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マオリの、ワイルドな調理法「ハンギ」

20年前の出会い

20年ほど前、大学3年の交換留学で、ニュージーランドの首都ウェリントンにあるヴィクトリア大学に留学した。私のその時の専攻は「マオリ学部」。

学部の歓迎パーティーの時に出た料理が、今も忘れられない。その名も「HANGI(ハンギ)」。大きなかたまり肉、サツマイモ、カボチャ、ニンジンなどの野菜を土の中に埋め、樹の葉と土をかぶせて蒸し焼きにする、というとてもワイルドな料理。それを、学部の外の庭であらかじめ調理しておいてくれて、生徒、先生、大学の事務員さんたちが集まって、みんなで食べた。

野生のうまみ

その時の味。なんというのだろうか、まさに、あれは、自然が調味料…という感覚だった。土の中の湯気で蒸されて、野菜やお肉の本来のうまみがギュギュっと引き出されていた。何もつけなくてもおいしい。そして、かむたびに、自分の「野生」が引き出されていく感覚があった。その後、何度かハンギを食べ、私の大好きな料理の1つになった。

キャンプ料理とハンギの共通点

その6年後くらいから、私は本格的にキャンプをするようになり、気づけばキャンプ歴10年以上になった。キャンプのBBQを食べると、ハンギを食べた後のあの感覚に近しいものを持つ。

土の中の湯気、自分で起こした火で食べる野菜や肉。あのおいしさは、何にも代えがたい。だから、定期的にキャンプに行きたくなるのだろうな…と感じている。

あれから20年、実は私はハンギを食べていない。それでも、あの時のおいしさが、時々フラッシュバックのようによみがえる。そのくらい、衝撃的な味だった。ぜひまた、食べに行きたい、その場所でしか味わえない料理だ。

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