ゲームレポート:ゼノブレイドクロス
導入部のあらすじ
地球は、滅亡した
異星人同士の戦争の舞台となり、焦土と化した地球
崩壊寸前の母星から逃れるべく、宇宙へと飛び立ついくつもの移民船
その多くが異星人に撃墜される中、移民船「白鯨」は何とか重力圏からの脱出に成功する
光に呑まれて消えゆく故郷を後に、新天地を求めて二度と戻ることのできない旅路へ…
しかし2年の放浪の後、白鯨は遂に異星人“グロウス”の追撃部隊に発見されてしまう
軍の防衛隊と一人の英雄により何とかこれを退けたものの、メイン機関を損傷した白鯨は近くの惑星“ミラ”へと墜落してしまった
二ヵ月後、人間たちは白鯨の居住ユニットの名称をNLA(ニューロサンゼルス)と改め、ここを拠点に惑星ミラを第二の故郷とすべく、開拓に乗り出すのであった
ゲーム概要
2015年に当時の最新ハードであったWiiUにて発売されたゼノブレイド作品
タイトルにゼノブレイドの名を冠し、アーツを用いたバトルシステムやキズナグラム等の多くの類似点を持つ
一方、マップの構成や世界観、主人公のキャラ設定などはゼノブレイドのそれと大きく異なっており、かなり毛色の異なるゲームとなっている
ゲーム種別としてはオープンワールドRPGである
開発元のモノリスソフトとしては、ナンバリングシリーズとは別の系統作品として、この路線を続ける予定だそう
(事実、このクロスの後にゼノブレイド2がSwitchで発売され、こちらは本家ゼノブレイドの流れをより強く汲んでいる
今後クロス2が出るのかが気になるところ)
用語の説明
本作の内容について解説する前に、重要な用語から説明させていただきたい
惑星”ミラ”
冒険の舞台となる、白鯨が不時着した惑星
原初の荒野・夜光の森・忘却の渓谷・白樹の大陸・黒鉄の大陸という全く異なる環境を有する5つの大陸によって構成され、その周囲は大海原に囲まれている
環境は地球に近いようで、植物が生い茂り、モンスターを含む多種多様な生き物が生息し、いくつかの種族の異星人も住んでいる(本作でもノポンが登場するが、彼らは先住の異星人という扱いになる)
この惑星を開拓し、地球人の住める拠点を築き上げることがストーリーの目的のひとつとなる
完全オープンワールドのため、各大陸は完全にシームレスに行き来が可能
各大陸の大まかな特徴は以下の通り。
・原初の荒野
荒野という名とは裏腹に豊かな草原と丘陵が広がるエリア
最初に訪れるエリアであり、マップの複雑さはそこまでではないが非常に広大
片隅には拠点となるNLAが存在し、後述の夜光の森・忘却の渓谷とは地続きである等、ハブとしての役割も持つ
・夜光の森
高台になった大陸の上に巨大な樹木や植物が生い茂るジャングルのエリア
超巨大な瀑布や大河が雄大に流れ、色鮮やかな植物と相まって強烈な自然の息吹を感じさせる
その名の通り夜には一部の植物が発光して美しい光景を作り出す
地表と樹上の二層構造になっている箇所もある
・忘却の渓谷
名前からは想像しづらいがいわゆる砂漠エリア
植物がほとんどない砂の大陸で、所々に大昔の超巨大遺跡が鎮座する
岩場・岩山がメインのエリアも奥地に存在する
また、大陸の入り口近くには底の見えない非常に大きな奈落が口を開けている
見通しが良い反面、敵にも見つかりやすいのが特徴
・白樹の大陸
真っ白な砂が大地覆い尽くし、白化した樹や奇岩が存在するエリア
同じ砂地エリアの忘却の渓谷とは趣が大きく異なり、鏡のような大きな湖面や淡く発光する球体等が点在し、大陸全体が非常に幻想的な雰囲気に包まれている
高低差が非常に大きく、マップが重層的に入り組んでいるのが特徴
・黒鉄の大陸
マグマがそこかしこに流れ、真っ黒な焼けた大地が広がるエリア
厳しい環境の中に強力なエネミーがひしめく最後の大陸で、巨大な火口を持つ火山がそびえ、炎雨という文字通り火の雨が降り注ぐ天気になることもある過酷な地域
敵のグロウスの本拠地でもあり、巨大な要塞が奥地に鎮座する
ブレイド
惑星ミラの探索・開拓とNLAの治安維持を最前線で担う戦闘・実務のスペシャリスト部隊の名称
民間軍事組織の形を取り、Beyond the Logos Artificial Destiny Emancipator (神の言葉を超えた人工的な運命の解放者)の頭文字を取ってBLADEとなっている
