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頼むからアイドルマスターDSを遊んでくれ

娯楽が飽和した今の世の中、面白いゲームは沢山あります。
最近だと『パルワールド』が話題になったりしましたね。私も勿論遊びました。大変おもしろいゲームでした。
自らをゲーマーと名乗れるほど豪胆ではありませんが、これでも古今東西の様々なゲームを遊んできたつもりです。ファミコンからPS5まで、RPGからノベルゲームまで。インディーズもフリゲも百は超える数を攫い、好きなゲームをあげればきりがないほど、本当に沢山のゲームを遊んできました。
そんな私ですが、「一番面白いゲームは何か?」と訪ねられれば即答できます。

アイドルマスターDS……


あえて断言します。少なくとも私がプレイしてきた中では、ファミコンからPS5までゲームを遊んできて、全ゲーム1位の面白さを誇ったのがこの『アイドルマスターDS』です。
アイドルマスターシリーズは多くのファンを魅了しておりますが、その中でもアイマスDSは一歩引いた立ち位置というか、ぶっちゃけると大人気ではないシリーズとなっております。しかし、これがマジで全ゲーム中1位です。
(ちなみにアイマスに関して言うと、筆者は初代アイマス・アイマス2・アイマスSP・アイマスDS・デレステ・アニマス・シャニマス・アイマスKRあたりを履修しております。)
本記事では、アイドルマスターDSの魅力やゲーム内容、プレイのポイントなどを解説します。初めてプレイする方にもわかりやすく、手軽に楽しめるアイドルマスターDSの魅力を伝えるために、具体的なゲームの特徴や登場キャラクターについても紹介します。

昔のブログからの抜粋になるので、ここから口調が敬語じゃなくなりますが気にしないでください……
あとネタバレはありませんが、「オモバレ」くらいの要素列挙はあるかもしれません。楽しみを奪わない範囲で書いてあるつもりですが(なぜならフルで楽しんでほしいので、あなたに)、過敏症な人は気をつけて下さい。

アイドルマスターDSのいいところ

シナリオ

魅力点は数あれど、これに尽きる。シナリオが、ちょっと尋常じゃないくらい良い。
アイドルマスターといえば今や一大コンテンツだが、こと「アイマスDS」に関しては、従来のシリーズや後発のシリーズとはほぼ完全に切り離された世界観にあるため(765プロのアイドルとの交流イベントなどもままあるにはあるが)、過去作を遊んでいなくとも全く問題なく楽しめる。新規にとってとても入りやすいと言えよう。
そんな独自の舞台設定から繰り広げられる、3人のアイドルの物語。
主人公となるアイドルは3人いるのだが、ひとりひとりに専用のシナリオが用意されており、それがひとり漏らさずパーフェクト。マジで。甲乙つけがたいとはこのときのためにある言葉だと思う。どれも、信じられないくらい良い。
主人公の説明をカンタンにしておくと、

・日高愛
最年少。とにかく元気で声が大きい。
元トップアイドル・日高舞の娘であり、自分もアイドルになりたい!と様々な事務所のオーディションを受けるも、実力が伴わず不合格を繰り返す日々を送っていた。そしていつしか、大好きな母の存在は愛にとってのコンプレックスとなってしまう。
そんなある日、とあるオーディションに特別審査員として参加していた天海春香にその秘めた才能(?)を見出され、知り合いの芸能事務所である876プロを紹介される。だがそれは、母である舞のネームバリューを利用した二世アイドルとしてのデビューを目論んでのことだった。「それだけは嫌です!」と言う愛に、社長は「自分だけの力で新人オーディションに勝ったら見合わせる」と一度だけチャンスを与える。
かくして自らの実力でのデビューを目指すことになる。

・水谷絵理
元ひきこもりで、ELLIE(エリー)というHNで自分のPVを公開していた。
動画は界隈ではクイーンと呼ばれる程の人気を誇っており、それを見た尾崎玲子にスカウトされ現実で水谷絵理としてアイドルデビューすることになる。とても引っ込み思案で人見知り。

・秋月涼
でありながら男に告白されるような自分を変え、男らしいイケメンになる為に、一念発起して従姉である765プロアイドル秋月律子を頼ってアイドルデビューしようとするが、成り行きで男性アイドルではなく女性アイドルとしてデビューさせられることになる。
「女性アイドルとして成功すれば男性へのコンバートを許す」という条件のもと、876プロで活動していくことに。

