森脇ひとみ「庭に眠る夢」
2013年ROSE RECORDSから発売された森脇ひとみのソロアルバム。プロデュースは曽我部恵一。
短編ズのような変わった曲調ではなく、正統派の弾き語りのアルバム。心地よい旋律ときれいな歌声にじっと浸れる作品。短編ズで披露される曲も収録されている。庭に眠る夢というタイトルの通り、幾つかの夢の断片が散らばっているような作品。それが繋がった一つの物語になることなく、ただ欠片だけが存在している空間のように感じる。
1. 団地のうた
穏やかな昼の日差しを思わせるギターの旋律の向こうに子供の頃の記憶が浮かんでは消えていく。淡い風景画のような曲。
2. ひび
伸びやかな歌声がよく聴ける短い曲。声のなかの若干の濁りが耳に引っ掛かってそれがすごく味わい深い。
3. 血がとまらない
後に短編ズでも発表する曲。思春期の痛みを歌ったようなせつなげな弾き語りの曲。
4. 波色の笛
バンドで演奏したらストレートなポップソングになりそうな気がするキャッチーな曲。
5. 蒸発中
ゆったりとしたギターに壮大さを感じる曲。アレンジを加えたらスケールの大きな曲になりそう。
6. ごみの日
タイトルは違うが、短編ズの「カセットテープ」のセルフカバー。短編ズバージョンは1番しかなかったが2番も歌っている。曲調もやや早くなっている。
7. 怒っているうた
タイトルの通り穏やかな曲調や歌詞のなかに押し殺した静かな怒りを感じる曲。ピアノもいいアクセント。
8. あまちゃんのうた
疲れた帰り道の気持ちを歌った曲。とぼとぼ家路を辿る夜道が見えてくるよう。
9. 情報
短編ズの曲のセルフカバー。キーボードなしの弾き語り+ベースバージョン。歌詞も少し変わっている。ギターやベースラインに前を向いて進んでいくような色合いが添えられている。
10.数えるのか数えないのか
数えない数え歌のような短い締めの曲。