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【小売店×中国人】店舗集客インバウンド施策について

今回は、下記概要のインバウンド施策についてご紹介します。
店舗集客は多くの方にも共通する課題だと思いますので、参考になれば幸いです。
※広告施策で集客力を高める記事になります。


【提案概要】
業種:小売店(北海道エリアに強いドラッグストア)
ターゲット国:訪日TOP3ヵ国※今回は中国のみをご紹介。
ターゲット層:店舗付近の訪日外国人
目的:北海道主要エリア付近にある店舗への集客(旅ナカ施策)
時期:1月下旬-2月上旬(春節)
予算:100-200万


1. 中国人の訪日状況

  • 中国人観光客の春節時期の増加と購買力

ニュースでも報道される頻度が高いので、インバウンドを知らない人でも”春節”は中国の最も重要な祝祭日”で、多くの中国人がこの時期に海外旅行に訪れることを知っている人も多いと思います。
特に日本は人気の旅行先の一つであり、日本のドラッグストアでの買い物も楽しみの一つとなっています。

それでは、24年11月時点での中国人のインバウンド状況を整理しましょう。
まずは、訪日数の推移について↓の画像をご覧ください。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表統計より

中国人の9月の訪日数では79.6%の回復率となっています。
観光需要の高まりと経済回復に加え、日本の観光地やショッピングの魅力が再評価され、多くの中国人観光客が再び日本を訪れるようになりました。
今回のターゲット期間(春節)の北海道の延べ宿泊数は以下の通りです。
1-2月はスノースポーツでも北海道は人気エリアとなります。

月 宿泊実績(人)平均宿泊数6.9泊
1月 30,310
2月 26,200

続いて訪日外国人消費動向について、↓の画像をご覧ください。

出典:日本政府観光局(JNTO)発表統計より

中国人観光客の買い物代は101,712円であり、他の国と比較しても非常に高い水準にあります。これは、訪日旅行の主要な目的がショッピングであることを示しています。
実際に80%以上の中国人が訪日目的にショッピングと回答しています。
また、平均宿泊数も7泊と中程度の滞在期間となっており旅ナカでのアプローチの機会が数多く存在することがわかります。

2. 中国人観光客の購買傾向

  • 人気商品(化粧品、健康食品、日用品)

中国人観光客は日本製品の高品質と信頼性に対する評価が高く、多くの観光客が訪日中に様々な商品を購入しています。

下の図は中国人と全国の観光客の購入カテゴリの購入率をまとめたグラフです。
最も購入されているのは菓子類、化粧品・香水次いで衣類です。
菓子類は、土産物としても人気が高く、手軽に購入できる点が評価されています。化粧品・香水は、日本製品の高品質と信頼性が評価され、スキンケアやメイクアップ用品が特に人気です。
衣類は、デザインや素材の良さに人気があり多くの観光客が購入しています。

出典:24年7-9月 日本政府観光局(JNTO)発表統計より
  • 購入場所

続いて、どこで買い物をしているかについてですが、下の図をご覧ください。
コンビニエンスストアやドラッグストア、空港の免税店の利用が高い結果に。
全ての場所に共通しているのは”利便性や品揃えの豊富さ、免税サービスなどが観光客にとってメリットがある”ということです。
その上で、コンビニやドラッグストアについてはどこにでもある事から、特に需要が高いことが伺えます。

出典:23年 日本政府観光局(JNTO)発表統計より
  • 中国人の情報収集について

最後に、下の図をご覧ください。
中国人観光客の情報収集においては、SNSが他の情報源を大きく上回っており、中国人観光客にとって主要な情報収集手段であることがわかります。
※中国では情報規制があるため、FacebookやInstagramなど日本で一般的に使われるメディアは利用できません。その代わりに、中国国内ではWeiboやWeChatといった独自のSNSプラットフォームが広く利用されています。

