26, FORGIVENESS 許し|Dr. チャック・スペザーノのセルフ・セラピー・カード
「PERSONAL MYTH 個人の神話」カードに引き続き、「どんな癒しが適切なのか?」と尋ねながら、8枚から成るヒーリングカードを引いてみました。
〈過去記事 「PERSONAL MYTH 個人の神話」について〉
26, FORGIVENESS 許し
このカードの意味
「許し」は、癒しの原則の中心的なものです。「許し」とは、自分を「許す」こと。
世界が自分自身の意識を映し出す鏡だとしたら、あらゆる責め・非難が自分の罪悪感・自己攻撃を外界に投影したものならば、人を「許す」ことによって自分の潜在意識的な罪悪感は解放されるでしょう。
罪悪感とは、実はある種の傲慢さです。ミスをしてもそこから教訓を得て、訂正し、先に進めば良いだけのに、自分のことしか見えなくなってしまっているのです。
「許す」ことによって初めて、物事を本来の視点から見ることができ、自分は悪くはなかったのだと思えるようになります。再び人生の流れが良くなり、楽で自信のある人生になります。
「許し」とは、自分が競争に勝って相手を負かすことではありません。恩着せがましくなったり、優越感を感じることでもありません。そして、人に哀れみ(同情)を施すわけでもありません。それらは優越感と競争心に他ならないのです。
私たちが「許す」ことを怖れるのは、ひとたび許してしまうと犠牲的な立場や傷ついた状態から抜け出せなくなるのではないかと思うからです。自分の恨みや怒りは当然のものだと感じ、それを止めるのは馬鹿だと感じているからです。
ところが、恨みとは他人がしたことについて抱くのではなく、実はまだ自分自身を許していないことについて感じるのです。実際は、自分の過去にしがみついて(相手を責めて)いるのです。
「許し」とは、簡単に言えば人ともう一度繋がることです。自分が犯したと思った過ちを、人のせいにして責めてきたことを詫びることなのです。
また、全てが思い違いだったと認識することです。そのことで本当のことが理解され、そこには新しく癒された状態が訪れるでしょう。あなたが「許す」時、過去には与えられなかったものをやっと与えることができるでしょう。それによってあなたは癒され、あなたが非難していた相手も癒されます。
あらゆる問題の中核にある力学の一つは、そこで絆が失われているということ、人と人が繋がっていない分離した状態です。罪悪感は、人生の強力接着剤です。苦痛なパターンや状況とくっついて離れられなくしてしまうのです。一方、「許し」はそれを溶かす溶剤です。
「許す」ことで罪悪感から解放されるのみならず、引きこもった状態・無価値観・犠牲・困難・停滞・死んでしまったような活気のない気持ちで疲れ切った状態・過剰に埋め合わせをしようとすることなどからも救われるのです。
私たちをバラバラに引き離すものから解放された時、再び人と繋がることができ、その問題は解消します。
このカードが出たら
このカードを受け取った人は、自分から「許す」気になることが重要だと理解しましょう。なぜなら、まず誰か一人を許さなければ自分自身も含めて全ての人を許さないことになるからです。
許さなければ、人と距離を作ってしまいます。一番愛している人との間にさえ、距離ができてしまうのです。その状況を変える力は、実は自分自身の手の中にあります。
「許す」という選択は、改めて相手に向かって与えることであり、新たに受け取ることです。恨みを手放しましょう。
そうすることで、隠れた自己攻撃や不自由さからも解放されるでしょう。自分一人だけで何事かをなそうと思ったら、「許す」のは困難です。しかし、ハイアーマインドに頼み、「許し」を完了できるように助けを求めることができるのです。
天の恩恵によって「許し」が起きるに任せることもできます。自分や人を責めていては、本当のことが曖昧になってしまいます。真実を選択しましょう。真実を知りたいと心から求めましょう。「許し」が起きることを求めましょう。
「許す」は少しずつ起きるかもしれないし、一度に起きるかもしれません。ミラクルを求めることもできるのです。そうすれば、その状況全体に新しい光を当てて見ることができるでしょう。
私的考察
「FORGIVENESS 許し」は、一筋縄ではいかない、なかなか難しいテーマだと個人的に思います。
今回も〈カードの意味〉から個人的に気になった部分を抜粋し、簡単な考察をしてみました。
