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インバウンド観光再開から1か月経過 外国と日本の差とは?

条件付訪日旅行の再開と日本国内の旅行促進のための複数のキャンペーンが開始され、人々の往来が活発になってきました。観光業・旅行業には良い兆しです。
しかし、最近では、連日で感染者の過去最多のニュースを耳にするようになりました。

さて、6月10日より再開したインバウンド観光ですが観光目的の訪日外国人は6月においては300名に満たず。7月以降は増えていくであろうという日本の現状と海外の外国人受入に対する温度差などについて考察していきます。

外国の新型コロナウイルスに対しての現状

タイ:既に“風土病”への動きへ。更に、Thailand Passシステムを通じた事前申請が撤廃、新型コロナの治療費関係の医療保険加入や保険証の提示義務を廃止し、ワクチン接種証明または、72時間以内の検査陰性証明の提出のみで渡航が可能となりました。

参考:【大使館情報6/27配信】新型コロナウイルスに関するお知らせ(タイ入国のための「Thailand Pass」の7月1日以降の撤廃について)


オーストラリア:7月6日よりコロナ接種要件が撤廃され、ワクチン接種証明書やデジタル渡航者申告の提出も不要となり、コロナとの共生という道を選択した。

参照:オーストラリア、入国時のワクチン接種要件廃止でコロナ前同様の入国が可能に


ASEAN,オセアニア

アジア大洋州で新型コロナ感染再拡大、規制厳格化の動きは限定的


また、他欧米の多くも書類提示が廃止され、入国制限の全面撤廃などが進んでおり、ほぼビフォアコロナの動きと変わらない人の往来が許されています。マスクの着用においても強制力や群集心理、同調圧力も無く、各人がその都度判断し協調性をもって心身ともに息苦しくない生活をしているとのことです。


旅行者の心理

現在円安の日本としては訪日外国人の旅行にスピードをつけたいところ。しかしながら、現地の旅行会社からは『せっかくの旅行なのに、窮屈な雰囲気でリラックスができる状況ではないので、心から旅行を楽しむことができない』といった声も挙がっています。

その為、規制が緩和された国へと旅先の変更を検討することもあるようです。

日本としてはせっかく“インバウンドの再開!”と厚い扉を開け、観光業に笑顔が戻りつつあるか?という期待をした状況の中、こういった声があげられていることや、実際に訪日した観光客に感じさせてしまう事は非常に残念なことです。

想像してみてください、約2年間の渡航規制がなくなり、ようやく海外旅行に行ける!となったが、渡航先がガッチガチの規制固めだとしたら、旅先として選択しますか?2年超えぶりの海外旅行です。

いつまた同じような“規制の世界”になるか分からない時代においては、せっかくお金や時間を費やすのであれば、少しでもそういった制限を避けて旅行へ行きたいと願うのは当然の心理だと思います。

厳しい規制や制限固めの中、それでも日本へ観光に行きたい!と選択してもらうにはかなりのプロモーションや工夫が必要です。


現在の訪日外国人観光客の入国について

新規で外国人が日本へ入国するにはERFS(エルフス)という”外国人新規入国オンライン申請システム”に日本国内の旅行代理店等の受入責任者が申請する必要があります。また入国する外国人は受付け済みの書類及び査証申請等を必要とします。

旅行会社のツアー造成については以下の条件が現状定められています。(7/12時点)

①旅行業法(昭和 27 年法律第 239 号)の登録を受けた旅行業者又は旅行サービス手配業者が、ツアー参加者の受入責任者となること。

②ツアーの行程があらかじめ決められたものであること。

③入国から出国までの全行程を通じて、添乗員が同行すること。

④ツアー参加者は、本邦への上陸申請日前 14 日以内に「青」区分の国・地域以外に滞在歴がない者に限られること。

その他、ツアー実施マエ・ナカ・アトにおける対応などにおいて遵守ガイドラインも。

出典:外国人観光客の受入れ対応に関するガイドライン 令和4年7月 12 日 改訂

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001486497.pdf


まとめ

海外と日本の出入国に関しての手続きや状況などについてお話しました。

観光目的の外国人客の少なさは入国に際する手続きの煩雑さや要する時間、そして、マスク着用ルールなどが観光客を遠ざけてしまっているのかもしれません。また、高温多湿な日本では夏の旅行は厳しいものになります。

一般的には海外の現在の映像などを見たりするとマスクを着用していないことが多く、日本からすると「この国はもう自由なんだ、良いな、旅行に行ったら楽しそうだな」とマスクひとつでその国の印象が決まるほどだと思います。

また、マスクの着用は、日常生活は勿論のこと、観光の動きに直結しており、ゆえに日本の経済回復に大きく影響を与える重要ポイントの1つだということを、日々業務にあたり筆者は強く感じています。

マスク着用と感染については専門家ではないので触れませんが、マスクの着用が長引いていることによって、「メイクを適当に済ませられるから楽」、「表情を見られなくて気楽」、「髭を気にしなくて良いから楽」などと言った声のほか、「皮膚炎が起きて困っている」、「呼吸が苦しい」、「精神的に委縮する」といった声も挙がっています。いずれも外せない理由としては、「周りの目が気になる」「周りが(マスクを)しているから」という回答が主です。いずれにせよ心身共にマイナスな影響が起きていることは否めません。

こういった同調圧力による事実上義務化となりつつある状況には正直不安を覚えます。

実際にマスク着用は「義務」ではなく「推奨」。厚労省には以下ガイドラインが公開中。

さて、話がそれましたが、インバウンド観光再開後から1ヵ月が過ぎ、チラホラ他国や国内の旅行会社から疑問視されている日本の規制については外国の考えを参考にするほか、この感染症に対して日本が2年以上蓄積したデータなどを精査して見直す方向に動いていることと信じています。

現状として促進する点と保留する点があるかと思いますが、いずれにせよ今後のインバウンド観光の為にも前向きに行動していくことは必須です。

そして“日本”というこの国で生きる全ての人が、日々の感染者数に踊らされるのではなく、自らも調べ学び、現状を鑑みながらベストな方向へと舵をきる必要があると思います。

それが大きな枠組みとして、健康的なインバウンド観光に繋がるのではないでしょうか。
日本の旅を心待ちにしている外国人旅行者が心から楽しんでいただけるように。

ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE
海外インバウンドマーケティング情報マガジン『エの輪

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