ゲームレポート:THE WITNESS
ゲーム概要
さあ、パズルだけが詰め込まれた絶海の孤島へ
2016年に発売されたパズルゲームであり、最初のプラットフォームとしてはWinとPS4、後にXboxとmac、Androidが追加された
ゲーム構成としては、まさかのパズルゲーム+オープンワールドの融合であり、プレイヤーは一人称視点で島を歩き回り、あちこちに設置されたパネルに描かれたパズルを解いていくことになる
公式の説明文に「知性に富んだプレイヤーの皆様にお応えするため、貴重な時間を無駄にしないよう設計しましたので、穴埋め的な要素は一切ありません。」とある通り、島を歩き回る以外は完全にパズルを解くことだけフォーカスしているのが大きな特徴
パズルは全て、●を始点として線をなぞっていき終端まで繋ぐことでクリアとなる
これ以外のパズルは一切登場しない
(例えばジグソーパズルや15パズル、数独やクロスワード等はパズルとしてスタンダードなものだが、このゲーム内では全く登場しない)
もちろんただ繋ぐだけではクリアにならず、パネルのマスや線上に描かれた図形によって指示されるルールを守りながら繋いでいく必要があり、数多ある繋ぎ方のルートの中から正解を見つけ出す必要がある
以降、主な特徴について紹介する
パズルを解くことに徹底的に特化した造り
概要で述べた通りこのゲームは基本的に、島を探索する→見つけたパズルを解く→先へ進む→探索する→…という繰り返しとなる
どういうことかと言うと、
メインストーリー
キャラクター
レベルアップ
アイテム
サブクエスト
ミニゲーム
収集要素(一部除く)
といった要素が一切存在しない
プレイヤーは純粋に自らの知力と論理力、そして試行錯誤の果てにパズルを解くことのみが求められており、それ以外の余計な要素は全て極限まで削ぎ落とされている
しかもパズルの基本ルールは一つのみである
(●を始点として線をなぞっていき終端まで繋ぐことでクリア)
いっそ清々しいまでにシンプルなのだが、500を超える大ボリュームのパズルと、後述の要素によって飽きさせない工夫がされている
言語によるルール説明が一切排除されている
本作はパズルゲームでありながら、「こうするとクリアです」「この時はこうするルールです」等という言語による説明は全く存在しない
ではどうするのかというと、実際に簡単なパズルを解かせて、それが正解なのか失敗なのかをフィードバックすることで段々と学んでいく手法を取っている
最初はごく簡単な二マス程度のパズルで基本ルールを把握させ、段々とマス目を増やし、マークの数を増やして複雑化させていくことで細部を説明していくような過程を踏んでいく
パズルの解答失敗に対するペナルティはない
パズルの解答を間違えたとしてもほとんどの場合はペナルティは一切存在せず、即座にそのパズルを最初から解き直すことができる
(ごく一部、少し前のパズルから解き直しになるものもある)
体力やスタミナ・死亡などの概念もないため、何度も試行錯誤しながらひとつひとつのパズルを丁寧に解いていくことができる
たった一人での、一人称視点での探索
探索中もパズルを解く時も、基本的には全て一人称視点で進めていくことになる
これは特定のパズルを解く上でも、とある隠された要素の点でも重要な要素となっている
また、主人公の容姿は(地面に落ちる影以外では)一切不明となるため、没入感を損なわないことにも一役買っている
キャラクターは主人公以外に存在せず、セリフを発することもない
オススメポイント
質の高いパズルの数々
概要で述べた通り、本作に登場するパズルは「●から終端まで線を繋ぐ」という一種類のみである
しかしながら、その繋ぐ際に従うルールは多彩で、それぞれが盤上のマークによって指示される
ぜひ作中で把握していだだきたいので全ては挙げないが、例えば
線上のマークを全て通るようにつなぐ
マス中のマークを色ごとに分断するようにつなぐ
パズルパネルの近くにあるオブジェクトを利用して経路を推測する
などが存在する
