#1 ビルドアップとは? 攻撃・戦術
先日、埼玉で行われているフェスティバル(ユースチームと高校サッカーの交流戦)を観戦しました。
Jユースの強豪、選手権に出場するチームが多いので、日本の中ではレベルが高いと思われます。
ドイツと比べると守備の強度が違うので、簡単には比較できませんが、守備、攻撃ともに狙いがあまり感じられないチームが多くありました。
つまり戦術がはっきりしていない印象を受けました。
今回は『ビルドアップ』についてドイツサッカー協会の資料をもとに書きます。
はじめに
ビルドアップを偶然に任せてはいけない!
ビルドアップとゲーム構築(ゲームメイク)は密接に関連していますが、明確に区別される試合の異なる局面です。
これらはそれぞれ分けて分析し、トレーニングする必要があります。
ビルドアップはゴールキーパーがボールをゴールキックなどで試合再開するところから始まります。
相手がディフェンスラインや中盤でプレスをかけるのではなく、後退する場合は、ビルドアップは比較的簡単です。
ゴールキーパーが近くのディフェンダーにパスを出すことで、コントロールされたゲームメイクが始まります。
しかし、相手チームが後退せず、前方でプレッシャーをかけ続ける場合もあります。
その際、次の2つの戦略が見られます。
攻撃的プレス
相手のフォワードがゴールから20~25メートル前に配置され、ゴールキーパーによる短いパスを意図的に許容し、その受け手にプレッシャーをかけます。目的は、できるだけゴールに近い位置で攻撃に転じることです。前線でのプレス
ビルドアップを始める前に阻止し、ボール保持者に長いパスを強制させる戦略です。
ビルドアップの課題
多くのボールロストは、プレーヤーが相手のプレッシャーから抜け出す適切な解決策を知らないことから生じます。
その結果、長いボールを蹴りますが、それは多くの場合相手に渡ってしまいます。
ビルドアップのバリエーション
短い(ショートパスなどを用いた)ビルドアップ
・フィールドを横幅と深さで広げる
・状況に応じて追加のパスコースを確保する
・数的優位を確実に活用する長いゴールキック
・目標とする選手を明確に設定
・ボールの近くで数的優位を作る
短い(ショートパスなどを用いた)ビルドアップの成功の鍵
相手がゲームのコントロールを目指している場合でも、プレッシャーを受けながら短い(ショートパスなどを用いた)ビルドアップを試みることが重要です。
そのためには、巧みなポジショニングが必要です。
どれだけ選手が広がるかは、相手のプレスの高さや自チームの狙いによります。
ゴールキックはセットプレーの一種であるため、監督・コーチは選手のポジションと短いビルドアップのオプションを事前に設定できます。
ただし、選手に特定の解決策を押し付けるのではなく、さまざまなパターンを練習させ、状況に応じて柔軟に対応できる「もし~なら」原則を身につけさせることが重要です。
セカンドボールを狙うビルドアップ
相手が3人以上の選手で前線にプレスをかける場合、またはビルドアップでのリスクを避けたい場合、ゴールキーパーは長いボールを蹴ります。
※最近では必ずしも当てはまらないケースがあります。
ただし、長いボールが相手に簡単に渡らないように、次の2点を考慮する必要があります。
空中戦で優位に立つ目標選手を見つけ、その選手が味方の走り込む選手にボールを落とせるようにする。
ボールの背後のスペースを確保し、ボール付近で数的優位を作る。
これにより、しばしば無計画に前に蹴られるゴールキックが、意図的に計画されたセカンドボールのビルドアップへと変わります。