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インドの大気汚染は世界2位

ナマステ!
インドでインターンをしている女子大生です👩

今回はインドの大気汚染について紹介しています。インドは大気汚染が深刻で、特に乾季の11月からはその問題がさらに深刻化しています。特にデリーはインドの中でも最も大気汚染がすすんでおり、町全体が霧に包まれているような、そのくらいのレベルで深刻な問題です。そんなインドの大気汚染の状況、原因、そして課題解決のための取り組みについて紹介していきます。

インドの大気汚染の現状

インドの大気汚染は深刻な問題で、特に首都デリーや他の大都市で高いレベルの汚染が見られます。主な原因は、車の排気ガス、工場からの排出物、農地での焼き畑、建設活動、そして冬季における低温や風速が低い気象条件などです。これらの要因が重なることで、空気中のPM2.5やPM10といった微小粒子状物質が増え、呼吸器や循環器系の健康に悪影響を与えます。

特に11月から1月にかけて、農家による稲わらの焼却や寒冷な気候により大気の流動が低下するため、スモッグが発生しやすくなります。デリーでは、年によっては「健康に非常に有害」なレベルのスモッグが観測されることもあります。

インド政府や地方自治体は、植林活動の推進や公共交通機関の改善、また電気自動車への転換などで対策を進めていますが、十分な効果が出るまでには時間がかかると見込まれています。また、汚染が特にひどい時期には学校の一時休校や、車両の交代制運転などの短期的な対策が実施されることもあります。

インドの大気汚染は国際的にも注目されており、環境改善を目指して様々な協力や取り組みが進められています。

インドの大気汚染の主な原因


1. 自動車の排気ガス


都市部では車両数が増加し、特にディーゼルエンジンの車から大量の排気ガスが放出されています。また、交通渋滞によって停滞する車のエンジンからも排気ガスが多く出るため、大気汚染の大きな原因となっています。

2. 工業排出物


石炭や重油を燃料とする発電所、セメント工場、製鉄所、レンガ工場などが多くの汚染物質を排出しています。特に化石燃料の燃焼によって発生する二酸化硫黄(SO₂)や窒素酸化物(NOₓ)が大気中に放出され、スモッグの形成に寄与しています。


3. 農業の焼き畑(スタブル・バーニング)


主にパンジャブ州やハリヤナ州の農家が、収穫後の稲わらを焼き払うことで、大量の煙が発生し、これが近隣のデリーをはじめとする都市部にも流れ込んでいます。秋から冬にかけてこの焼き畑が行われ、汚染が悪化します。

4. 建設活動


インドの急速な都市化とインフラ整備に伴い、建設工事が盛んに行われています。これにより、コンクリートやアスファルトなどの粉塵が空気中に放出され、大気中の浮遊粒子状物質(PM)の濃度が上昇します。

5. 暖房や調理のための固形燃料の使用


一部の地域では、暖房や調理に木材や石炭などの固形燃料を使っている家庭も多くあります。これらの燃料は燃焼時に大量の煙と有害物質を放出し、屋内外の大気汚染の原因となります。

6. 気象条件


冬季には気温の低下により大気が安定し、汚染物質が地表付近に溜まりやすくなります。さらに風速が低くなり、汚染物質が拡散されにくくなるため、スモッグが発生しやすくなります。
これらの要因が組み合わさることで、特にデリーをはじめとする都市部ではPM2.5やPM10といった微小粒子が増加し、深刻な大気汚染を引き起こしています。

大気汚染解決への取り組み


インドでは、大気汚染を改善するために様々な対策が実施されていますが、完全な改善には時間がかかっているのが現状です。

1. 電気自動車(EV)と公共交通の促進


インド政府は、電気自動車の導入や充電インフラの整備を進め、車の排出ガス削減を目指しています。また、バスや電車などの公共交通機関の改善や拡充も進められ、個人用の車両に頼らない移動手段を増やすことで交通渋滞と排出ガスを減らそうとしています。

2. 工場と発電所の排出規制


石炭火力発電所や工場に対して、排出ガスに含まれる汚染物質の基準を設けています。違反した場合には罰則が課せられます。また、石炭火力発電所を順次閉鎖し、再生可能エネルギー(風力や太陽光)の利用拡大が進められています。

3. 農地の焼き畑(スタブル・バーニング)の削減支援


農家が焼き畑を行わなくても済むように、稲わら処理のための補助金や新しい技術(例:機械による稲わらの収集や堆肥化)を提供するプログラムが導入されています。また、政府やNGOが農家に対し、焼き畑の代替手段を教育・啓蒙する活動も行っています。

4. 建設活動の粉塵抑制


建設現場には、粉塵抑制のためのスプレーシステムやネットの設置が義務付けられています。また、重機の運用時間を制限するなど、工事の管理が厳格化されています。

5. 植林活動とグリーンインフラの推進


都市部においても植樹活動が進められ、グリーンカバー(緑地面積)の拡大が図られています。都市内の緑地は、粉塵を吸収し大気を浄化する効果が期待されており、公園の整備なども推進されています。

6. 交通規制と短期的対策

特に汚染が深刻な冬季には、奇数・偶数ナンバープレートによる車両交互運転や、学校の一時休校が行われることがあります。また、環境に優しい車(電気自動車や低排出ガス車両)の普及を促すための税制優遇もあります。

7. 空気清浄塔や空気清浄機の設置


デリーなどの主要都市では、公共スペースに大型の空気清浄塔を設置する試みが行われています。これにより、周囲の空気を部分的に浄化し、市民が一時的にでもきれいな空気を吸えるエリアを増やそうとしています。

8. 大気汚染監視とデータ公開


インド政府は「National Air Quality Index」を使い、主要都市の大気汚染レベルを監視し、データをリアルタイムで公開しています。これにより市民が汚染状況を把握でき、汚染が酷い日はマスクの着用や外出を控えるなどの対策が取れるようになっています。
これらの対策を通してインドでは少しずつ改善が見られますが、まだ大きな課題も多く、引き続きさまざまな取り組みと国際的な支援が必要とされています。

まとめ


今回はインドの大気汚染について紹介しました。想像以上に問題が深刻でしたが、その要因も複雑で問題解決にはまだまだ時間がかかりそうですね。
11月のインドは雨が降らず、気候も過ごしやすいのでとってもおすすめですが、大気汚染には注意しましょう。マスクを持っていくなど対策は必要かもしれませんね!

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