デジタルに負けない!紙媒体でのインバウンドプロモーション
コロナ禍の状況となり、6ヵ月以上が経ちました。来年に延期された東京オリンピックの開催が決定し、世界中がコロナに打ち勝った象徴的なイベントになることを願っている今日この頃ですが、訪日外国人旅行者が回復してくることを想定し、その準備に向けての集客施策やプロモーションキャンペーンの情報が増えてきました。
そこで今回は、訪日インバウンド及び海外プロモーションに活用できる「紙媒体」にスポットをあてて、その役割を考えてみたいと思います。
■紙媒体の種類
・新聞
海外プロモーション向けの新聞としては、大きく分けて2種類あります。それは、海外現地の方向けに発行される新聞と日本国内で主に在日外国人向けに発行される外国語新聞です。海外の国やエリアをターゲットに広く露出したい場合は現地新聞、在日外国人向けにプロモーションしたい場合は国内発行の多言語新聞となります。
・雑誌(海外で販売されている)
旅行、経済、ファッション、ライフスタイル、ポップカルチャーなど様々なジャンルの雑誌が海外向けプロモーションの対象媒体となり得ます。ターゲットを絞った広告展開ができるのが特徴で、基本的に読者は有料で媒体を購入します。
・フリーペーパー、フリーマガジン
雑誌に似た媒体となりますが、読者が無料で入手でき、実際に訪日または訪日を予定している外国人観光客にリーチできる可能性があることが特徴です。現地で入手できる媒体と日本国内で入手できる媒体の大きく分けて2パターンあります。
・ガイドブック
オンラインサービスが普及している昨今でもまだ影響力が高いのが旅行ガイドブックです。日本人も海外旅行へ行く際に購入する機会は多いのではないでしょうか。
・機内誌
各航空会社が発行し、航空機内や空港に設置されている雑誌。その航空会社の全路線に一定期間設置されるものと訪日路線のみなど限定路線のみで配布・設置されるものがあります。
・同梱系冊子
同梱系冊子は、訪日外国人が利用するサービスと共に郵送されたり、手渡しされたりする媒体。訪日旅行者用ポケットWi-FiやプリペイドSIMカード、ビザ(査証)取得時に同梱するなどの配布ルートがあります。
・サンプリング
サンプリングは一般的な紙媒体とは違い、チラシやクーポン冊子などを外国人案内所やホテルなどにて対面で直接配布する「手法」となります。試供品を外国人のみに配布することも可能で、番外編の紙媒体としてご紹介です。
*紙媒体プロモーションについて更に詳しい詳細はこちら
■紙媒体のポテンシャル
【1】情報に信頼感がある
オンラインでは情報が膨大で簡単に取得できますが、その情報が確実で信頼を持てるものであるかは、紙の媒体が上回ると思います。その要因としていくつか考えることが出来ますが、媒体を発行している企業や団体が明確で、媒体の内容と親和性が高い広告が掲載される傾向にあることなどが考えられます。オンラインでは突然情報が変更・消滅する可能性もありますが、「紙」という存在し続ける情報源であることも信頼感が増す要因の一つとなります。
【2】紙媒体独自の「能力」が期待できる
能力というと少し大げさな感じもしますが、例えば、雑誌は「回読率」が高いという認識がある通り、一誌が複数の人に読まれるということがあります。一誌が多くの方に閲覧されることにより広告効果も高まり、さらに保存性や再読率なども掛け合わせて考えると、紙媒体にはオンライン広告とは異なる「能力」があることが見えてきます。
回読率とは(通販広告):https://tsuhanad.net/readership.html
【3】読者層が明確である
日本の空港や駅の外国人案内所など設置されている観光系フリーペーパーであれば「訪日外国人」、海外で発行されるマネージメント層向け経済紙であれば「経営者層や富裕層」など、ターゲットや訪日タイミングに合わせたプロモーションが可能です。
【4】インターネットに繋がらない状況でも利用できる
特に旅行ガイドブックの人気がまだ一定数あるのはこの理由が大きいと思われます。
■コロナ禍で特に有効な紙媒体
・海外現地新聞や旅行雑誌
外国旅行ができない状況、また自宅で過ごす時間が世界中で多くなっている中、自宅でゆっくりと閲覧できる紙媒体の接触率が高まっていると想定されます。また、e-bookをWEB上に公開しているメディアもありますので、オンラインでも同時に露出することが可能となり有効な媒体の一つと言えます。
・在日外国人にリーチするフリーペーパー
訪日外国人旅行者がない現状ですが、在日・在留外国人を読者に抱えるフリーペーパーや新聞はインバウンド回復期に向けた準備段階としておすすめできる媒体です。在日外国人からの口コミやSNS配信は海外の家族や友人、知人に伝わることもある為、世界中の旅行者が動き出す前に検討する媒体の一つにいれるのはいかがでしょうか。WEBサイトも同時に開設している媒体も多い為、こちらもオフラインとオンラインの同時配信が可能です。ただし、コロナ禍の状況で「物」に接触することが懸念点となっている可能性もある為、公共施設などへの設置が中心の媒体よりは定期購読など読者へ直接配送される仕組みを取り入れている媒体を選ぶことが重要です。
■まとめ
世界中でデジタル化が進んでおり、オンライン広告が拡大していくという事実はありますが、一方でデジタル格差が広がっているという事実もあります。また、紙媒体の特徴や独自の効果はオンラインにないものがあると認識しておく必要があると思います。そのことは、海外及びインバウンドマーケティングに関しても同じことが言えることから、紙媒体は海外プロモーションにおいても有効な手段の一つとなり得ます。特に、海外に向けて認知度を向上したい、特定のターゲット層に確実にリーチしたい方におすすめです。「高級感」や「信頼感」を表現しやすいことが紙媒体の役割の一つであることからも、デジタル時代の今だからこそ、人が直接手に取る紙媒体の特徴を最大限に考え・活かすことが大切ではないでしょうか。
ライター:JOINT ONE 嶋田拓司
コラム元:海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE』
https://www.jointone.biz/hanginthere-jpn-20200916/