【音楽感想】Tanzanite
（いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません）
M3-2020秋にリリースされたLapisの新譜「Tanzanite」の感想です。
どんなアルバム？
「Lapis」は二人の同人歌手、妃苺さんとれにゃたのユニットです。
妃苺さんとれにゃたさんについては、これより前に書いた感想記事で紹介したかと思います。
Lapisは5年ぐらい前から活動していて、毎年1枚ぐらいでリリースしてます。これは4作目にです。ジャンルとしてはJ-Popの部類と思われます。今回は、この記事の頭に貼った動画のように、シリアスな曲が前半４曲になり、後半４曲はソフト・キュートな感じになってます。歌い方はユニゾンでの重唱が多いです。
感想
1. 残光
「悲しみの先まで何度も何度でも……」
その強いフレーズで始まるスタイリッシュなファーストナンバーです。曲を通してヴァイオリンの音色がメロディーを支えてるのが好きです。そして何より二人のユニゾンが力強い……！ この曲を聴けばどんなに落ち込んだ日も立ち直れそうな気がします。
「もう希望しか見えない そうでしょう？」
2. スピネル
ピアノのソロから始まる切ない２曲目です。未熟で惨めな状態から、二人で力を合わせて先に進む。「乗り越えられる 二人で」。そう祈るような決意を込めるように声を合わせる歌は、Cメロからはハモリにもなり、より高いステージの関係性になったことを演出しているようです。
3. Unreachable
「見上げた空」。それを喩えるような音の少ないシンプルな旋律が印象的なナンバーです。この曲だけ作詞が妃苺さんで作曲がれにゃたさんになってます。歌だけでなく歌自体も二人の力を合わせてる……エモい……。それを差し引いても星明りのようにささやかだけど綺麗な曲だと思います。
4. Voice
ロック調のナンバーです。Aメロから交互に叩きつけるように二人の歌に衝撃を受けます。伴奏として音は薄めかなと思いますが、要所要所でヴァイオリンやピアノ、コーラスをうまく聞かせ、そして二人の熱い歌を引き立たせる良い音楽な気がします。
5. マーメイド
シリアスなナンバーは終わり、メルヘンチックで可愛いナンバーになります。曲名のとおり人魚とか、月とか、星とか。結局は届きそうで届かない想いを伝えようとする女の子っぽさに溢れてます。
作曲しているのは東条サダヲさんで、先日に感想を書いた「Departure」の人ですね。やっぱりこう、可愛い女の子をテーマにしているって感じですね。
6. そこにキミがいるのなら
きっと桜が咲くような春の光景に奏でるような一曲。「今すぐ迎えに行くから」と、疾走感するメロディーと、優しく想い出を語ったり、彼方へと強く呼びかけたりと揺れる二人の歌。青春かな……と思います。
7. Last Philosophys
曲名が指すところがわかりませんが、「哲学」というようにちょっとファンタジーな、現実感のない詞の歌です。曲調としては明るく、でも「このまま世界が終わるなら」とかちょっと物騒なことを言う。きっと夢想なのでしょう。曲の最後は二人のコーラスでフェードアウトして終わりますが、それも夢のようです。
8. 君色ミライ
希望に満ち溢れたような明るいラストナンバーです。このアルバムの中でいろんな曲がありましたが、その感情を綺麗に仕上げるような到達感があります。……感想を長々書いておいてあれですが、もう、多くを語る必要もないかなと思いますね。
「描き出せ！ 君色のミライを！」