瞳 “Loving Annabelle”
いとおしさと喜びで胸がはち切れさふ 鮮烈な光を宿す意思的な横顔
あの年頃のみずみずしさ はねつけられない瞳が迷いなく見つめる
情熱を感じるところへまっすぐに 人との出会いは斯くも不思議
定まったエネルギーの方向性から日常に変化が 子犬のやうな愛くるしさ
アナベルの あの落ち着き 誰に対してもすっと思いを言葉で表し
あの場面で真っ向から抱きしめる肚の据わり 心の奥で望んでいるものを
渡せるひと 感じた痛みやはずかしさを 昇華させるのもやはり人
もぞもぞした自分が露わに それでも癒しは浄化をすすめる
えも言われぬ表情の連続 あまくビターな懐かしさに胸が締めつけられ
うつろう装い 白が映え 揺れるタッセル 膨らむ水色
建物の愉しさ とうとう彼女に向けられたカメラ 指や手はこんなにも自由
細長いバスタブに浸かって 米国のシャワーでない入浴に新鮮な驚き
物憂げなまぶた 睫毛のうごき 芝生や砂浜に横になって過ごす時
まぶしい光も そっと木が落とす影も 赤いドレス 手にしたギター
すきになるのに 恋に落ちるのに理由などない “わからないわ”の余韻
予定調和でない愛 奇跡に驚きよろこんで 日々を彩る愛情を問う人
切なさに酔ふ 鮮やかなときめきが詰まった小箱は 今年の一本になる予感
惜しむらくは 終盤虫との格闘がはじまり 注意が逸れて
放っておけぬ場所にあらわれるのは必定 ひんやりと感じる日々に
未だジーンズを履いているけれど その訪れに夏の近さを確信した夜
“Loving Annabelle”(’06・US “恋するアナベル”)
Erin Kelly, Diane Gaidry Directed by Katherine Brooks
Catholic boarding school(全寮制のカソリック校、寄宿学校)
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Erat, est, fuit
あった、ある、あるであろう....🌛