【音楽感想】Baby Romantica
(いつもの: この記事は個人の感覚・感想で公式なものではありません)
M3-2020秋の新譜「Baby Romantica」の感想です。
どんなアルバム?
同人歌手のまめこさんと藍月なくるさんのコラボCDです。ジャケットイラストのとおりゴシック調の耽美な曲がそろっています。
まめこさんは「Mamyukka」などで活躍している方です。最近はYoutubeで生歌配信も頻繁に行っています。ロリータ系のかわいらしい印象ですが、大人っぽい格好いい声も出せる実力派ですね。
また作詞作曲もできるようで、この作品においてすべての作詞はまめこさんが行っています。
Mammyukkaベストアルバム: https://booth.pm/ja/items/374878
藍月なくるさんは「Endorfin.」や自身のサークル「クラリムステラ」で活動してます。Youtubeでも歌ってみたの投稿やゲーム・TRPG配信などを精力的に行っています。声を聴くと儚く清楚なイメージですね。(見る配信によってはだいぶ印象が変わると思いますが(笑))。
藍月なくる: https://www.youtube.com/channel/UCQHCHIoeu0FRJTJNMG2_Ezw/featured
感想
1. 月と蝶の小夜曲
「どうかどうか ねえ 触れさせて」
チェロの音色と共にそんな嫋やかな歌い出しと思いきや、暴力的なギターソロではじまるファーストナンバー。歌詞の中に出てくる外国語(歌詞カードではアルファベット表記の単語)はギリシャ語か何かのようです。Kardia(心)、Kairos(時)、など。そうして、常の中では結ばれない破滅的な愛を神話的に歌うのです。
2. Verdelia
潮騒の音で始まる、やわらかい、ヴェルベットに豪奢な曲調の曲です。Verdeliaはおそらく造語で、Verdeはイタリア語で「緑」? (Verdelだとスペイン語で「鯖」になってしまうが)。叶わぬ愛が故の逃避によって立ち寄った楽園というイメージを覚えます……と思いましたが、どうやらサイトを見ると歌われる二人の姫の名の片方のようです。
作曲を鈴葉ユミさんが担当しています。鈴葉さんは歌手でもあり、この曲ではコーラスも担当していて、音楽としてもとても豪華な仕上がりになっています。
3. Rusmir
優雅なピアノをメインとしたシンプルな伴奏で、二人が舞うように歌います。しかしユニゾン部分は最後しかなく、まるで想いが噛み合わない印象。歌詞としても、二人の都合のいい場所にいるのに何故か満たされない、不安が消えない、そんな想いが綴られています。
曲名はまた謎の単語ですが……たぶんもう一人の姫の名のようですね。
作曲はMamyukkaなどで活躍するオッカさんです。私にとってはオッカさんは葉月ゆらと不気味な感じの作品を作っていたのでその印象が強いですが……しかしこの曲も、理由のわからない不和を演出していて、不気味ですね。
4. 姫遊戯Secrecy
訪れる破綻はいっそ華やかに。ブラスバンド風の音の編成で軽妙に、破滅がはっきりと歌われます。
「憎しみも」「くやしさも」「虚しさも」「痛みさえ」
「ああ」「叫んで 泣いて 崩れて 壊して」
そう言葉をぶつけ合うCメロがハイライトかなと思います。
作曲はsky_deltaさんです。藍月なくるさんとendorfinや他でも活躍している方で、多彩な音楽を作られる凄い人です。
5. 深淵Amnesia
終局に向けて駆け上がるラストナンバー。叫ぶヴァイオリン、駆けるピアノ、掻き立てるロックバントと彩るコーラス。そして二人の歌が調和した最高の一曲ではないかなと思います。
作曲は塚越雄一郎さんで、何という表現も難しいほどいろんな曲を作ってる方ですね。先日感想を書いた紗智さんのアルバムでも、最も熱い曲である「踊るAutomaton」の作曲をしています。
本人のブログにもコメントがありますね: http://nanosizemir.seesaa.net/article/478077373.html
(通販情報を書こうと思いましたが、2020/11/1段階ではまだ通販準備中のようです。私はM3で買いました)