の意義があるわけです。盛り上がり云々はその次ですね。なのでまあ、これで良かったんだと思います。
このノートを見たときの達成感が四週間チャレンジの醍醐味みたいなところがあります。なんだかんだで100ページ以上書いたわけですから、結構がんばりましたね。
総括
まだ四冊しかちゃんとやっていませんが、少なくとも今のところ、『スウェーデン語四週間』が一番親切な四週間シリーズだと思います。四週間チャレンジするなら一番おすすめかもしれません。
ちなみに、『ギリシヤ語四週間』は血反吐を吐く覚悟が必要で、『ペルシア語四週間』は終盤本に対する憎しみの念に悩まされました。『オランダ語四週間』は語彙がついていないことに対する不満を毎日抱きながらこなしていたので、やはり『スウェーデン語四週間』が一番親切だと思います。
……他のスウェーデン語の教科書と比べた場合は考えないことにいたしましょう。
おまけ
……なお、やっぱり物足りなかったので、10年近く積読だった『CDエクスプレス アイスランド語』のタイムアタックをやりました。リアルタイムだと開始時刻から3日と4時間半、実時間だと16時間半ほどかかりました。
ニューエクスプレスみたいな感じだったら1日でできるだろうとたかをくくっていたのですが、CDエクスプレスってニューエクスプレスよりも負担重くないですか!?それともアイスランド語だけなんでしょうか……
結論としては、語学書はタイムアタックをする類のものじゃないということです。腱鞘炎になりかねませんからね。同様に、四週間シリーズは四週間チャレンジするものじゃありません。
……なんの気なしに「同様に」でつないでしまったけれども、語学書タイムアタックは明らかに製作者側の意図しない使用法であるのに対し、四週間シリーズの四週間チャレンジは少なくとも建前上製作者側の意図通りの使用法なんですよね。だから「同様に」はおかしかったですね。でも無性に「同様に」でつなぎたくなる不思議。とにかく、
語学書のご利用は計画的に!!!
おわり。次回に続く!
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