出典:23年 日本政府観光局(JNTO)発表統計より

以上が提案に向けた基本的な必要情報になります。
まとめは下記に張り付けておきました。

その他の調査は割愛しますが、提案先クライアントの認知調査やターゲット像を明確にするためのペルソナ作成なども行うこともあります。

3. 店舗集客インバウンド施策

今回のクライアントは、北海道では知名度があるドラッグストアですが、中国人観光客にはまだ十分に認知されていません。
まずは、彼らにブランドを知ってもらうことが重要です。そのため、旅マエの認知獲得と旅ナカの店舗周辺での集客という二つの軸で提案を構成しました。

・ターゲット設定

ターゲットは調査結果から『女性(24歳以上)』と設定しました。特にファミリーで訪れる場合、友達との旅行や1人旅の観光客よりも、お土産用に菓子や化粧品を多く購入する傾向があります。例えば、中国人観光客の80%以上が旅行中に親せきや友人へのお土産を大量に購入するというデータがあります。

・プロモーション全体図

100万〜200万円の予算でご提案できる内容は以下の通りです。

中国人インバウンド施策全体像

旅マエ

  • WeChatアカウント作成&簡易的なミニプログラム作成(50万円)WeChatアカウントを作成し、簡易的なミニプログラムを開発します。これにより、旅行前から顧客との接点を持ち、ブランド認知度を高めることができます。運用はお客様にて行っていただきます。

  • 訪日メディアへの成果報酬型クーポン掲載
    中国人はクーポンやお得に買い物をするのが大好きです。
    そこで訪日メディアにクーポンを掲載し、来店促進を狙います。
    大きなメリットとして、成果報酬型のため掲載するだけでは料金は発生せず、利用された分だけのマージンをお支払いいただきます。

旅ナカ

  • 位置情報を活用したターゲティング(150万円)
    WeChatと百度を活用した、位置情報ターゲティング広告を展開し、旅行中の観光客に対して店舗5km範囲の中国人観光客にSPへバナー広告を配信、クーポンをフックに集客を図ります。
    運用広告の出稿量の調整
    春節時期には「さっぽろ雪まつり」が開催され、特に観光客が増加するため、広告の出稿量を最適に調整することが重要です。観光客の流入がピークとなるタイミングに合わせて広告を集中的に出稿することで、効率的に集客を最大化することができます。

4. 実施結果

WeChatアカウント作成&簡易的なミニプログラム作成
こちらは中長期での運用が必要なため、今回の取り組みでは著しい効果は見られませんでした。しかし、店頭でフォローしてもらうとクーポンを配布する施策は効果的でした。これにより、一定の顧客エンゲージメントを得ることができました。

訪日メディアへの成果報酬型クーポン掲載
成果報酬型のクーポン掲載は、費用対効果が高く、今後も同様のメニューを他国でも実施したいという要望をいただいています。この施策は、リスクを抑えながら効果的に集客を図ることができました。

位置情報を活用したターゲティング
費用対効果は想定よりも悪い結果となりましたが、時間帯配信の調整やターゲット内容の変更など、課題点が明確になりました。
また、同じ観光客が旅行中にリピーターとなるなど、良い効果も見られました。これにより、今後の改善点が明確になり、次回の施策に向けた貴重なフィードバックを得ることができました。


5.最後に

今回のインバウンド施策では、WeChatアカウントの作成や位置情報ターゲティング、訪日メディアへの成果報酬型クーポン掲載などを通じて、中国人観光客に対するブランド認知度の向上と店舗への集客を図りました。各施策にはそれぞれの成果と課題があり、今後の改善点が明確になりました。

店舗集客の方法は他にもたくさんあります。自社の目的や課題に沿った施策を考えることが重要です。
例えば、SNS広告やインフルエンサーとのコラボレーション、イベントの開催など、多岐にわたる手法があります。
自社の状況に最適な施策を選び、効果的に実施することで、集客効果を最大化することができます。
さらに具体的な事例や詳細な話を知りたい方は、ぜひご連絡ください。

※この記事の内容は個人の意見/感想であり、すべての効果を約束できません。1つの参考情報としてお受け取りください。
※24年11月時点の数値になります。都度更新していきますが情報が古い場合がございます。予めご了承ください。
※間違った情報や不明点あればお気軽にお問合せ下さい。


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