というぐあい。もう設定だけで尖ってるのが揃っているが、アイマスDSは各人が物語開始時から抱え込んだ「コンプレックス」がどのように変化していくのか、それをとてもとても丁寧に描いていくのだ。
あまりネタバレはできないが、各アイドルは最終章で「専用の歌」を手に入れることになり、その歌がね……もう……パーフェクトなのよ。「その歌」がどうやって生まれるか、それにどういった思いが込められているのか、っていうところまでちゃんと描いてくれる。
正直「シナリオ」という一点に絞れば、これを超えるゲームは片手の指で数えられるほどしか思いつかない。

ボリューム


とにかく、異常にボリュームが多い。先程も言ったが、主人公は3人用意されていて、一度選んだらその主人公で最後まで(FランクアイドルからAランクアイドルまで)シナリオは続くので、すべての主人公のストーリーを見るには最低3周はすることになる。
それぞれの主人公で話の内容はほぼ全く違うため、ストレートにやっても相当時間楽しめる。しかし、アイマスDSの真髄はそんなものではない。

分岐の多さだ。

ハッキリ言って、『Detroit: Become Human』とかよりも単純な分岐数は多いと思う。
例えば、秋月涼のEランクのサブイベントで「ライブ(市民ホール)」という営業コミュがある。
これは、同期アイドルの日高愛がハードスケジュールな練習のため少し疲れてしまい、涼ちんが彼女の疲れを癒やすために特製ドリンクを作るというイベントなのだが、飲ませるドリンクの材料は選択肢で選べる。
一回目の選択肢では「にんじん」「レモン」「バナナ」、二回目の選択肢では「カミニソ」「梅干し」「ハチミツ」の中から選ぶことになる。よって作れるジュースの組み合わせとしては3^2で9通り。
そして、その9通りすべてに対して専用のイベントが用意されている。
9通りの分岐など大したこと無いと思うかも知れないが、忘れてはいけないのはこれは

・3人の主人公のうちの「一人」の
・「Eランク」アイドルの特定時期に
・ある「特定の行動」を起こすことで出現する「サブイベント」(つまり、出現すらせず素通りすることもあるイベント)

ワンシーンでしかないということである。
このサブイベに特別分岐が多いという訳でもなく、これくらい・あるいはそれ以上のボリュームのイベントが、無尽蔵に用意されているのだ。まさしく氷山の一角。
「営業」と呼ばれるイベントの数は、1アイドルにつき平均90個ほどあるため、3人で180個近くあることになる。
ひとつの営業につき選択肢が出現するポイントは3~4つあり、その殆どは3択(極稀に2択)。
また、選択肢の代わりに画面下のキャラクターをタッチしたり、顔の向きを変えたりしてアクションを起こすイベントもけっこうな頻度で出現し、それもどこをタッチするか、どこを向くか、あるいは指示を無視して放置する、などですべてイベントが変化する
タッチ系のイベントの場合、最低でも髪・顔・手・胸・胴体あたりで専用イベントが設けられており、また「ただタッチした」「長押しした」「スライドさせた」とかでも分岐することがある。(だいたいの場合、タッチすると「触った」あるいは「殴った」、スライドさせると「撫でた」判定になり、頭や胸といった位置には必ずそれぞれで別のイベントが用意されている)
こうなるともう、とんでもない数のイベントが設けられていることはお分かりだろう。

さらに言えば、このゲームは各ランクの最後にオーディションを受けて、合格するとランク昇格(FランクアイドルならEランクアイドルに、EならDに……)、という形でストーリーが進んでいくのだが、不合格になってもバッドエンドにならず、まったく別のシナリオに分岐する
「シナリオ」というのは各章のことで、「営業」の数でいうとだいたい1シナリオにつき9イベントくらいは設けられている。もうお分かりだろう、この頭のおかしいボリュームが。
もちろん、アイマスDSのストーリーは「営業」だけでは構成されていない。章の始まり・終わり・オーディション・週明けなどにはメインイベントが発生する。むしろこっちが本筋だろう。
そしてそれらのイベントに対してもほぼ間違いなく選択肢が発生する。また、営業以外にも、オーディションの合格率を上げるためにパラメータを上げるモード「レッスン」でも時折イベントが発生する(中盤以降になると、765プロのアイドルたちが見に来てくれる)。テキスト量でいうと、「営業」はだいたい一つにつき、5~7分くらいのボリュームあがる。
一例:


しかもこれは選択肢全回収をしていない場合なので、営業一つに設定されている全テキスト量で考えるなら、おそらく15分~20分は下らないだろう。さて、先程も言ったように、ゲーム内の「営業」は200個弱ほどある。しかもそれらはストーリーラインの一部でしかない。
要するに、無限に遊べるんです。
何十周、何百周しても飽きないアドベンチャーゲームなんて、今まであっただろうか?あまりにも、過小評価されている。私は声を大にしてそう言いたい。
何が素晴らしいって、あくまで「選択肢」によってボリュームが増強されているので、周回プレイがまったく苦ではないこと。プレイごとにまったく違う展開を楽しめるから。これがただプレイ時間の長いだけのゲームと一線を画する魅力。

