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【インド映画】Kalank(2019)

家族っていってもみんな色々難しいとこあるよね(コレはありすぎ)。
愛と憎しみが織りなす婚外恋愛!
印パ独立直前を豪華絢爛に描くロマンス&政治時代劇。

  • 原  題:Kalank

  • 公開年 :2019年

  • 言語  :ヒンディー語

  • 上映時間:166分

  • 出演:アーリヤー・バット/ヴァルン・ダワン/アーディティヤ・ローイ・カプール/マードゥリー・ディクシト/ソーナークシー・シンハー/  サンジャイ・ダット/クナール・ケームー

  • 監督:アビシェーク・ヴァルマン

鑑賞方法・・・Amazon Prime(英語字幕)
総  評・・・★★★★☆

プロット

時は1945-1946年。第二次世界大戦が終わり、世界最大の植民地であったイギリス領インド帝国の解体、どうなんの!という分離独立直前のお話。

舞台は、パキスタンとインドとの国境ぎりぎりの、ラホール近郊(いまでいうパキスタン側)。

癌に冒されもう余命僅かなサティヤに頼まれ、彼女の故郷の親友であったループは、新聞社を経営するチャウダリー家に嫁ぎ、後妻としてサティヤの夫デーヴの2番目の妻となる。

しかし、ループは「この結婚には尊敬はあれど愛はない」とデーヴに宣言されてしまい、やることもなく空虚な毎日を送り、鬱々としていた。(まるで、塔の上のラプンツェル状態)

そんなときに遠くから聞こえる美しい声。ループはその声の持ち主であるバハールに歌を教えてもらうべくヒーラー・マンディー(歓楽街)に繰り出す。交換条件として、デーヴの新聞社で働くことに。

この街で出会ったのが鍛冶屋のザファル。下町で育ちました感満載、筋肉隆々のイケメン・ザファルとループは恋に落ちる。

しかし、この恋には裏があり、ザファルはループに近づいたのにはワケがある。

そんな中、政治的な対立も次第に顕化する。チャウダリー家の新聞社は”工業化こそ国の発展につながる”という主張を展開し、この地への工場建設に賛成。一方、工場が建設されると下町の人々の多くは仕事を失ってしまう。ザファルの友人アブドゥルは反対派の活動家であり、熱心に活動していた。

やがて工場が建設されたことをきっかけに、反対派だった人々は暴徒化する。次第にヒンドゥー教徒(チャウダリー家を含む)vs イスラム教徒の対立となり、最悪のラストへ・・・

ザファルとループのワケアリの恋愛を中心に、
政治・宗教対立を背景に展開されるストーリー。

最後はもう涙なしでは見られません。

感想とか【ネタバレ含む】

婚外不倫だって純愛

映画のタイトル "Kalank (कलंक)" は、
汚名・不名誉・烙印という意味(by google翻訳)。

汚名とされる理由は、やっぱりループとザファルの婚外恋愛は一つ。

実はもう一つ”汚名”があって(ネタバレ↓↓↓
ザファルはデーヴの父であるバルラージと遊女であるバハールの息子であること。つまり、ループの夫であるデーヴと腹違いの兄弟。

両親に捨てられた恨みを果たす(特バルラージに対して)というのが、ザファルがループに近づいた本当の理由なのです。ループを利用して、バルラージ率いるチャンドリー家を壊したい、と。純粋にザファルを愛していたループはもう不幸のどん底。

といいながら、結果的にザファルはループに本当に恋しちゃう。雨の中のテラスシーンはほぼ、ロミジュリ。夫のデーヴも公認してるし、婚外恋愛といっても、もはや純愛と言ってもいいでしょう!

せっかくの美男美女の恋愛なので、もう少したっぷり描いてほしかったなあとの思いはぬぐえませんが・・・(ループは最初警戒モードだったし、後半はザファルもループを本当に好きなことを認められない状態で、あんまり甘いシーンがない)

・・・とまあそんなこんなしている間に政治・宗教対立が激化し、イスラム教徒の暴動をきっかけに追われるチャンドリー家。もちろんループもそこに含まれるわけで、ザファルはループを逃がそうと逃げ惑う人々が群がる列車に何とか彼女を乗せるが、最後の最後、自分は友人であったアブドゥルに殺されてしまうという、報われないエンディング。インド映画にしては、ハッピーエンドではない珍しいパターン。(少なくとも私はハッピーエンド物ばかり好んで見ている)

インド映画あるあるの、出発する列車に乗った彼女を追いかけて・・・のシーンです。

話は脱線するが、デーヴとループの間には愛はなくとも、いいか悪いかは別として互いに”尊敬”して立ち入らない。特にデーヴはこのスタンスが一貫していて、なんとなく好印象。

知的だし高身長だし、新聞社で働いてるだけかと思いきやめちゃんこ強いし、個人的にはザファルより顔も好み。

登場人物が多くみんな主役級

https://www.youtube.com/watch?v=UmhXhTmP0a0

主要な登場人物とされるこの6名、みんなどっかで見たことあるやも?レベルのトップ俳優陣。

それもそのはず、(サティヤ以外は)ほぼ物語の中心。

アーリヤー・バット
なんせもう、映画冒頭の歌がめちゃくちゃかわいい。

・サンジャイ・ダット
”SANJU”でその人生を描かれている張本人様。個人的には、ランビール・カプールがそこまでハマらなかったこともあってか、この映画の印象が残っていないが、、、

https://eiga.com/movie/89426/

とはいえ、見よう見ようと思ってそのままになっている "Lage Raho Munnna Bhai(邦題:その調子で、ムンナ・バーイー)" はいつか見たいのでここにメモっておく。

https://mubi.com/en/jp/films/lage-raho-munna-bhai

最後に

多額の予算を使い、豪華俳優陣が出演しているわりに(ゆえに期待値が爆上がりしたのか?)、インド国内ではそこまで評価された映画ではないらしい。(例:Kalank | Kalank sacrifices story and soul at the altar of spectacle - Telegraph India

が、豪華絢爛の歌と踊りを楽しめたし、悲しい最後だったのは残念ではあるがストーリーも一捻りあって見ごたえあったし、自分としては見てよかった。

一つケチをつけるとすると、最後のアーリアバットちゃんドアップの問いかけは・・・いらなかったかな・・・笑



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