ゴッホ展@兵庫まで私を向かわせた、アルルでの出逢い/絵夢の日々想うこと|アート編
アルルで出逢った画家・野澤好夫さん
沖縄在住の私が、なぜ遠路はるばるゴッホを体感しに、兵庫へ向かったのか?
それは、去年10月に訪れた南ヨーロッパで、ゴッホの人生とアルルの光に共感・感動したからです。
なぜそこまで感動できたのか?
それは、画家であり、観光ガイドでもある野澤好夫さんにアルルを案内していただいたからなんです。
野澤好夫さん
野澤さんのガイドによって、ゴッホとアルルを知ることができたから、ここまで感情移入できたし、ゴッホ展@兵庫まで足を運ぼうと思いました。
野澤好夫さんとは
まずは、野澤さんの略歴に触れてみようと思います。
1987年に東京芸大卒業後、フランス政府給費留学生として渡仏。
以後〜現在、仏・マルセイユに在住。
ヨーロッパで精力的な創作活動を行い、パリ・ベルギー・カナダなど、数々の展覧会において多数受賞。
南フランスの光と色彩、それらを取り巻く澄んだ空気に身を置きながら、四季折々の自然の営み・プロヴァンスの豊かな表情を描き出す。
ザッと見ていただければわかるように、輝かしいキャリアの持ち主でございます。
野澤さんのガイドは、他と一味も二味も違う!
野澤さんのガイドは、他とどう違うのか?
まず、⑴画家という視点から展開される考察・見解。
野澤さんの「画家視点」が、私に多くの気づきを与えてくれました。
存在する対象物と作品を目の前で対比させて、その作品に反映されている視点や色彩の特徴について語ってくれるんですね。なんと贅沢な時間でしょうか。
しかも、不思議なんですが、野澤さんの語りは情報量が多いのに観念的じゃないんです。これも重要ですね。ほど良い言葉数と感覚的に理解できる文章で解説してくれるので、思考を使い過ぎないんですよ。
おかげで、目の前にあるアルルの風土や光を優先して、目一杯、体で感じる(=体感する)ことができました。
そして、⑵その場にまつわる、印象的なストーリーを語ってくれる。
ストーリーは人間の感情を揺さぶります。その場所にまつわるストーリーを知る事によって、景色・光はもとより、目には見えない空気感など、感じたものをできるだけ脳裏に焼きつけることができました。
改めて、ストーリーというものの力を実感しましたね。
黄色い病院の中庭(下の写真)では、耳を切ったゴッホが奇人扱いされ、住民投票によりアルルを強制的に追い出されてしまったというストーリーを語ってくれました。
私が撮影したアルルの病院の庭
この庭に差し込んでいた、強く、でも優しい光が、今でも私の脳裏にしかと焼きついています。ちなみに、この病院の庭は、このように作品として描かれています。
アルルの病院の庭/ゴッホ
3つ目は、野澤さんの⑶約30年プロヴァンスに住んで得た、風土や歴史・地理など、さまざまなコトモノに対する知識と理解です。
もう!とにかく圧倒的な知識量!
野澤さんは歴史が好きだとおっしゃっていましたが、美術はもちろんのこと、フランス空軍や飛行機・ユダヤ移民の話などなど出てくるわ、出てくるわ。引き出しの数が半端なかったですね。
中でも、余談でお話してくれた、レオナルド・ダ・ヴィンチの話は興味深かったです…。
一文でまとめてしまうと、野澤さんのガイドは「内容が幅広くて、濃密」なんですね。
野澤さんはBS「日本に恋したゴッホ 北川景子が歩く天才画家の旅路」にも出演しているので、興味のある方はご覧になってみてください。「僕は、8分ほどの出演ですが…」と、野澤さんから謙虚におすすめしていただきました。
北川景子氏が、野澤さんと原田マハ氏と共に、ゴッホが愛したアルルの風景と作品をたどっています。
しかし、4Kの解像度は凄いですね。
下手したら、美術館で観るより、作品の質感を捉えることができるんじゃないか?と思ったほどでした。
野澤好夫さんのアルル案内を体感したい方へ
野澤さんから「今、ジャンボツアーズ株式会社のツアー企画に参加している」とチラッと伺っています。
野澤さんの膨大な知識とプロヴァンスでの実体験、そして、画家という視点から南仏・アルルの光を体感してみたい方は、以下に問い合わせてみてください。
EXHIBITION YOSHIO NOZAWA 2020
また、今年(2020年)東京・北青山のギャラリーコンセプト21にて、野澤さんの個展が開催されます。3月6日(金)〜17日(火)まで。
野澤さんが捉え続けてきた南仏・プロヴァンスの光=色彩を、ぜひ肌身で感じてほしいと思います。
【追記(2020/03/01)】
誠に残念ながら、コロナウィルスの影響により、今回の野澤好夫展は中止になりました。来年2021年2月に延期です!
やはり、出逢いというものは、人を動かします。
それが物であれ、人であれ、土地であれ。
そして、つながっていきます。
野澤さんに出逢っていなければ、アルルの光や生ゴッホはもちろん、神戸・六甲山の六甲姫さんにも出逢っていなかったに違いありません。