当面の目標は惑星ミラを開拓してその全貌を明らかにすることと、不時着時に白鯨から脱離してミラのどこかに落下したセントラルライフと呼ばれる巨大ユニットを回収することである
ライフとは地球での文化・歴史等のデータをアーカイブしているユニットであるが、その中でもセントラルライフは地球人の存亡に関わる非常に重要な役割を持つとされ、これを敵対勢力より先に回収することがブレイドの至上命題とされている
主人公は記憶喪失の白鯨の乗組員として、ブレイドの一員である銀髪褐色肌の女性“エルマ”に救助され、自身もブレイドの一員となって任務にあたることになる
同じチームとなったエルマ隊長と、少女ながら天才的なエンジニアである“リン”、異星人に食われかけた所を一行に助けられたノポン人の“タツ”の二人+一匹と共に、惑星ミラの大地を駆ける
NLA(ニューロサンゼルス)
元・白鯨の居住ユニットであり、不時着の寸前に白鯨から切り離され、原初の荒野の片隅に軟着陸した
ブレイドエリア・工業エリア・商業エリア・住宅エリアの四エリアから構成され、ブレイドを含む多くの白鯨乗組員が生活を営む
非常に広い街であり、場所によっては上層と下層に分かれ、街を回って見るだけでもかなりの時間がかかる
物語の進行と共に友好的な異星人が移り住むようになり、街中の顔ぶれも変化していく
ドール
ロボット型の戦闘ユニット兼高速走行ユニットの名称(乗り物にトランスフォームできるガンダムのイメージに近い)で、広大なミラの探索における頼もしい味方
ストーリーの途中でライセンスを取得すると乗れるようになる
ドール搭乗中はアーツがドール専用のものとなり、機体交換やパーツ換装でアーツも変更されるという仕組み
素材とお金を集めればより上位のドールを購入することも可能
また、ストーリー途中で飛行ユニットを装着後は空も飛べるようになる
アーツ使用時・飛行時はエネルギーを消費し、これは別途採掘した鉱石によって補充が必要
グロウス
人類に仇なす敵対勢力
地球を巻き込んだ星間戦争の一方の勢力であり、いくつもの異星人種族がより集まって構成されている
白鯨を沈めたのもこのグロウスで、ミラでも人類を滅ぼさんと何度も襲いかかってくるが、なぜそこまで人類に執着するのかは一切不明
何か大きな目的があるようだが…
なお、種族によってグロウスに与する理由は様々であり、集団の理念に心酔している者もいれば、単純に力を誇示したいだけの者や、中には母星が征服されてしまい仕方なく従っているだけという場合も
ストーリーやクエストを通じて戦う中でそれぞれの事情が分かる場合もあり、人類側に引き入れることで新たなNLAの住人として迎えることができる者もいる
オススメポイント
完成度が高く、非常に広大なオープンワールドのフィールド
本作はフィールドがオープンワールドとなっているが、その面積はもはや異常と呼べる範疇で広大である
総面積は400平方kmにおよび、これは前作ゼノブレイドの全マップの合計面積の約5倍にあたる
(ちなみにゼルダの伝説ブレスオブザワイルドの面積は75平方kmであるのでこちらの5倍とも言える)
しかも、これはあくまで平面での比較であり、山の内部に広がる洞窟や重層的に積み上がったエリア等の面積も実際には加算される
周囲の海洋の面積も含むとは言え、探索対象が極めて広大なフィールドであることに違いはない
もちろん単純にだだっ広いだけというわけではなく、五つの大陸のそれぞれには、なだらかな丘陵、険しい山脈、青々とした巨木、謎の巨大な遺構、鏡のような湖、敵対勢力の要塞、毒のたまった洞窟、溶岩に囲まれた孤島…等々と、これまた非常に変化に富んだ地形の数々が詰め込まれ、その場所に適応したモンスターがプレーヤーを待ち構える
フィールド上に配置される特異的に強力なモンスター(今作ではオーバードと呼ばれる)も健在で、無策で挑めば返り討ちに遭うであろう
目立つ位置に陣取っているものだけでなく、崖の裏や窪んだ地形にひっそりと佇むもの、特定の時刻・天候時のみ現れるもの、中には瓦礫のように見せかけて近付くと襲いかかってくるタイプのものまでいる
フィールドの広大化に合わせてこちらも数が激増しており、少し歩くだけですぐに何らかのオーバードを見付けることができる
今自分は未知の惑星を探索しているのだ、というピリッとした緊張感を与えてくれる存在と言えよう
そして、この400平方kmのエリア全てがシームレスに繋がっている。オープンワールドを謳う他のゲームに見られる、「今はここは行けませんよ」というような区画分けやエリア封鎖はほぼ存在せず、完全に自由に探索ができる