ミスをしてもそこから教訓を得て、訂正し、先に進めば良いだけなのに、自分のことしか見えなくなってしまっている
確かにこのように言語化するとシンプルなことですが、「なぜかそこを突破できない引っ掛かりがある…」というのが悩みですよね。
特に、「許し」は時の経過が必要になってくる場合があるかと思います。焦らずですね。
世界が自分自身の意識を映し出す鏡だとしたら、つまり、あらゆる責め・非難が自分の罪悪感・自己攻撃を外界に投影したものならば、人を「許す」ことによって、自分の潜在意識的な罪悪感は解放される。
自分が犯したと思った過ちを、人のせいにして責めてきたことを詫びる。
罪悪感とは、実はある種の傲慢さです。
ここだけピックアップして読んでみると、もしかして傷口に塩を塗り込もうとしている?とも思える…w。
特に、スピ系に興味を持つ方は他責より自責に向かう傾向が強いので、これらの言葉を全て鵜呑みにしないでいただきたいと私は強く思います。許しのワークを行う際、さらに自分を責めて混乱を招く可能性があるので、気をつけてください。
私のおすすめする「許し」のワーク その①
ここでは、私が時々行う「許し」のワークをご紹介します。良かったらやってみてください。
まず、どれだけ相手が憎いか?ムカつくか?自分が悲しいか?悔しいか?など、自分の正直な感情を徹底的に認識することから始めます。ここでの罪悪感は不要。分別つけず思いっきり吐露する事が重要です。
傾聴してくれる相手がいれば話す、いなければ(文章を)書く、(イメージを)描くなどででアウトプットすることが大事。でも、後に見返す事ができるので物質化することをおすすめします。
インナーチャイルドヒーリング・感情解放ワークと呼ばれているものと同じです。自分の気持ちを全て外側の世界にアウトプットしてください。
この過程を経て初めて、人は「許そう」という気持ちになるのだと私は思います。
私のおすすめする「許し」のワーク その②
次に、起こった事件や問題を、自分・相手両方の視点から客観的に検証することを行います。
本当のことが理解され、そこには新しく癒された状態が訪れる
自分や人を責めていては、本当のことが曖昧になってしまいます。真実を選択しましょう。
言葉を選ばず言うと「敵を知る」ということでしょうか。
「相手を知る」が「相手を許す」に変容し、相互理解・調和・愛・平和へと繋がっていくのだと私は認識しています。
感情はできるだけ抜きで、冷えた頭で真実を検証していきましょう。
相手の置かれた状況・立場。さらに家庭環境まで知る事ができるなら、人格形成・思考形態まで想像しやすくなります。長い時間軸で観察していくと見えるものが変わってくるので、また面白くなってきますよ。この時、自分のことも同様に行いましょう。
私を例として挙げれば、【縄文・出雲族(蝦夷・土蜘蛛勢)だけに感情移入して追いかけるのではなく、朝廷側(持統天皇・藤原不比等勢)の幼少時の環境や家系・家族構成、歴史背景なども検証してみる】ということになります。
〈過去記事:「『個人の神話』をアウトプットしてみた」を参照〉
今回はたまたま現世の話ではありませんがw、肉親との呪いを解消したい場合でしたら、両親の育った家庭環境をまるで他人事のように調べてみてください。知るだけでもかなり呪いが解消されると思います。ルーツ(自分の足元)を知ることは、非常に大事なことだと思います。
〈過去記事:「今、日本(私たち)のルーツを知る必要性がある」を参照〉
無理やり頭ごなしに「許さなければならない」などと思うのは、自分を自分で追い込み、さらなる罪悪感を植え付けることになりかねないので、私はおすすめしません。
自分を攻撃してしまいやすい方(自責の念を持ちやすい=優しい方とも言える)は、まず素直に自分の感情を放出するワークに取り組むのが良いと思います。
その際、アート(歌・演奏・ペインティング・ライティング・ダンスなど)は非常に役に立つツールです。感情解放はもちろん、自己認知、ひいては才能の開花・創造性の理解にも繋がっていきます。
そして、それぞれの環境・真実を知ることですね。事象を多角的に観るとを言い換えても良いかもしれません。
Dr. チャック・スペザーノのセルフ・セラピー・カードは、曇りない鏡で自分の姿をダイレクトに映し出してくれるような性質を持っています。冷静で客観的な視点から生まれたものですね。
イメージや絵柄からのインスピレーションではなく、言葉で論理的にメッセージを受け取るのが得意な人と相性がいいのではないか?と思います。