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消去法ではない選び方が出来る沖縄に。

情報化社会と言われるようになって、もうどれくらいだろうか。
僕らが生きる現代は、様々な情報で溢れかえっている。
インターネットの世界と繋がれば、そこは底なし沼のごとく、
必要・不必要問わず、情報の波が押し寄せてくる。

UnknownからKnownへの距離が急速に縮まり、
日々情報はアップデートされていく。
最新の情報を、最善のタイミングで得ることが出来るということは、
僕らの手の中には無限の選択肢があると言っても過言ではない。

まさしく、選び放題。


だけど、もう少し現実世界を見てみると、実際はどうなのだろう。
本当に「選び放題」なのだろうか。



僕の生まれ育った沖縄。
首都東京からおよそ1600㎞離れた、海に囲まれた小さな島国で、
歴史的背景も影響してか、争いを好まない温和な県民性。
農業・漁業といった第一次産業と、観光・サービス業が代表される第三次産業が経済の中心を担っている。

ここ沖縄で生活する中で、
情報の鮮度や、触れるタイミングの格差は、もうほとんど無い。
(アンテナを張っている前提)

しかし、情報を選択し、活かすことの出来る機会については、
まだまだ大きな“限り”があると感じている。


沖縄で生まれ育った僕は、
これまで経験してきた様々なライフイベントのシーンにおいて、
与えられる“限られた選択肢”の中から、
その中でより良いものを、吟味して選ぶという経験をしてきた。


「より良いものを、吟味して」と表現すると、ポジティブに聞こえてしまうかもしれないが…

実際は、「これは無い」「これはステイ」「これはどちらかというとあり」みたいな感じで、そもそも“限られた選択肢”の中で、基本的には消去法をベースに取捨選択をしていた。

「妥協して、これならまぁいいかな」という感覚だったのが正直である。

進学するときも、就職するときも、何かモノを購入するときも、どこかに出かけるときも、意思決定をする際の選択肢は限られていた。

・県外の大学に行きたいと思っても、進学と引っ越しはセットで、学費だけでなく生活費も重くのし掛かる。
・「将来は●●の仕事がしたい!」と思っても、ドンピシャな事業をやっている会社は沖縄には無く、近しい業界や会社に身を置く。
・「お昼のワイドショーでやっていたあのお洒落な家具が欲しい!」と思っても、沖縄には店舗がなく、取り寄せようとすると送料が商品の二倍以上かかる。
・週末のお出かけは、「最近渋谷に出来た、話題のあのインスタ映えスポットへ!」とはいかず、大型ショッピングセンター巡り。


気付けば、思考自体も停止していて、現実的に選択出来る範囲内で、自然とコトやモノを収めようとしていたかもしれない。


地方だから、沖縄だから、選択肢に限りがあることは十分理解している。

であれば、「東京や大阪などの主要都市や、更にはグローバルに海外に出れば、選択肢が増えるじゃん」、「外に出ればいいだけじゃん」という、至極当たり前な解決方法も十分に分かっている。

でもそれは、小さな島国で育ってきた僕らにとって、結構難易度が高い。
(勝手に“僕ら”って言っちゃってます)

「出る杭は打たれる」といった、横並びやどんぐりの背比べを好む傾向にあり、劣等感やコンプレックスが強く、自己肯定感や成功体験が乏しい県民性。

小さな島国だから、どこかでばったり会うことも多い。
争いや揉め事は避けて、隣近所が仲良く穏便に過ごせることを大切にしてきた。

日本人の中でも特に内向的な僕らが、外に出てチャレンジすることは、物理的にも心理的にも、想像以上にハードルが高いのが実態である。

陸地が繋がっていないことは、思っている以上に挑戦のバーを高めている。

だから、置かれた環境下で、手に取れる、目に見える選択肢の中(だけ)から選ぶということが、自然な選択方法となっている。
そうなると、魅力的な選択肢は限られてしまい、結果的に妥協や消去法による選び方になってしまっているのだ。


「“選択”の自由度を高めたい。」
「選択肢そのものを増やしたい。」


沖縄に帰ってきて、そして人事・採用という仕事で、たくさんの求職者と接していく中で、その思いはどんどんと強くなっていった。

キャリア支援という観点で、
まずは僕に出来ることから、始めてみようと思う。


*INAZUMAN*

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