その他の短編ズ「ダンス」
2024年に突然発売された約5年ぶり?の新作。
bandcampで購入可能。
ここ数年は特に活動もなく存在してるのかも定かでなかった短編ズですが、おそらくオファーがあって都合が合えばやってみようかなぐらいのスタンスで活動している(していない)ように見える。そんななか去年の東京のライブがきっかけとなったのか、急に出たのが今作。
そのライブと今作についてのインスタライブはアーカイブも残っているのだけれど、
もはや自分たちの過去の楽曲もあまり覚えていない様子。
そんな常に更新と忘却を続けるその他の短編ズらしく、今作もまた新たに進化したサウンド。ただ忘却もするので決して上手くはならず、不器用な初期衝動を保ち続けているという稀有な人たち。
ダンスというタイトル通り、今作はダンスミュージックの風味が強い(過去の作品もダンスミュージックといえば大体そんな感じともいえるが)。
①おみやげはそのなかでも秀逸。数年ぶりに音源作って、こんなかっこいい曲がすぐにできるなんて意味がわからない。歌詞も全く意味がわからない。
②やさしい返信は森脇さんの最新のソロ作と似た匂いのする浮遊感のある心地よい電子サウンド。
③食べは短編ズでたまにある短くて奇妙な曲。攻撃性の強そうな歌詞にも思えるけど、それもよくわからない。
④ABCDは「R」の曲と通ずるようなしんみりとした雰囲気の美しい曲。
⑤グレイシア2は「洞穴」の歌詞を囁くように歌う(ある曲の歌詞を別の曲で歌うというのは短編ズでたまにあるパターン)、少ない音数の漂うような曲。
初期から比べるとだいぶサウンドは変化してるけど、どう聴いてもその他の短編ズそのままという作品。毎回そうだけど。この人たちはきっと一生こうなんだろうな。オリジナリティだけがあるというか、オリジナリティしかないというか。
やってることもやりたいことも歌ってる内容もよくわかんないんだけど、好きな人はめちゃくちゃ好きという毎度ながらの素晴らしい作品でした。そのうちまた何か出してくれるのを気長に待っていようと思います。