その気になればオープニング直後に最後の大陸に向け突撃することすら可能である(もちろん最初のモンスターに瞬殺されるだろうが)
また、大陸の周囲が海洋である関係上、普段の探索の際にマップの端、いわゆる“見えない壁”によって移動を遮られることはほとんどない
“見える場所ならどこでも行ける”が完全に守られており、没入感が削がれづらいのも良いポイントといえる
エリアの中にはプローブと呼ばれる杭を打てるポイントがあり、鉱石の採掘所を兼ねたファストトラベルポイントとして利用できるようになる
操作キャラの走る速度は速く、ダッシュジャンプもでき、どんなに高所から落ちても一切ダメージを受けないので、移動に関わるストレスはかなり軽減されている
これだけ広大かつ複雑なフィールドを有するにも関わらず、壁や地面へのめり込みやすり抜け、地形嵌まり等の致命的なバグはほとんど見られないのはさすがである
飛行ユニットによる探索範囲の爆発的な拡大
上記の広大なフィールドを更に魅力的にさせているのが、この飛行ユニットの存在である
ドールに取り付けることで燃料を消費して空を飛べるようになるのだが、この飛翔に高さの制限はほぼない(厳密には見えない天井にあたる部分はあるが、それは最も高い地形よりも更に上に位置している)
つまり、ドールに乗ることによって探索の幅が一気に縦にも広がり、文字通り見えている場所のどこにでも飛んで到達できるようになる
ミラには浮島や峻険な岩山、巨大な樹木、大陸を覆うような岩のアーチ、大きく落ち込んだ火口等の徒歩では到達不可/困難な場所が多数存在するが、飛行ユニットがあればそれら全てに上陸可能となる
そして、そのようにして見つけたスポットには強力なオーバードが生息していたり、目を見張るような秘境が隠されていたり、と冒険心をくすぐる仕掛けが施されている
これらにより、“未知のフィールドを自分の足で探索・開拓する”という点において、このゲームは他の追随を許さない圧倒的な魅力を持っていると言える
戦闘でのソウルボイスによる仲間との連携と多彩な戦略
前作でも“抜刀キズナ”“突発キズナ”としてタイミングよくボタンを押して声を掛け合うシステムはあったが、これを更に発展させたものがソウルボイスである
戦闘開始時や戦闘中に仲間から要請や指示が飛んでくるため、これに合うアーツを素早く使うことでバフ効果や体力回復効果等が得られる
例えば、「近接攻撃を仕掛けるから貴方も続けて斬り付けて!」「弱体化をかけたから一気に叩いて!」「距離を取って遠隔のアーツで撃ち抜いて!」「回復か強化で体勢を立て直して!」等々
自分から発することもでき、この場合はチャンス時にボタンチャレンジが発生し、成功すると仲間へと声掛けがなされる
今作では体力回復の手段は少ないため、このソウルボイスをテンポ良く決めて戦闘を継続することが何より肝要
仲間のソウルボイスの発生傾向は各々異なるため、誰と共に戦うかで戦闘スタイルが自ずと決まると言って良い
主人公のみ自由にカスタマイズ可能
バトルメンバーは前作の3人から4人に増え、戦略性の幅が広がっている
どの戦闘ジョブも攻撃方法は刀などによる近接攻撃と銃による遠隔攻撃との二つを標準装備しており、この二つはいつでも切り替えられ、オートアタックも武器に準じた方法に変わる
近接と遠隔の武器の組み合わせが非常に重要で、それぞれの特性とアーツの内容を見極めて最適の組合せと戦略を見付けるのが楽しみのひとつである
多数のプレイアブルキャラとクラスチェンジによる多彩な武器の使用
ゼノブレイドではプレイアブルキャラは7人だったが、今作はその倍以上の数のキャラが仲間として操作できる(DLCを購入すると更に増える)
それぞれクラス(いわゆるジョブ)が違うため得意武器も異なり、スキルを上げていくと固有のアーツを覚えるようになる
主人公は自由にクラスチェンジできるため、お気に入りの武器やアーツで戦うことが可能
仲間とのキズナを深めれば、その人の固有のアーツを継承できる
クエストのボリュームの大幅な強化
前作もかなりサブクエストが多い作品であったが、今作もそれに負けない数のクエストが収録されている
しかも、一つ一つのボリュームは大幅に増えている
