会話
ぢっとみつめられていた 確りした調子で名前を呼ばれて飛び上がり
先週互いの名を聞き合ったところ 名前を知らずとも会話は成り立つが
穏やかで安定感ある佇まい 彼女たちがつくるおいしく躰を支えるたべもの
整った装い 寒さが和らいだ頃 彼女の笑顔に再会し 殆ど泣きかけ
抱擁をもとめていた 涙を呑み込んで また会えたことを喜ぶ
ひとりの人間が持つやさしさ 普段の買いものをする場で
親しく話す仲ではないけれど 冬のきびしさと人々との関係性
枯れ果てた心に落ちた一滴の潤い 新たな日々がはじまる予感
安心して心を開ける場を求めるには 大人になり過ぎて
愛はこどもたちに渡していく番 聞いてほしいことは沢山あるけれど
近くに住む友だちの家と行き来できた気楽さ スーパーまでの道のり
ただ食べて飲んで 時間をともにするだけでも随分軽くなっていたのだ
出勤途中に友と行き合い 軽い挨拶 短い会話 笑顔は元気を運ぶ
よく見かける交差点での渋滞 車越しの会話を気長に待つ後続車
車通りのはげしい往来で 俺に気づいてと鳴らされる派手なクラクション
せんせいみて、ぼく背い伸びしてるのと 腕にしがみつき来た子
ちいさなあごは水面の際 いつになく真剣な眼差しに慌てて潜れば
水底にふるえる足 けいちゃんすごいねぇと感動していると
わっと抜けた力 両腕の浮き輪に身をまかせ そうでしょうという様子で
笑みくずれた 子らの考え 笑ってしまう表現 全身全霊の遊びがもたらす
笑いの源 すぐ傍にあるものを見逃さないよう 感覚をひらきおこう
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Erat, est, fuit
あった、ある、あるであろう....🌛