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家族愛を取り戻す

映画「エデンの東」をみると、
家族愛とは何かがよく理解できる
のである。

父子家庭に育った、
双子の兄弟アロンとキャルは、
真逆の人柄である。

アロンは父親譲りの敬虔な
クリスチャンであり、善人と
言われている。

一方、弟のキャルは、
迷惑ばかりかけ、いわゆる
悪人と言われている。

それゆえ、キャル自身、
父親と兄と違い、自分がなぜに
このような人間なのかという
ことに悩んでいたのである。

そのような時に、
出産後すぐに亡くなったと
言われていた実の母に会う
のである。

そして、父と母の夫婦生活が
どのようなものだったのか。
いかに価値観が、かけ離れて
いたのか。
その真実を知ってしまうのである。

そして、自分の性格は、
母親から受け継いだものだったと
いう事実に気づいてしまったので
ある。

しかし、キャルは、それでも、
父に愛されることを諦めない
のである。

父のビジネスで損失したお金を、
自らのビジネスの才を使い、
取り返したのである。

そして、父の誕生日を
企画し、自ら稼いだお金を
全額、父にプレゼントしたので
ある。

しかし、父はそれを
受け取らなかったのである。

戦争に乗じて、儲けたような
お金は、絶対に受け取ることが
できない。
父なりの価値観が、
そうさせたのである。

キャルは最後に父にいい放つ
のである。

「パパは母さんも僕も愛さない。
パパは聖人だ。常に正しい。僕らは許される側だ。自分の正しさを押しつけようとする。僕を嫌うのは、
母さん似だからだ。母さんを愛したことを悔やんでいる。僕はパパを
許さない。決して許さない。パパの愛を買おうとした。でも、もうパパの愛はいらない。役に立たない
愛だからだ」

生き別れの夫婦が、子育てに
苦労するのは、別れた伴侶と、
愛でつながっていないことから
生じるわけである。

別れた伴侶は、姿を変え、
目の前の我が子の中に
生きているからである。

別れた伴侶と、尊敬と感謝で
つながっていないならば、
目の前の我が子とも愛で
つながることは不可能という
原理原則があるわけである。

そして、キャルの両親の
価値観の不調和は、
キャルの父の両親のどちらかとの
価値観の不調和に起因している
わけである。

それゆえ、キャルの父が、
許すべき相手は、息子の
キャルではなく、まずは自らの
両親となるのである。

だからキャルの父は、
まず、両親から注がれし数多の
無償の愛を思い出さねばならない
のである。

そうやって両親への感謝と、
尊敬の念が深まるにつれ、
両親を裁いている自分に
気づくのである。

ここに至り、本当の意味で、
両親を許すことができるのである。

このようなプロセスを経て、
キャルの父が、自らの両親を許すことができてくると、
キャルの中にもまた、
父の愛を思い出し、感謝と尊敬の
念が深まってくるのである。

気づけば、大嫌いだった父を
許すことができるのである。

このようにして、家族愛は、
取り戻すことができるのである。

家族が愛でつながることが
できるのである。

このように、家族のご縁とは、
決して断ち切ることができないものなのである。

それゆえ、難しくとも、
尊敬と感謝、愛でつながらねば
ならない。

尊く大事なご縁というわけである。

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