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ギャングスター・ミュージカル『ジガルタンダ』トリヴィア
インディアンムービーウィーク2020リターンズ(2020年開催)で初上映した『ジガルタンダ』のトリヴィアをご紹介します。
[その1] 主演のシッダールトは1979年生まれの41歳と言われるが、本当の年齢はよく分からずミステリアス。チェンナイ生まれのタミル人だが、デリーで育ったこともありヒンディー語にも堪能。テルグ語映画でもセルフダビングする語学の天才タイプ。タミル、ヒンディー、テルグの各映画界に代表作を持つ。 pic.twitter.com/NlllYfpYdS
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[その2]
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シッダールトは当初映像作家志望で、マニ・ラトナム監督の『頬にキス』(原題:Kannathil Muthamittal/ 2002)で助監督となる。
2003年のシャンカル監督作品『Boys』の主演で演技者としてデビュー。特に若い女性の間で一躍人気者となった。 pic.twitter.com/3uSQDIlhz5
[その3 ]
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2005年、プラブデーヴァー監督の『Nuvvostanante Nenoddantana』で、初のテルグ語オリジナル作品に主演。2006年の『人形の家』も大ヒット。ヒンディー語の群像劇『Rang De Basanti』(2006)も好評で、ボリウッドからオファーも多くなったが、しばらくの間はテルグ語映画に注力することになる。 pic.twitter.com/FOtwxGxJEN
[その4]
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デビューから数作はマニ・ラトナムやシャンカルといった有名監督の作品に出ていたが、実験精神旺盛なシッダールトは、むしろ新人監督と組んで脚本などにも参与しながら映画作りをしていくことを好むようになる。 pic.twitter.com/BAxBIYkbAR
[5]
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シッダールトは、2013年ごろからタミル映画に回帰する。同年6月にインドで公開された『Theeya Velai Seiyyanum Kumaru』では、この年の4月、ソングシーンの撮影のため日本の富山にやって来て、ファンを湧かせた。
▼撮影時エピソード(富山県ロケーションオフィス)https://t.co/hOYYjod1wt pic.twitter.com/9SDw84HxKQ
[その6]
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タミル・ニューウェーブの「恐るべき子供たち」の一人、カールティク・スッバラージは、1983年マドゥライに生まれた。父ガジャラージはタミル語映画界の脇役俳優。
カールティクの長編劇映画の監督デビューは2012年の『Pizza』で、低予算ホラーながら大評判となった。 pic.twitter.com/QlBn1UR30i
[その7]
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カールティク・スッバラージ監督は、熱狂的なラジニカーント・ファンとして知られる。デビュー6作目にして、ラジニ+ナワーズッディーン・シッディーキー+ヴィジャイ・セードゥパティという超豪華キャストで『ペーッタ』を実現させた。 pic.twitter.com/0yB6KgFd0L
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セードゥを演じたボビー・シンハーは1983年、現在のテランガーナ州ハイダラーバードに生まれ、タミルナードゥ州西部のコダイカーナルで育つ。
2012年に映画デビュー。本作でインド国家映画賞助演俳優賞を受賞。日本公開は『#キケンな誘拐』『#ペーッタ』、CS放送の『バンガロール・デイズ』。 pic.twitter.com/alPS03JP9q
[その9]
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ボビー・シンハーはタミル語作品を中心に、テルグ、マヤラーラム語作品等、南インドで活躍。スッバラージ監督作品には、監督のデビュー作『Pizza』と本作のほか、『Iraivi』(2016)、『ペーッタ』(2019)と出演が続く。
テルグ映画『Disco Raja』(2020)では「セードゥ」の役名で悪役を演じた。 pic.twitter.com/I06HCs8S9I
[その10]
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ジガルタンダはマドゥライが発祥の甘いミルクドリンク。市内にはいくつもの名店があるが、現在では州都チェンナイなどでも味わうことができる。タミル深南部の名物ドリンクの名前がヒンディー語というのは不思議。
▼「ジガルタンダ」名前の出典はこちらhttps://t.co/wvK3bZECc7 pic.twitter.com/wGamNqf8ir
[その12]
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パーンディヤ朝の首都マドゥライはタミル語の文芸の中心地でもあり、文芸アカデミーであるサンガム文芸院は古典タミル文学の傑作の数々を生み出した。
▼参考:タミル文学史の概観(東京大学インド語インド文学研究室)https://t.co/rhlsig07EL
[その13]
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『ジガルタンダ』の冒頭シーンで映写される、『Pasamalar』 (1961)の中でサーヴィトリが歌うソング「Malarnthum Malaratha」は、そうした文化に対する誇りを表すもの。https://t.co/jWa9uDXur1
[その14]
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マドゥライ は、ヒンドゥー教の大寺院を擁することでも有名。市の中心にあるミーナークシ寺院はマドゥライのランドマーク。シヴァ神の神妃ミーナークシ女神を祀るこの寺院の4つのゴープラム(入口門の塔)は市街のほとんどの箇所から眺められる。https://t.co/G7jIKL097b
[その15]
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今回上映のマドゥライ映画『#ジッラ 修羅のシマ』と本作の両方に、「マドゥライに来たならミーナークシ寺院にお参りして、名物グルメを楽しんで、さっさと帰れ」という意味のセリフが登場する。 pic.twitter.com/CGNmFCbwVV
[16] それはよそ者を震え上がらせる「修羅の国」としてのマドゥライのイメージが、主に映画によって形作られ、タミル人全体に共有されたため。カーストと政治の対立に起因する凄絶な暴力が2000年代後半以降のニューウェーブ映画によって劇的に描かれたインパクトは大きかったhttps://t.co/S7Smeao1AL
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[17]
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『Paruthiveeran』 (2007)や『Subramaniapuram』 (2008) などがインパクトの大きかったマドゥライ暴力映画。
その後、そのイメージを逆手にとったハッピーなマドゥライ映画も作られるようになった。たとえば 『Rajinimurugan』 (2016) や『Karuppan』 (2017) など。 pic.twitter.com/Sq5liI60TT
[18]ところで冒頭のPasamalarの他に、本作中ではもう1本有名作品からの歌の引用が。日本でも映画祭上映された『血の抗争』パート2からの♪Kaala Rey。
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ナワーズッディーン・シッディーキーの大写しと共に流れるので見落としはないはず。効果的な引用。https://t.co/AeRZwMoiFH
上映最終日ですので、内輪話を一つ...。『ジガルタンダ』にはマドゥライ地域のタミル語が使われ、標準のタミル語とは大きく異なるため、字幕翻訳にはただならない労力を要しました。作品としても2010年代のタミル映画の名作の一つに数えられる本作。多くの方に、ぜひご覧いただきたい作品です🙏 pic.twitter.com/jDsqXoPckG
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『ジガルタンダ』は、インディアンムービーウィークでの上映のほか、配信サービス「インディアンムービーオンライン」でも視聴可能です。