ゼロから音楽メディアをつくったら、1年後どうなった?①
はじめまして。株式会社ヂラフ代表、音楽発掘ウェブマガジン『ヂラフマガジン』編集長の三橋(ミツハシ)と申します。
「ヂラフ、ヂラフって、キリンになにか思い入れでも?」とお思いでしょうか。そうなんです、物心ついて最初に好きになったものがキリンでして。抜群のスタイルに魅惑の模様、生まれながらにお洒落な彼らのことを、大人になったいまでも一途に大好きで、とうとう会社名やメディア名にまでしてしまいました。
会社といっても、今年10月に設立したばかりの新米法人。それまでは約7年半、フリーライター兼デザイナーとして仕事をしていました。2019年10月に個人で『ヂラフマガジン』を立ち上げてからちょうど1年後、メディアを本格的に運営していくために法人化を決断しました。
まだまだ知名度のない未熟なメディアですが、1年前のあのころからは想像できないくらい、さまざまなご縁に恵まれながら運営を継続しています。
成功例、とはまだいえません。専門的なノウハウをご紹介できるわけでもありません。ただ、「好きなことを形にしてみたい」「自分のメディアをつくってみたい」と思うかたに、「わたしにもできるかも!」という一歩を踏み出してもらえたら…と思い、メディア立ち上げからこれまでの歩みを少しずつ綴っていこうと思います。
音楽メディアをつくろうと思った、その本音
最初にお伝えしておくと、わたしは「ただの音楽好き」です。
10代のころからライブハウスに通い、ロック・パンク・スカ系を中心に全国各地のライブやフェスに足を運んできました。音楽をやっている知人はそれなりに多いけれど、音楽業界に人脈はほぼなし。ライター業も、音楽関連の領域はほとんど避けてきました。当時は自分の好きな音楽にしか興味をもてなかったし、趣味が義務になることを恐れていたからです。
じゃあなぜ、音楽メディアを立ち上げようなんて考えたのか。ひとことでいえば、「自分のブランドをつくりたかった」のだと思います。
それまでの仕事はほとんどすべてクライアントワーク。企業やメディアから依頼をいただき、取材して書く、もしくはデザインする。わたしは文章を書くことやものづくりが大好きなので、仕事自体はとても楽しく、個人では出会えないような人に取材できたり、大きな予算を組んでいただけたりすることにもやりがいを感じていました。
でも、「わたし」は一体どこに残るんだろう。
もちろん、執筆記事や書籍に名前を載せていただくこともあるし、生み出したものたちはずっと残り続けます。愛着もあります。ただ、それは自分の作品ではない。わたしはデザイン専門の高校と美術大学を出ていて、まわりには自分のブランドやお店を立ち上げたり、アーティストとして活躍している人がたくさんいます。わたしはアーティストではないけれど、そういう人たちにとても憧れていました。
若いころはずっと作家になりたいと思っていて、学生時代から小説や物語をよく書いていましたが、いざ商業ライターになってみるとそのおもしろさに目覚めてしまい…。いまの収入や生活レベルを落とす勇気もなく、作家として自分の名前で生きていく夢はいつしか薄れていました(生涯どこかで必ずや!とは往生際悪く思っています)。
自分のスキルや実績を活かせて、需要もあって、しかも大好きな分野で「ブランド」をつくる。いわゆるWill・Can・Must的な思考をめぐらせた結果、音楽メディアをつくるという方法に行き着いたわけです。
最初に取り組んだこと
音楽メディアなどという超レッドオーシャンによく飛び込んだな、と思います。そのころのわたしは採算度外視で、とにかく「やりたいことをやる」という思いに燃えていたので、細かいことはあまり考えていなかったんでしょうね。
そのおかげで、メディアのコンセプトも超絶ふわっとしていました。
現在は「あたらしい音楽、発掘。」をコンセプトに、まだ世に広まっていないけれど魅力的なアーティストやコンテンツを発掘して紹介していますが、当初のキャッチコピーは「音楽を、五感で。」でした。五感? はて???
わたしとしては、「ライブハウスで肌に感じる音の圧」や「楽曲から思い浮かぶ映像」や「衣食住にまつわる音楽」など、耳で聴くだけじゃない音楽の楽しみかたを発信したかったのですが、抽象的すぎてのちのち迷走することになります(笑)。
というわけで、メディアをつくるにあたり最初に取り組んだのはこちら。
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● メディア名をつける(自力)
コアな音楽ファン以外にも幅広く読んでほしかったので、「音楽」や「ミュージック」という単語はつけず、関係ない単語を使いたかった。物心ついたころから好きなものなら今後もずっと愛着をもてるだろう、ということで「ヂラフ」と命名。検索した際に競合がいないように「ジ」ではなく「ヂ」にする。
● ロゴをデザインする(自力)
もうリニューアルしてしまったが、当初はキリンの線画イラストを使ったかわいい系のロゴだった。
● サイトをつくる(自力)
ドメインは、仕事でもともと使っていた屋号「atelier GIRAFE」の独自ドメインをそのまま使用。サイトはWordPressで構築。わたしの専門はグラフィックやエディトリアルで、Webデザインについては少しできる程度のスキルしかなかったが、調べまくってどうにか形にした。
※デザインスキルは多少のアドバンテージにはなっていたかもしれませんが、いまの時代、WordPressのテーマや優秀なデザインツールがたくさんあるので、スキルがなくても全然いけると思います。
● 公式Twitter・Facebookを開設する(自力)
● SEOキーワードをリサーチする(自力)
rishirikonbu、Ubersuggest、OMUSUBI、Googleキーワードプランナーなど無料ツールを駆使。
● 掲載記事をつくる(自力+他力)
サイトオープン段階で10本くらい掲載できていたらいいなと思っていた。すべて自分で書くという手もあったが、並行して本業もあるし、ブログなどはたいてい三日坊主で終わっていた過去を考えると、絶対に協力してもらったほうがいいと判断。
以前、発注側として利用したことがあったランサーズにて、音楽好きのライターさんを募集する。音楽系の記事の募集はめずらしいらしく、短期間ながら24名に応募いただき、まずは4名×5本ずつ依頼することに。
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オープンまでの準備期間は1か月ほどで、かかった費用は【サーバーレンタル料】と【記事外注費】くらい。もちろん継続運用が重要なのですが、オープンすればモチベーションも上がるし、ほかの人を巻き込んでいればいるほどあとには引けなくなるので、迷っているならとにかく立ち上げてみることを強くおすすめします。
しかも、走り出してみると想像もしていなかったようなことが次々と起こる。
続きはまた次回にお話しさせてください。
ここまで長文を読んでいただき、ありがとうございました。
🦒音楽発掘ウェブマガジン『ヂラフマガジン』
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