内容自体も、危険なモンスターの討伐任務であったり、生活に必須の資源の回収任務だったり、窮地に陥ったブレイド隊員の救出任務だったり、生活の質向上のための新施設建造の協力依頼だったりと、“新しい星で何としても生き抜いてやる”という人間達の苦悩と決意が垣間見えるものが多い
また、永遠に失われてしまった故郷である地球に関する会話やそこでの慣習をテーマとしたクエストも多く、寂寥感や哀愁を感じさせるシーンも時折挟まれている
ちょっと気になったポイント
メインストーリーがとてもあっさりしており、伏線を多く残して終わる
これは最初にはっきり言ってしまうが、メインストーリーはかなりあっさりとしている
前作のゼノブレイドがキャラ同士のキズナを重視しつつ何度もどんでん返しが展開される重厚なストーリーであったため、これに期待してプレイすると肩透かしを食らう可能性がある
(一応弁護しておくと、このようなストーリー性の薄さは完全自由型のオープンワールドゲーム共通の弱点とも言えるもので、ある程度は仕方のないことである
最初からほぼどこにでも好きに行けてしまうため、RPGによくあるようなマップが徐々に解放されていくことによるストーリーの進行・深化は仕掛けづらい
プレーヤーの認識との齟齬を防止(例えば特定のスポットを訪れたことがあるか否か、特定の敵を倒したことがあるか否か等)しつつ、イベントを意図した順に起こしてストーリーの整合性を保ちながら、加えて重厚な物語を展開させるのが難しいことは想像に難くない)
メインストーリーのほとんどが探索対象範囲の拡大と資源・資材の回収、モンスター・敵対異星人との戦闘に終始し、敵側のキャラもぽっと出の者が多いため物語としての盛り上がりもいまいちで、淡々とした印象を与えてしまいがちである
また、詳細は伏せるが特大の謎が未解決のままとなる
回収されていない設定や伏線等も多数あり、どう見ても“第一部・完”といった様相である
(続編に期待、ということなのか…)
アバター主人公ゆえの空気化
今作はアバター主人公制を採用しており、モンハンのように性別はもちろん、見た目も細かく設定できる
また、バトル時等のボイスも何と男女合わせて20パターンから選択でき、名だたる声優達が様々なキャラを演じている
その代わりイベントシーンなどで主人公がボイスを発することは無く、口調のズレを防ぐために他キャラが会話中は基本的に傍観しているのみで、会話はせいぜい“はい/いいえ”等の選択肢を選ぶ程度(ドラクエの主人公パターンといえばわかりやすいかもしれない)
ストーリーを引っ張っていくのはあくまでエルマとリン、その他の重要NPC達であり、主人公の存在感の薄さはかなりのもので、記憶喪失で来歴不明という設定がこれに更に拍車をかける
的確な状況把握と冷静で素早い判断によりチームを引っ張るエルマや、年少で優しい性格ながらも強い意思でチームをサポートするリンに比べ、主人公はなまじ腕っぷしが強いばかりに正体不明の寡黙なバーサーカーという立ち位置にすらなりかねない(一応、ストーリー上は仲間から絶大な信頼を寄せられてはいるが・・・)
仲間同士のショートトークが見られる”キズナトーク”は前作に引き続き健在で、エルマ・リンに加えて仲間になるNPCが非常に多いためそのバラエティーも豊富だが、主人公のキャラ付けが薄く自発的に喋ることもないゆえに、対象NPCの独白のようになってしまっている感が否めない
味方のレベルの上限が60である
謎のレベルキャップにより、味方のレベルは60を超えて上がることはない
エンディングに到達するだけであれば特に支障はないのだが、モンスターの一部、特にオーバードの一部はこの上限を軽く超えてくるため、レベル差を他の手段で埋めた上での戦略構築を余儀なくされる
また、終盤の高レベル地帯では雑魚のレベルも高めのため、こちらがレベル60になってもアクティブ状態のままで襲いかかってくるケースがままあり、探索の足枷になっている
プレーヤーからは追加DLCでの上限拡張が期待されていたが、結局実現はしなかった
UIがかなり不便
とにかく文字が小さい
メニューウィンドウやアイテムウィンドウが小さいにもかかわらず表示される情報量が多めのため、必然的に文字が小さくなってしまっている
目がとても疲れやすく、長時間プレイするRPGとしてこれは大きな欠点と言わざるを得ない
また、アイテムのソート機能が不十分であるため、整理や売却がしづらい点も不便である
残酷な結末になるクエストが一定数存在し、しかもいきなりその展開になる
