インフルエンサー活用で海外プロモーション 3つの重要ポイント
3年目に突入した新型コロナウイルスの影響ですが、海外ではマスクフリーなどを含めた制限や規制などが徐々に緩和されてきました。
国内の旅行はもちろん、外食に関しても以前と比べてリラックスムードに変化してきているのを皆さんもメディアや外国とのコミュニケーションの中で受け取っているのではないでしょうか?
そういったことから分かるように、世界的に外国旅行への意識が以前に比べ高まっているように感じます。
日本を旅先として選択してもらえるように、各地も一丸となってPRに力を注いでいる状況ですが、以前から気になっている点について考察していきたいと思います。
旅はブームよりもクラッシック
突然ですが、質問です。
念願叶ってようやく旅行に来た先で食事をしようとした際、お値段の大差が無い場合どちらに入りますか?
A:ブーム中の全国チェーン店の飲食店
または
B:地元食材のみ使用したそこにしかない老舗の飲食店
筆者は間違いなくBの飲食店に入ります。
これは、決してブーム中の全国チェーン店が悪いわけではありません。理由は旅をしているからです。
昨今では、どこかの観光地で“〇〇が外国人に人気”という情報が流れると、同じようなものを各地が発信する傾向があると思いますが、“旅”というジャンルにおいては逆効果になる可能性があります。
なぜなら、旅というのはその土地を体感するために訪れているからです。非日常を求めています。そのため、わざわざ旅先まで来てどこにでもある同じ体験をしようとはしません。
同じブームに乗っかるのであれば、“その土地ならでは“を加え、差別化をすることをおすすめします。
その土地を観光地として磨きをかけ、集客したい、そしてリピーターを増やし長く愛されるためには、にわかに流行っていることよりも時代を超えてその土地に根付き、伝統文化や品格を重んじているモノやコトに焦点を当てて発信することが重要です。
情報は万人受けよりも事実
あの人の言葉が“刺さった“という表現を耳にすることがありますが、尖った(他では類を見ない)内容であるからこそ、その人に”刺さった“わけで、誰にでも受ける内容というのは、既にテンプレート化された内容が多く、プロモーションの際にエンドユーザーや読者の記憶に残るとなると、実は難しいと考えます。
「インフルエンサーを活用したプロモーション」においては、そのインフルエンサー自体が媒体そのもので、その方の文章や表現スタイル、感性などが共感されファンを増やしています。雑誌やウェブメディアに掲載する場合、例えば膨大なページ中1ページであってもそのライターの記事だからこそ読みたいというファンもいます。
中にはちょっと過激だったり、面白可笑しい表現をしたりするライターであっても、その表現そのものがファンを呼び、情報の発信・拡散へと繋がっていることは間違いありません。
万人受けやポジティブ狙いだけではなく、時には玄人向けや都市伝説的な情報さえも、その土地への興味付けにとても有効な場合があります。
ライターやインフルエンサーなどが実際に体感した感想は事実であり、そして実際にその土地で言い伝えられているストーリーなどを正直に伝えることが、読者やフォロワーにとって一番知りたいことであり、実際にインフルエンサーを活用する利点でもあります。結果的にそれらがプロモーションの目的に大きく寄与する可能性が大きいと考えられます。
また、ライターやインフルエンサーは、自分のファンを理解しており、より多くの方の目に留まるように構成(ネットならSEOを含む)等を考えながら制作に取り組んでいることがほとんどですので、そういった点も含めて広告主サイドは理解することも大切です。
だからと言って完全にお任せするのではなく、事実と異なることは確認し精査する必要があることは言うまでもありません。
そうして、広告主が発信したい情報を受取側(ファンや新しい層)が受け取りやすい状態にライターやインフルエンサーが調整していく。それこそが「インフルエンサーを活用したプロモーション」です。
既に広告主側が用意した文章や表現を掲載する方法は「活用」ではなく「利用」であるため、インフルエンサーやライターが持つ本来の実力を発揮できない可能性があり、本末転倒となる危険性を孕んでいるのでお勧めできません。
旅のカタチは十人十色 旅のハイライトは人それぞれ
同じ観光地や場所を何度もプロモーションする場合は、その都度スパイス的な要素は重要と考えられます。
神社ひとつとっても、神社の外観が好きな人、内装が好きな人、庭園が好きな人、伝説が好きな人など様々。そういったことから、タイプの異なるインフルエンサーや媒体を活用することで一般的なガイドブックに掲載されている人気要素以外の魅力にフォーカスして紹介することで、その土地を違った目的で訪れる旅行者が誕生するだけではなく、新しいファンの獲得にも繋がります。
また、色々な角度から一つの場所を紹介することは、日本人が気づいていなかった新たな魅力に気づかされることも多く、想定外に外国人からの人気が集まったということも多数あります。
魅力を固定してしまうのはその場所やモノ、コトの持つ可能性を失ってしまうことに繋がるのでとても勿体ないことですね。
まとめ
新型コロナウイルスの影響から在宅ワークがスタンダード化している企業さんも少なくは無いかと思います。
会社以外の場所で自身を管理しながら仕事を進めることに抵抗があった時期を通り抜けて、更に自立したフェーズに入り、自身を見つめなおす機会が増えたことで嗜好や考え方、人生観についても変化してきている方も多いのではないでしょうか。
そういった状況から、旅行においても、自身の嗜好や考え方が反映されていくことが今後増加していく傾向にあると思います。
それにより、基本情報は公式ウェブサイトやガイドブック、掘り下げた情報や体験談は、より身近に感じられるインフルエンサーやライター、ブロガーなど個で発信しているものをベースに収集していくことが増えると予想されます。
その為、情報発信の既成概念を外して、もっともっと様々な角度から日本を世界に発信していくことは、日本の魅力を高め更なる旅行客の誘致へと繋がるのではないでしょうか。
ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE』
海外インバウンドマーケティング情報マガジン『エの輪』
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