「プロダクトビジョンとは何か?」を整理してみた 【SaaSの話】
現在お仕事させていただいているクライアントの依頼でSaaSのプロダクトビジョンを作成することになりました。
作成にあたり、プロダクトビジョンについて色々調べたのでこの記事にまとめておきます。
この記事を読むと以下のポイントが理解出来るようになります。
プロダクトビジョンとは?
そもそもプロダクトビジョンと何でしょうか。とあるサイトによるとこちらのように定義されています。
つまりは、以下の通り。
プロダクトのエッセンスを詰め込んだ記述(ステートメント)
誰のどのような課題を解決するのか、なぜ今なのか、が含まれている
何に、なぜ取り組んでいるのかについて、チームに対して概要を提供する
タイムスパンとしては、大凡2年から5年位の間に実現しようと考える未来をプロダクトビジョンに据えるのがセオリーです。
定義されたプロダクトビジョンは、プロダクト戦略、ロードマップ、バックログ管理、リリースなど、プロダクト開発・運用に関する全てのタスク・意識決定の基盤となります。
メンバーがプロダクトビジョンをしっかりと理解することで、整合性が取られた形でのタスク実施、意識決定が可能となります。
プロダクトビジョンの実例
これだけだと解りづらいので、いくつか例をあげておきます。
Asana
プロダクトビジョンというと、文章で記述されたものを思い浮かべる方が多いと思いますが、Asanaのように動画で表現している企業も多いみたいです。
費用はかかってしまいますが、動画だとイメージが伝わりやすく、ワクワク感も出やすいですね。
なぜ必要なのか
さて、プロダクトビジョンはなぜ必要なのでしょうか?
結論は以下の通り。
逆にプロダクトビジョンがない場合を想像するとわかりやすいかもしれません。
どのような将来像を描いているか。
なぜこのプロダクトを開発しているのか。
これらの点についてチームメンバやステークホルダーとの認識があっていない場合、開発内容やその優先度について不整合が生じてしまいます。
全員が同じ方向を向いて共通の将来像を念頭に置くことで、日々のタスクや意識決定に不整合が生じにくくなります。これは自律性の高いチーム作りにも貢献します。
どのようなビジョンを作るのか?
先程は動画の例も出しましたが、ここでは文章で記述する場合について考えてみます。
これでなければならないというものは無いのですが、フォーマットの例としてはこちらになります。
ここで「INSPIRED 熱狂させる製品を生み出すプロダクトマネジメント」でも紹介されている10原則についても紹介しておきます。
個人的には3,4,5 番がポイントと思います。開発チーム、ステークホルダーがビジョンの実現を手伝いたくなるように動機づける必要があるので、直ぐに実現できそうな手近なビジョンではいけません。多少無謀とも思えるような、時には論理を超えた思い切りも必要です。
6番もポイントですね。特に既存のプロダクトの場合、既に顧客から様々な要望を受けているかと思います。それらを見ていると実は関連した課題から発生しているものがあったりするので、そこからプロダクトビジョンの種となるものが生まれたりもします。
どうやって作るのか?
では、実際にプロダクトビジョンを作る際にはどのような手順を踏めばよいのか。
例を一つ紹介します。
つまり、
プロダクトの主要素を定義する
プロダクトビジョンを印象的な単一の文で表現する
ですね。
特に1番を考える際には、以下の項目については必ず検討する必要があります。
顧客は誰か?
どの市場をターゲットするか?
解決したい課題は?
ビジネス上のゴールは?
こんなフレームワークもあるので、使ってみるのも良いでしょう。
どのように活用するか?
プロダクトビジョンができたら、どうすれば良いのでしょうか?
もちろんプロダクトビジョンはメンバーに浸透させなければいけません。ビジョンは共有して初めて価値をもたらします。
メンバーがビジョンを自分なりに理解し、自分の言葉で説明できるようになることが目的です。
新しいプロダクトでチームも新規に編成される場合は、キックオフを設けて説明することになるでしょう。
しかし、それで終わりではなく継続的にプロダクトビジョンを浸透させる取り組みが必要となります。
このための具体策としては、以下の通り。
スプリントプランニングの際に最初に必ず読み上げる
あらゆるミーティングでとにかく繰り返し伝える
メールの署名に入れ込む
オンラインミーティングの背景に表示する
社内の目のつくところにプロダクトビジョンを掲げる
とにかく日常的にプロダクトビジョンが目に入る状態にしておくことで、あらゆるタスクの実施や意識決定における指針となっていくはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
実際に、この記事に書いた内容を元にプロダクトビジョン案を作りました。こちらではお見せできなくて残念ですが、これからメンバーに浸透させていくつもりです。
最後にポイントをまとめておきます。
参考資料
本記事作成において、こちらの記事を参考にしました。
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