今作は未知の惑星が舞台ということもあり、モンスターの襲撃や敵対異星人の攻撃などに晒される機会が多く、クエストを進める中でNPCが必ず死亡してしまうようなシーンが少なくない
更に、自分の選択によってNPCの生死が変わることすらあり得る
例えば、ある強力なモンスターの討伐に向かうNPCに対し、プレーヤーが正しく弱点の情報を伝えられるかによって生き残るか戦死するか決まる、等
前作のゼノブレイドでも、クエスト中の選択によりNPCの最終的な職業・居住場所等の状況やキズナグラムは様々な結末を見せたが、生き死ににまで関わる重いものはなかったであろう
しかも、その生存ルートのためのフラグがほとんどノーヒントのこともあり、知らぬまま進めて殺してしまい、後で攻略サイトを見て生存ルートがあると知って後悔、ということもままある
ヒントを得るためには町中の(場合によっては大陸中の)NPCにはこまめに話し掛け、重要と思われる情報は覚えておくようにしよう
なお、キズナグラムは今作でも健在であるが、自分が殺してしまったNPCは容赦なく死亡表示される。
また、中にはNLA内では地球人と異星人や異星人同士の文化・思想の違いから軋轢が表面化、それが過激化してしまい…という、現代社会の風刺のような生々しいクエストも存在する
なお、周回プレイには対応していない(そもそも今作は周回に向かないが)ため、確定したクエストの別の結末を見たければデータを消して最初からやり直すしかないのも痛いところ
若干不気味なモンスターが多い
前作のゼノブレイドでは実在の動物や昆虫、恐竜をモデルにしたようなモンスターが比較的多かった。
一方、本作は舞台が未知の惑星ということもあり、謎の軟体生物や身体の機構がよく分からない異形のもの、エイリアンじみたもの、かなりグロテスクに思えるもの…等のモンスターが多数出現する
近未来風の舞台には合っているものの、そういう類いが苦手な人は注意
オンライン要素が全般的に不出来(かつ現在はプレイ不可)
オンラインクエストとして、参加者を募って複数人で一つのクエスト挑む「スコードクエスト」と、オンラインの全員で超体力の一体のボスに挑むレイドバトル形式の「ワールドエネミー」の二つが存在する
実は、前述の主人公のアバター化はこのオンラインでのクエストに合わせたものだったらしい(参加者欄が同じ顔のキャラで埋め尽くされないよう、アバター化したとのこと)
が、肝心の出来としては正直今一つといったところ
完全に任意プレイなのでストーリーに全く絡まない、敵のレベルが極端、仲間同士の意思の疎通が簡単な定型文とジェスチャー程度しか取れない等、欠点が目立つ
報酬はそれなりに良かったのだが…
最後の意志疎通困難という点はかなり致命的であった
プレーヤー同士で役割分担ができず、かといって適当な編成では歯が立たない敵も居るため、結局は各自が自己完結の万全スキルセットを装備した上で他プレーヤーの迷惑にならないよう全力で敵を殴る、もしくは最強のドールと共に参戦して一瞬で敵を消し飛ばすというプレイしかほぼ選択肢がない
また、中には「一定時間エネミーを全く倒さずに放置すると出現する特殊なエネミーを撃破」という変則的な条件を満たさねばならないクエストがあり、攻略法を知らないプレーヤーが混ざっていると敵を倒し続けてしまいクリアがそもそも不可能ということもあった
現在はWiiUのオンラインサービスが終了しているため、これらのクエストには一切挑むことができない
総評
ゼノブレイドから受け継いだ要素がある一方、様々な変更点・新要素も存在し、まさに賛否両論の評価を受けた一作である
どうしても主人公のキャラとストーリーの薄さに目が行きがちで、不便なUIやその他不親切な点も目に付くため、それが元で前作と比較されてしまうことが多い
しかし、フィールド探索の幅と奥深さ、クエストの量、戦略性の深さは相当なもので、やりこみ要素も含めたゲームのボリュームは他に類を見ないレベルと言える
特に、美麗で広大なミラの大地を舞台とするオープンワールドの探索は、まさにもう一つの世界がゲームの中に存在していると言って良いレベルで完成されている
他のオープンワールドゲームを圧倒的に凌駕するその広さとクオリティは、またとない体験をプレーヤーにもたらしてくれるだろう
Switchなどの次世代機への移植が心待ちにされているのも頷ける話である