「これがルールなのではないか?」をまず考え、それを目の前のパズルで一つずつ試して実証していくプロセスは探索的かつ爽快であり、つい次のパズルへと手が伸びてしまう
パズルによっては別解が存在する場合もあるが、それらも全て正解扱いになるため問題はない
とっかかりとなるヒラメキと、その後に必要な純粋な論理思考のバランスが良く、高品質なパズル体験を提供してくれている
色鮮やかで幻想的な島の風景
フィールドとなる島は明らかに浮き世離れした様相を呈している
比較的狭めの島であるにもかかわらず、草原エリア・桜エリア・紅葉エリア・砂漠エリア・街(のような)エリア・密林エリア・雪山エリア等が混在し、そこかしこに放棄された人工の建物も見られる
そして、島にはプレイヤー以外には一切誰もいない
ヒトはおろか動物や虫などの生き物すら存在せず、主人公は会話はおろか喋りもしない
島の風景自体は明るく、各所の風景は鮮やかに彩られて目に楽しい
一方でBGMの類は存在せず、会話も発生せず、ただ聴こえてくるのは環境音のみなため耳への刺激はほとんどない
このように島の探索については両極端なゲームデザインになっており、これが島全体を包む不思議な雰囲気にメリハリを与えている
隠されたもう一つの要素
ここまで、「パネルに描かれたパズルを解く」ことにフォーカスして解説してきた
しかしこのゲームには、実はもう一つ大きなパズルの要素が隠されている
内容には一切ここでは触れないが、プレイヤーが「それ」に気付いた瞬間の衝撃は計り知れないものであろう
この要素のみでひとつの別のゲームとして成立するほど非常に高い完成度を誇っている
賛否両論と思われるポイント
パズル以外の要素はほとんど含まない
このゲームの評価を二分する一番の原因はこれであろうと思われる
パズル以外に楽しめる要素は風景くらいしかないため、パズルがそこまで好きでない人にはハッキリ言って全くオススメできない
逆にパズル・謎解きが好きな人にとってはまさに楽園のようなゲームであり、何時間でも没頭できるような魅力をたたえたゲームである
ヒント機能などはない
パズルを解くのに詰まったとしても、ヒントやお助け機能は存在しない
できる事といえば、せいぜい原点のルール把握に立ち戻るくらいである
純粋にプレイヤーの知力を試すという意味合いでは正解である一方、特定のパズルで詰まるとそのまま進めずフェードアウト、という事態にもなりやすい一面を持つ
少し気になったポイント
人によってはかなり酔いやすい
探索中は一人称視点で歩き回ることになるため、歩行の際の揺れや視界のブレがダイレクトに画面に反映される
このため、酔いやすい人だと画面を見ること自体がキツくなる場合がある
設定から視野角を広めにできるので、これをONにしておくと若干酔いづらくなる
ファストトラベルなどの機能はない
島の探索は基本的には歩きのみである
特定地点にワープする機能などはないため、移動にそれなりに時間が取られる
説明不足感は否めない
前述の通り、パズル以外の要素と言葉による説明の一切を排除している今作だが、どうしてもそのせいで説明が足りていないと思われる部分が出てきてしまっている
ルールの把握のさせ方などは問題ないのだが、主人公が島に来た経緯などのバックグラウンドも不明であり、どうしてもアッサリしすぎている感じは拭えない
総評
パズルゲームの一つの極致を見せてくれた、非常に完成度の高いゲームである
パズルが好きな者であれば、作中に無数に存在するパズル一つ一つから極上の体験を得られ、大変満足度の高い時間を過ごすことができるであろう(筆者はこのタイプである)
最初はただのパズルゲームだが、途中から自分の発想力と論理力との戦いが始まり、最終的にこのゲームの作者との知恵比べの様相を呈してくるまでに難易度が極まってくるのはまさに圧巻の一言
もし、あなたがパズルや謎解きが好きで、自分の知力・論理力の限界に挑戦したいと思っているのであれば、是非手にとってみてはいかがだろうか
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