住宅ローン、固定の方が有利?徹底的にシミュレーションしてみた
前回の記事では、「固定>変動になる瞬間」を解説しました。
今回「どの金利シナリオだと固定が有利?」という計算を、15つの金利シナリオに基づいて分析してみました。今後、起きる可能性がある、あらゆる金利シナリオを徹底的に分析して、この場合だと変動の方が○○万円お得!というのを出してみました!
数式も出てくるのでちょっと込み入った内容ですが、丁寧にお話してますので、行ってみましょう~!
本当は景気に応じて利上げサイクルがある
今後の金利シナリオをどう読んでいますか?
ずっと上がり続ける、と思っていませんか?
実は、世界どの国をみても、そんな国はありません。
経済には「サイクル」というものがあり、好景気⇔不景気を繰り返しますよね。日本も同じです。
そして、金利も景気のサイクルに則って、上がったり下がったりを繰り返します。上記グラフが日本の景気サイクルです。そしてそれに伴って、金利も上下を繰り返すのです。
これを「利上げサイクル」なんて言ったりします。一般的なセオリーとしては、好景気だと高金利、逆だと低金利。
金利シナリオの2つの変数
では実際のこれをモデル化してみます。
数式で表して、変動の方が○○万円お得!というのを出していきます。
今後の金利シナリオは、以下2つの変数を使って定義します。よく不動産屋さんに提示される”金利が上がり続けるグラフ”ではなく(注意してくださいね!)、上下することを数式に組み込むことで、より現実的なシミュレーションとなります。
このモデルって、本当に世の実態を表しているの?
…という方については、参考までに、過去の日本と米国の景気サイクルを整理してみましょう。
この2つの変数を使ってモデル化することで、これから起きるであろうあらゆる金利シナリオを網羅していきます。過去傾向を見ても、ズレていないことがわかると思います!
シミュレーションの前提条件
この分析の前提条件は以下とします。
この前提条件のもと、冒頭の通り、合計15つのシナリオを作りました。
なので以下のような色んなシナリオをカバーしているということです。
今後、起きる可能性がある、あらゆる金利シナリオを含めて、徹底的な分析になっていると思います。
皆さんは、今後金利がどうなると読んでいますか?
その金利シナリオでは、固定が有利か、変動が有利か?
お待ちかねの結果です。
1️⃣ ローン返済総額の比較
固定 vs 変動、を議論する上で、トータルで見たときに、どっちの方が高いの?安いの?という観点が重要ですよね。
なので、まずはローン返済総額で比較します。
合計15つのシミュレーション結果は以下の通りです:
35年間の返済総額を比べると、変動金利が0.5~2%程度に収まると考えるなら、変動の方がお得となります。
一方で、2.5~3%まで上がり、それがかなり維持され続ける、と考えるなら“今“固定に乗り換えるのが得策と言えます。
もっと具体的に金額の感覚を持ちたい!
という方に、実際の差額もお示しします。表の通り、差額としては数百万~1000万となり、大きな差ですよね… 。
この金額を利息として銀行に払ってると考えると、むっ!っとなっちゃいますよね。でも同時に逆の見方をすれば、これだけ金利が低いのは日本だけで、他国はもっともっと銀行に吸い上げられているので、私たちは恵まれているとも思います(他にも控除とかもありますし)。
2️⃣ 毎月の返済額の比較
次の比較は、毎月の負担額です。
ローン返済の「総額」が安かったとしても、一時的にも払わないといけない額が高すぎたら、家計を圧迫します。皆さんの「支払い能力」が問われるところで、重要な観点ですよね。
ベースラインとなるのが、固定の月16万円。それと比べて、金利が上がった局面で、どれだけ差があるか?まとめてみました。
変動金利が固定の1.8%までいかないと読むなら、もちろん変動型の返済額が16万円を超えることはないですよね
1.8%以上上がる場合はどうか。今回は5000万ローンの想定なので、月数万円の差額が生まれてもおかしくない、ということですよね。
ただ、これはローンの金額によります。例えば、1億のローンだったら、この差額は6~8万はいってしまう。
🏃♂️ 行動に移そう
実際に数字をみると、現実味が湧きますよね。
今回のシミュレーション結果をぜひ使ってほしいです。おススメの検討ステップは以下の通り:
難しい場合は、主に5つのやり方がありますが、不動産に相談することをおススメします。でも知識武装はマストなので、このブログでいずれも解説しているので、一緒に勉強していきましょう!