ゴルフの上達法
ゴルフが上達するとは、どういうことでしょうか?
・ドライバーの飛距離が伸びる(パワー)
・アイアンで好きなところに落とせる(正確性)
・パットを一発で沈める(予測、メンタル)
素人が考えると主に以上かなと思います。
※わかりやすくパワーなど分けていますが、
実際は絡み合っていると思います…
というのも、自分は大学時代、授業でゴルフをとっていましたが、
ラウンドは3回しか回ったことはなく、はっきり言って素人です。
ゴルフは素人ですが、10年以上プロサッカーコーチとして活動しており、
スポーツのパフォーマンス・スキルを上げるという意味では共通点が多くあります。
その経験、近年報告があるスポーツ上達法などから、
ゴルフ上達について、トレーニング方法の一部を書ければと思います。
先ほど述べた、飛距離を上げる、正確性を高める等といった行為は、
ゴルフの競技特性上、最終的にはスコアを縮めるというツールにあたると思います。
サッカーでも、キックの飛距離・シュートスピードを高める、
パス、シュートの精度を高める、ゴール前で冷静にプレーする、
などがあります。
正確性を上げるトレーニングとして、
普通はというか、最も行われている手段として、パスなり、シュートなり、
同じことを繰り返します。
恐らくゴルフも同じじゃないかと思います。
確かにそれで上手くなる選手もいます。
しかし、全く上手くならない、そのうち頭打ちになる選手がほとんどです。
全く上手くならないというのは、練習ではできるが、試合で使えないという意味です。
その場合、大抵のコーチは
『意識しろ!』『試合をイメージしろ!』と選手任せにします。
厳しく指導する方でも、優しく指導する方でも、
言い方が違うだけで、内容は同じです。
自分の経験則ですが、それでできる選手はもっと前にできています。
なので、なかなか上手くならない選手に対し、
コーチは『あいつは集中していない』『やる気がない』『センスがない』
などの評価を下します。
結局は選手のせい。
それを上手くするのがコーチの役割なのに…と思いますが。
確かに、本人に興味がない(親がやらせているなど)場合、
あまり上手くなりません。
脳神経には可塑性がありますから、
変化する(上手くも下手にもなる)のが当たり前です。
ほぼ成人になってから車の免許を取ると思いますが、
初めは難しい課題でも、慣れればほぼ無意識でできます。
基本的にはそれと同じです。
正確性を上げる方法はたくさんありますが、
多くの人がアプローチしてない方法に『目のトレーニング』があります。
そして、目のトレーニングもたくさんあります。
今回は『両眼視』について。
両眼視とは、左右の目で見ることにより、脳で生み出される立体感や距離感のある見え方をいいます。
景色など、目に映るものは、写真のようにそのまま見えている訳ではなく、
脳の中で処理され見えているという感覚になると言われています。
そこで、評価にもトレーニングにも使えるものに
『ブロックストリング』
というものがあります。
実際、セッションでほとんどの方は、
自分は両眼で見えていると思っています。
しかし、トレーニングすると、できていないケースがほとんどです。
特に大人になれば顕著です。
サッカーの場合別の要因もありますが、ここでは割愛…
先日行った中学生へのセッション(上記写真)では、
両眼視のトレーニング後、正確性が低下しました。
神経学の視点で言うと、
脳が脅威を感じ、パフォーマンスが低下したと考えられます。
簡単に言うと『下手になった!』と言うことです。
じゃあ、そんなトレーニングをしなければいいと思うかもしれませんが、
スポーツでも、日常生活でも、両目を使わない場面がありますか?
両目で見る度、同様の事(パフォーマンス低下)が起こっている可能性があります。
経営でも同じだと思いますが、課題がわかれば改善ができます。
実際、2000年以降の研究では、様々な競技で目の重要性、
目のトレーニングでパフォーマンスが向上したという報告が
たくさんあります。
Clark, J. et al.(2020) Vision Training and Reaction Training for Improving Performance and Reducing Injury Risk in Athletes.
Alfailakawi, A.(2016) The effects of visual training on vision functions and shooting performance level among young handball players.
自分は研究者ではありません。
論文を全てだと思っていませんし、それが全員に正しいとは思っていません。
現場では、「実際にやってみてどう変わるか?」が大事です。
ただ、ある程度の汎用性があるという点では、
経験則だけでやっている方の意見より論文の方が信頼性が高いと思ってます。
自身、選手で行った結果、かなり変わります。
恐らくゴルファーでも大きく変わると思います。
サッカーですがドイツの報告では、
特に初心者は1回のトレーニングで28%正確性が向上しました。
このトレーニングが合う人もいますし、合わない人もいます。
その他に、
すぐにパワーを上げるトレーニング、
別のアプローチで正確性を上げる、
どんな状況でもプレーできるトレーニング、
など、パフォーマンス・スキルアップには様々な方法があります。
どの競技にも共通して言えますが、
変な(身体に合わない、間違っている)スキルトレーニング、ウエイトトレーニングを行うと
パフォーマンス・スキルは下がります。
興味がある方、実際にトレーニングしてみたいという方は下記まで連絡ください。
サッカーコーチ・神経学トレーナー
竹内康弘
参考記事
ttps://spotri.jp/training/6796/