アルプス「アルバム」
2013年いいこレコードから出た1stアルバム。
アルプスは女性二人組のユニット。アコギ、銀盤ハーモニカ等による演奏と二人の美しい歌声から作られた楽曲は、しんとした空気のなかにつぶやかれる言葉のように、静かに胸に沁み入ってくる。
唯一のアルバムである今作も、しんみりとした雰囲気が聴く側の心にも浸透してくるようで、心地よく耳を澄ませてしまう。何か大袈裟な形容詞をつけて語るようなものではなく、目新しいものがあるわけでもないけれど、気付いたらそこに戻ってしまうような安心感と色褪せない美しさを持ったアルバム。自分だけの小さな宝物のように、引き出しのなかに大切にしまっておきたい作品。
01 まあるい
甘くせつなげな旋律がスッと体に入ってくる。内省的な曲調が終盤に掛けて景色が広がっていくよう。
02 みつあみ
自転車を漕いでいく光景、そよぐ風を感じるような情感に溢れた曲。二人の声質の違いにも魅力を感じる。
03 海のない街に住む女の子の話
自然の音を背景にサビのユニゾンが美しく響く曲。
04 ゆっくりたべよう
こちらも美しいサビの歌声に惹き込まれる曲。
05 雨の日
メインボーカルじゃない方のかたが歌う曲。か細く透き通った歌声が美しい。
06 ぼくをみつけるよ
穏やかな曲調のなかに雲のように形を変えていく心の動きを感じるよう。
07 銀杏
二人の声の重なりが美しく響く曲。
08 リュックサック
唯一明るい曲調のテンポのいい優しい曲。