アイドルマスターDSの悪いところ

システム面

いろいろなシステムがあるが、正直だいたいはお世辞にも優秀とはいえない。レッスンも酷いが、何より酷いのはオーディションではないだろうか。
「オーディション」は各章に終わりにある、アイドルランク昇格の運命を決める一大イベントなのだが、どれだけパラメータを上げて完璧なプレイをしても10%の確率で必ず落ちる。努力によって上げられる合格率が90%までだからだ。運も実力の内とでも言いたいのか。
また、オーディション中は何もしていないと絶えず「合格率」が低下していくため、「思い出」というものを使ってアピールをし、合格率を上げる必要があるのだが、その方法はなんとただのルーレット。「GOOD」と「BAD」と書かれたメモリーが流れてきて、GOODをタッチすれば合格率上昇、BADをタッチすれば下がるというのを30秒の間ひたすらやるだけ。しかも何が流れてくるかはほぼ運。(コスチュームなどで多少は操作できるが)そんな運ゲーをくぐり抜けてもやはり10%で落ちることがままある。なにこれ?
ただ一応良い点もあって、どれだけミスっても合格率が0%になることはなく、下限10%なので最悪でも10%で必ず合格できる。

~以上~

グラフィックの多少の粗はDSというハードの性質上しょうがないし、このボリュームでほぼフルボイスというのは破格だろう。
とにかく、私はこのゲームを愛している。恒例のπタッチはもちろん、女装男が主人公にいるため、齢13歳のアイドルに男性器を見せつけたり触らせるイベントも選択肢次第で発生させられる。遊び方は無限だ。笑いあり涙あり、まさしく人生。クラナドは人生だと?いや、アイマスDSが人生だね。

まとめ

いかがでしたか?(クソキュレーションサイト)
とにかく大きな魅力は「ボリューム満点のストーリー」「無数の分岐」「魅力的過ぎるキャラクターたち」あたりです。
特筆したいのは、ストーリー自体のバラエティのすさまじい豊富さ。
なんていうか、完全栄養食なんですアイマスDSって。これ一本で摂取できない感情がないの。悲しみも喜びも怒りも楽しみも、希望も絶望も感動も萌えも笑いも、マジでぜ~~~んぶ摂取できる。触れてなかったけどギャグもメッチャクチャ面白いんですこのゲーム。何度笑い転げたことか。
分岐が多いということはそれだけ枝分かれする運命が多いということですから、スタート地点が同じでも復讐劇のような物語になったり、王道なサクセスストーリーになったり、あるいは転落劇になったり、他のエンディングとは全く違う形での希望を迎えたりする。このあたりはデトロイトと少し似てますね。
今回は致命的ネタバレは避けて書いているので強く言及はできないんですが、私が一番感動したのは、とあるキャラクターのルートである人物が彼/彼女の物語を象徴するような「言葉」を告げるんですね。
いわゆる名言的なもので、アイマスDS語録としては有名な方なんですけど、本当にそれは、そのキャラクターの性質・人生を方向づけるような力強い言葉なんですけど、実は全く別のルートでその「名言」を真っ向から否定するような別の「言葉」が生まれているんです。
枝が違うので混じり合うことはないんですが、それは物語上でもどちらが正解であると結論づけられているわけじゃなくて、「こういう考え方もあるんだ」という二つの解を提示しているんですね。どちらを辿っても、主人公はその全く異なる言葉を胸に、自分なりの「アイドル」としての花道へと進んでいくんです。メチャクチャ雑に云うなら、グリフィンドールに進んだハリーとスリザリンに進んだハリーを同じ重厚さで描写してくれているみたいな感じです。どちらを下げることもなく、ふたつの運命をただ綴る。
そういうのがふたつきりならともかく、このゲームは無数の人生論が並行して存在しているので、必ずあなたの人生を善くする言葉が、物語が見つかると思います。その圧倒的包容力も魅力のひとつです。
まぁ、ものすごいぶっちゃけるとデトロイトビカムヒューマンが面白いと感じた方なら100%面白いので今すぐポチってください。

では、最後に私が好きなサイネリアというキャラクターの微妙にセンシティブなスクリーンショットをいくつか掲載して終わりたいと思います。
さようなら。


どこに!?


#全力で推したいゲーム


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