北と南だけじゃなかった、いろいろありすぎるインド料理 vol,1
『 北インド料理 = 小麦粉が主食、ギーオイルを使ったこってり濃厚な味付けが特徴
南インド料理 = 米が主食、ココナッツオイルを使ってサラッとあっさり食べられるのが特徴 』
知っている方も多いと思います。
でも、
実は、そんなどころじゃないんです。
インドは、28の州にわかれています。気候や歴史がおおきく影響し、州によって生活模様もさまざま。
今回は、ひろくてたくさんありすぎるインド料理のおはなしです。
“ 北インド料理ってなに? ”
みんながよくいう「北インド料理」。
「小麦粉が主食、ギーオイルを使ったこってり濃厚な味付けが特徴」このキーワードがあてはまる北エリアの料理は、『 ムガール料理 』と『 パンジャーブ料理 』です。
ムガール料理は首都ニューデリーがあるウッタル・プラデーシュ州、
そして、パンジャーブ料理はパキスタンとの国境付近の地域パンジャーブ州がそれぞれ本場になります。
どちらの地域も、小麦をつかったナン・チャパティなどが主食で、羊や鶏肉などノンベジ料理も数多くあります。
ギー・パニール(チーズ)・ヨーグルトなど乳製品をたくさんつかい、豊かで贅沢な味わいが特徴的です。
ムガール料理は、イスラム帝国時代に宮廷で発展した料理で、インドでもっともリッチな料理です。実はインド人がふだんは食べないナンが登場するのも、このムガール料理です。
パンジャーブ料理もムガール料理同様で、特にタンドリーチキンなど焼釜をつかったタンドール料理の本場でもあります。
バターチキンマサラ(カレー)・チャナマサラ・チキンティッカ・サモサなど、わたしたち日本人でもよく目にするインド料理は、ほとんどがこのふたつの地方から誕生しました。
“ バナナの葉っぱの上の南インド料理 “
最近、日本でも人気がでてきた南インド料理。
お米を中心に、サラッとしたカレーや魚介類がたくさんつかわれ日本人のくちにもよく合います。
そんな南インド料理の本場は、ケララ州『 ケララ料理 』と
タミルナードゥ州『 タミル料理 』です。
バスマティライスや赤米、ポンニライスなど、お米の種類もさまざまです。
お米と一緒にたべるカレーは、スープのようにサラっとしていて、酸味のきいたラッサムやサンバルなどが代表的です。
オイルは、ギーを使うことはあまりなく、ココナッツオイルをつかいます。
ココナッツオイル、日本では高級オイルですが、インドでは日本の1/3ほどの価格で売られています。
ココナッツジュース屋さんもたくさんあります。
よくつかわれるスパイスは、なんといってもカレーリーフ。フレッシュなものをドサっとやまもりつかいます。
そのほかは、マスタードシード・コリアンダー・カルダモン・ジンジャー・タマリンド。酸味が特徴的なタマリンドはラッサムスープにはかかせないアイテムです。
お米も単にお米としてたべるだけでなく、細かく砕いて発酵させ焼いたり蒸したり . . . ドーサやイドゥリ、アッパムなど発酵由来の酸味がカレーとよく合います。
南インドは、キリスト教徒のひとも多く、魚介類をつかったノンベジ料理も有名です。
魚は、ココナッツと一緒にカレーや煮込み料理にしたり、スパイスをからませて焼いたり、バリエーションも豊富です。
バナナの葉っぱで提供される定食ミールスも南インド料理をたべるスタイルとして有名です。
食べ方をさらっとおさらいしておきましょう。
① お店に入って着席したら、目の前のバナナの葉っぱに水をかけてならします。
② 注文後、ウエイターが一品ずつサーブしてくれます。
③ はじめから全部混ぜずに、一品ずつお米と一緒にたべていきます。
豆のせんべいパパドをくだいてまぜ、食感に変化をつけても楽しいです。
④ 最後はぜんぶごちゃまぜにしてたべます。
⑤ たべおわったら、バナナの葉をたたみ終りにします。
ちなみに、向側から手前におりたたむと「美味しかったです」の意味になります。
北と南の料理をざっくりおさらいしましたが、
さて、
ひろいひろいインド、そのほかの地域はどんなものが食されているのでしょうか . . . ?
“ 北の北、ヒマラヤのおひざもと ”
インド最北端地域、ジャンム・カシミール州。レー・ラダックは避暑地としても有名です。
この地域では、『 チベット料理 』がとってもポピュラーです。
チベット料理といえば、麺料理トゥクパですよね。あっさりした塩ベースのスープに野菜や鶏肉など、あたたかくてほっとする味です。
そのほかにも、餃子のようなモモや蒸しパンのティングモなど、寒い地域ならではからだをあたためてくれる食事が特徴です。
この地域では、ヤクやひつじを家畜としているので、チーズやミルクなどの乳製品もおおくつかわれます。
ミルクにバターをとかして飲むバターミルクは、バターの塩気でスープのような味わいです。
“ ガンジーのお気に入り ”
マハトマ・ガンジー。いちどはきいたことがある名前ではないでしょうか。
インド独立の父・ガンジーの生まれ故郷であるグジャラート州は、食事制限が厳しいジャイナ教徒もおおく住んでいるため、ベジタリアン料理がポピュラーです。
グジャラート・ターリーは、基本的には野菜のみで、お米と全粒粉でつくるチャパティといっしょにカレーをたべます。
また、グジャラートは酪農が盛んな地域としても有名です。インド最大のミルクブランドAmul アムールは、グジャラート州酪農業協同組合が販売しています。
“ ふわっとかおる花カレー ”
インド人は、バナナがとってもだいすき。
果実をたべて、葉っぱをお皿につかうだけでなく、花もたべちゃいます。
西ベンガル州『 ベンガル料理 』にそのレシピはあります。
ムチャ・グント。
ムチャ=バナナの花
グント=和え物
口にいれるとふわっと甘いかおりがひろがります。
ベンガル料理は、東のバングラデシュからきたものと、西のカルカッタからきたものにわけられますが、最近ではだんだんとミックスされてきています。
主食はお米、インディカ米をたべます。
海岸部なので、魚介をつかったレピシも多いです。
マスタードオイルを主につかって、マスタード・フェヌグリーク・クミン・アニスなどのスパイスをよくつかいます。
そして、ベンガル料理のいちばんの特徴は、食事を西洋のコースのように食べる伝統です。豆、野菜、魚、肉、デザートと順にたべていきます。
ここまで読んでわかっていただけたように、北インド料理=小麦、南インド=米、といった地域はほんの一部の地域で、ほとんどの地域で両方がたべられています。
地域によって食材や習慣が違っていてほんとにおもしろいです。
“ ありすぎて語り尽くせない . . . ! ”
あげればきりがないほどたくさんあるインド料理。
次回vol,2では、
ハイデラバード料理・カルナータカ料理・ゴア料理・チェティナード料理・・・など、まだまだあるその他のインド料理をご紹介します。
あぁ、インド料理たべたいな . . . 。
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