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【 私がコーヒーインポーターになるまで 2】「バラナシでサバイバル」

こんにちは、Merthi Coffee( メルティコーヒー )です。インド産コーヒーのインポートをしています。
日本ではまだまだ知名度がひくいインド産コーヒーですが、近年そのクオリティは着実にあがってきています。
メルティコーヒーは、note・Instagramでインドのコーヒー事情やユニークなインドカルチャーを日々発信しています。
2017年から本格的にインポート業をスタートさせたMerthi Coffeeは、今年で5年目に突入。そして、はじめてインドに行ってから10年が経ちました。



いろいろあった10年。



節目でもあり、まだまだ頑張るぞ!という気持ちをこめて、メルティコーヒーがメルティコーヒーになるまでのおはなしを書いていこうとおもいます。なんせ10年分なので、長くなりそう・・・もし少しでもご興味ある方がいらっしゃるのであれば、ぜひお付き合いください。

※ 内容は、すべてフィクションですが、プライバシー保護のため一部変更しておとどけしています。



デリーから国内線に乗ってバラナシに到着。空港から車で1時間かけて彼の家に到着です。
当時彼が住んでいたアパートは、2階だてで1階にはインド人ファミリーが住んでいて、2階が彼の部屋でした。コンクリート製で四角い箱のようなつくりだったとおもいます。
やっとたどり着いた〜〜!と安心したこの後、
海外旅行初心者の私にとってはかなり過酷な生活を強いられることになります。


翌日早朝6時半。
彼がいそいそと部屋を出て行きました。
何事かとついて行くと、1階の廊下にあるスイッチたるものをONにしました。ゥウウィィ〜〜ンとなにやらモーター音が早朝から響きわたります。
どうやらそのスイッチは、屋上にあるタンクへ水をおくるためのもので、水がくるのは朝6時〜9時だけなんだそう。その間にタンクに水をためておいてその日1日をすごすという…。
タンク?!そんなものがあるの?!と。今現在でも沖縄であれば屋根や屋上にタンクが設置されている光景を目にします。でも、大阪の市内で生まれぬくぬくとぬるま湯につかりながら育った世間知らずの私にとってはかなりの衝撃でした。

インドの屋上タンク
沖縄の屋上タンク


水が使えなくなるかもしれない恐怖。

トイレや食器を洗うのはもちろん、シャワーの時が当時私がかなりのロングヘアだったこともあり緊張感たっぷりでした。
とは言うものの、大きいタンクなんだから大丈夫なんじゃない?!と思ったそこのあなた!
このタンクの水は私たちだけのものじゃないんですよ、1階のファミリーも使っているんです。相手がどれくらい水を使うかわからないし、あとどれくらい水が残っているのかもわからない、こんな恐怖ないですよ。
ちなみに、このタンクに運ばれる水は聖なる河ガンジス河の水です。ガンガーに行かずとも毎日シャワーを浴びるだけで沐浴してるのと同じだなぁ、なんて思ったり。

※ 補足 ※
飲料水は、私は近くのお店でミネラルウォーターを買い、彼は水道水をフィルターに通したものをのんでいました。


恐怖はまだまだあります。
次は、

電気が使えない恐怖。

今でこそかなり安定供給されるようになってきましたが、10年前、しかも、バラナシ。
不安定も不安定、いつでも停電にしてやるぜぃ!といわんばかりでした。停電すると何が困るのかというと、やっぱりシャワーです。
またですか、と思ったそこのあなた!
インドのシャワーは、まずギーザ(湯沸かし器)にためた水をあたためて使います。なので、お湯はギーザの中にある分のみなのです。ギーザの大きさにもよりますが、その時彼の家にあったギーザはバケツ1杯分くらいでしょうか…おろらくですが、十分にシャンプーは落としきれていなかったと思います。

湯沸かし器ギーザ(ギザ)


シャワーが終われば次はドライヤーです。これもいつ停電が起きるかわからない緊張感と闘いながら髪を乾かします。
そして、極めつけは、毎日夜22時には完全に電気がこなくなるという…。
夜22時ならあとは寝るだけだから大丈夫じゃない?!と思ったそこのあなた!
私が行った5月のインド・バラナシの気温をご存知でしょうか?日中は、平均気温40℃、日によっては45℃をこえて50℃近くなり、夜も熱帯夜も熱帯夜です。電気が使えない熱帯夜で寝られると思いますか?しかも、彼の部屋にはクーラーはなく、あるのは冷風機のみ。冷風機とは、タンクに水を入れてその水分で冷風を出すという加湿器のすこし冷たい空気がでるもので、そんなささやかな存在がその灼熱の夜に役に立つはずもなく…。とにかく暑すぎるので、定期的に水をかぶって寝る、乾く、また水をかぶる、という夜をすごしていました。

日本にいれば絶対に出会うことのない出来事ばかりで、でも、私が来たくて来たんだからやるしかないんだ、大好きな彼と一緒にいるだけで幸せだといいきかせてすごしていました。

ですが、それも1週間が限界。
ただただ体力が奪われて、観光どころじゃねぇ!このままではインドが大キライになってしまう!

そこで私たちは避暑地レー・ラダックへ逃げることにしました。

次回は、レー・ラダックの旅をお届けします。

ここまで読んでくださってありがとうございます。InstagramやBASEショップもあります、ご興味ある方はぜひ覗いてみてくださいね ; )

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