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新しいプロダクトが世の中で受ける4つの力

わたしの友人の大学生の妹さんから、ベンチャー企業に就職したいんだけどどう思う?と相談されたINDEE Japanの岡本です。

有名大学を出ているのでご両親は大手企業を進めているそうですが、ベンチャーのほうが新しくて自由で力がつきそうだからベンチャー企業一択だそうです。
時代も変わったな~と思ったら、意外に最近は就職でベンチャー狙いというのも多いようですね。

確かにベンチャーやスタートアップ企業は成長スピードが早くて(事業も人も)、勢いがあるというイメージを持つ人は多いですね。
それは、特にスタートアップは、”ハックする”ことが頻繁に求められている環境だからかもしれません。

今日は、“ハックする”とは具体的にどういうことなのか、”ジョブ理論”的に考えてみたいと思います。

▶“ハックする”とは?

note#18 握手雇用

“ハックする”ということは、目の前の課題解決のために新たな解決策を取り入れることです。ジョブ理論的に言い換えると、「ジョブを片づけるために解決策を雇う」ということになります。

新たな解決策を試してみる際に、どのような選択肢からどのように選んだのかを4つの力で分析してみるともっと明確になるかもしれません。顧客の立場で、進歩に役立つサービスや製品を開発する上でもわかりやすい分析法です。クリステンセンの著書 “Prosperity Paradox” にもこの考え方は掲載されています。

▶4つの力の整理

note#18 4つの分析

では、4つの力を整理していきましょう。ステップは、たった (?) 8つです。

(1)顧客が成し遂げたいジョブを挙げる
図の例では、井戸のない村に住むアフリカの住民が「いつでも水が飲みたい」というジョブです。

(2)「2時間かけて自ら水を汲む」という現状の解決策を記載
ジョブに対して、「現状の解決策」が挙げられない場合は、ジョブを見直した方がよいでしょう。

(3)提供したい解決策を書く
ここでは「井戸」ということになります。

(4)1つ目の力、「現状の不満」を書き出す
例えば、往復4時間もの時間を費やしてしまうことだとか、限られた量しか汲めないこととか、重く苦しい道のりを行き来しないといけないことが不満点として挙げられます。

(5)2つ目の力、「既存習慣」の強さを見る
例えば、水汲みが生活に組み込まれていて、道のりの途中で他の用事も済ませているとしたら井戸を使うことへの抵抗になります。

(6)3つ目の力である「解決策の魅力」を挙げる
もちろん、「歩かずに水が得られること」と「大量に水が得られること」になります。

(7)この井戸をユーザが使ううえで障害になり得る点を挙げる
能力的な面として「掘る技術が難しい」、金銭的に「お金がない」、時間的に「掘るまでに何カ月もかかる」、アクセスとして「井戸を見たことがない」という4種類の障害すべてが存在していることがわかります。

(8)4つ目の力である「解決策への不安」を最後に記入する
井戸を取り入れる上で、ユーザが不安に感じることを挙げます。「壊れたらどうしよう?」という不安は持ちそうです。

如何でしたか?上手に整理できましたか?

解決策への魅力が、障害を乗り越えるほどのものなのか?
そもそも、現状に相当な不満があり、変化を求めようとしているのか?などを総合的に比べてみましょう。

冷静に分析できれば、きっと新たな解決策の問題点や、ユーザが不安に感じる点が明らかになるはずです。
問題点が多すぎる場合は、解決策が複雑すぎることが根本的な問題であることが多いです。

INDEE Japanメンバーの経験からすると、ジョブに即した機能以外はマイナスし、現状の障害を取り除き、不安解消のサービスをプラスする、というのが一般的なスタートアップや新規事業の処方箋になるそうです。
なぜなら、ジョブを絞り込めないまま開発を進めてしまい、複数のジョブを同時に解決しようとするからとのこと。

まずはユーザのジョブに照らし合わせて、4つの力を整理してみることからはじめてみましょう!


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