ぽっちゃりな国インド
はじめてのインド旅行。
到着したら、さっそく街を散策してみましょう。たくさんの人や自転車、牛や犬、鳴り止まない車のクラクション、溢れるエネルギーに圧倒されます。旅の醍醐味であるカレーを堪能して、インドの殺伐とした空気にもだんだんと慣れてきました。
そうすると、気がつくことがありませんか?
(あれ?
インドの人、なんだかぽっちゃりというか、ふくよかな人多いなぁ。よ~く見ると、トレーニングジムたくさんあるなぁ。)
そうなんです、インドはぽっちゃりな国なんです。
人口に対する肥満率でみると、世界の平均値18.9%を下回る182位1.9%(日本は、166位4.5%)ですが、実際の人口にしてみると2,470万人となります。その背景には、経済成長と著しくなる貧富の差が大きく影響しています。21世紀に入ってからの10年間で飢餓の子どもの割合は42.5%から29.4%へ改善しているものの、食事を十分にとることができない人はまだたくさんいるのが現状です。
一方で、『 肥満や糖尿病 』が社会問題になっているのもまた現状なのです。
前回の記事にあったように、インドは世界一ベジタリアンが多い国です。
なのに、「 なぜふくよかな人が増えてきているのか? 」インドの食習慣をひもといて見ていきましょう。
インド人が太ってしまう理由
その1. “ ダシをつかわない料理 “
お味噌汁、にくじゃが、だし巻き卵。
日本料理に欠かせない存在の「出汁」。私たち日本人は、海藻やきのこ、魚介類などさまざまなものからだしをとり、うまみを引き出します。諸外国でも、ブイヨンを使った料理が数多くありますよね。
そんな料理に欠かせないだしですが、インド料理には出汁を使う概念がありません。一部お肉と一緒に煮込んでうまみを出す料理もありますが、基本的に普段おうちでたべる料理にはだしやブイヨンは使いません。インド料理の基本はスパイスを炒める『 テンパリング 』が欠かせない行程になります。カレーを作るとき、ナベに野菜を入れる前に、まずスパイスを炒めて香りを引き出します。
そして、だしを使うかわりにギーやココナッツオイルなど、油をたくさん使用します。北インド料理がしっかり濃い味なのがそのことを物語っていますよね。比較的さっぱりめの南インド料理も、インドらしく手でたべてみてください。食べ終わって手を洗ってもココナッツオイルで手がしっとりしていますよ。
その2. “ はや食い、そして、かまないで飲みこむ!? ”
お昼時の食堂にあしを運んでみてください。
地元のひとが行く食堂は、ランチタイムはメニューが出てきません。だいたいみんなインドの定食ターリーやミールスを頼みます。注文すると2~3分で大きなお皿ででてきます、カレーのお供にたべるチャパティやお米はお皿に山盛り、みんなおしゃべりもせずさっさとたべてしまいます。「よく噛んでたべなさい」子供のころ言われたことを忘れてしまいそうになるほどの勢いです。
インド料理は煮込み料理が多く、インドの人たちは「噛む」のがとっても苦手なんです。
また、お店によっては、食べ進めていくうちにおかずやお米が少なくなると注文せずともサーブしてくれるところもあります。南インドの定食ミールスをだすお店におおいです。満腹中枢が「お腹がいっぱい」と指示をだすまえにかきこんでしまうもんですから、気がついたころにはお腹がはちきれんばかりにいっぱいになっています。
その3. “ 甘いものだいすき “
インドのひとは、あまいものがだいすき。
誕生日やお祝い事があるときは、ご近所やお友達にお菓子を配る風習もあります。
世界一あまいお菓子『 グラムジャムール 』はご存知ですか?ボール状の揚げドーナツをシロップ漬けにしたインドの代表的なお菓子です。
カシューナッツをペースト状にしてスパイスやナッツをまぜかためたお菓子『 カジュカトリ 』。
水でといた小麦粉を揚げた渦巻き状のかたちがかわいい『 ジャレビ 』。
あげていけばキリがないほどお菓子がたくさんあります。これらのお菓子は、お店でも買えますし、屋台で手軽に買うこともできます。
暑く厳しい気候を乗り切るには、あまいものは欠かせません。
にしても、どのお菓子も激烈にあまい気がします . . . 。
その4. “ コンビニはないけど屋台がたくさん “
「カンっカンっカンっ!」 あ、ピーナッツの屋台が来た!買いに行こう。
いいにおいだな~、焼きいも・焼きとうもろこしの屋台よっていこうかな。
インドではどこに行っても屋台がたくさんあります。
日本のようにコンビニはないけれど、屋台がたくさん、小腹が空いても心配いりません。
種類もさまざまで、サンドイッチ・サモサ・モモ(インドの餃子)・炒りピーナッツ・アイスクリーム・カットフルーツ・ココナッツジュース、なんでもあります。
お値段もお手頃で、屋台のまわりにはいつも人が集まっています。
ちなみに、マッシュしたジャガイモが詰まった揚げパイ『 サモサ 』はインドを代表するスナックとして有名ですが、インド人からいわせれば「じゃがいもは野菜だから、サモサはヘルシーだよ。」とのことです . . . w
その5. “ おやつのあとに夜ごはん “
夕方16、17時ごろ、屋台にひとが集まりはじめます。サンドイッチやサモサなどサクッとたべてお腹が満たされます。
そして、21時。インドの夜ごはんタイムです。レストランやバーはお客さんがあつまり、にぎやかになる時間がスタートします。
そうなんです、インドの夜ごはんの時間はとっても遅いんです。
寝る3時間前には食事を済ませておきましょう、なんていいますが、そんなことはおかまいナシです。
“ ヘルシーブーム “
ここまで読んでみて、インドのひとたちがどうやって大きくなっていったのか、おわかりいただけたと思います。
ただ、やっぱりインド人も体型や健康を気にしていないわけではありません。
近年、インドでは『 ヘルシー志向 』ブームがきています。
街のいたるところにダイエットやエクササイズをうたったジムがたくさんあります。その数は、24,000軒。(日本は、約5,000軒)
公園でウォーキングをするサリー姿のマダムは、日本でいうところの着物でウォーキングといった感じですね。
カロリーオフの食品も数多く販売されています。
インドで一般的なチーズ、『 パニール 』も豆乳でつくられた『 ソイパニール 』があります。一部商品は豆腐と明記され売られています。
しっかりした木綿豆腐といった味と食感です。都心部の高級スーパーであれば、絹ごし豆腐も売られています。
お菓子についても、フリーズドライフルーツなど、進化してきました。
スナックがわりにと販売されているフリーズドライフルーツは、あまいスナック菓子のようです。
外国人が多く行き来する空港のフードエリアには、以前であれば街なかとおなじようにインド料理店ばかりがならんでいましたが、最近ではサラダやフルーツボウル、ヨーグルトなどを中心に提供するお店もできはじめました。
日本でもインドでも、健康に美しく過ごしたいものですね。
食べ過ぎに気をつけて美味しい食事を楽しみたいです。
これからインドの人たちは欲望に負けずスリムになれるのでしょうか . . .?
ここまで読んでくださってありがとうございます。
次回こそ、『 北と南の食事のちがいについて 』です。
どうぞお楽しみに:)
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