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【読了】 『最強のライフキャリア論。』 女性のキャリアに関する本を、男性目線で読んでみた。

キャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんの著書。
『最強のライフキャリア論。』(時事通信社)

元々面識のある方で、同じく人事キャリアでCDAホルダーということもあり、本を読ませてもらうことをすごく楽しみにしていた。

キャリアに悩む二人の女性が、キャリアコンサルタントと出会い、様々な対話やワークを通して、これからのキャリアを見出していく、といったストーリー仕立てのため、読み易く入り易くで、ほんの小一時間で読了。

とはいえ、学びも多く付箋もいっぱいに。

対話やワークもキャリア理論に基づいたものであるにも関わらず、シンプルで楽しみながら自由にアウトプット出来る設計になっており、堅苦しくなくリラックスして取り組めるのも、敷居が低くて多くの人に実践していただけそうな構成。

「マイコンパス」の考え方は、「自分らしいキャリアを実現するための指針」であり、岩橋さんが考案されたフレームワーク。
理想を具現化、明文化することで、到達するためのイメージや、理想と現実のギャップの認識が図れる、すごく有益なフレームワークに感じた。

キャリアの世界では、すぐにWill(やりたいこと)、Can(できること)、Must(すべきこと)のフレームワークで思考がスタートしがちだけど、その前にそもそもの、自分が抱く理想と、その理由を明確にしないと、軸が十分に定まらない中でのアクションとなってしまう。

だからこそ、「マイコンパス」を持つことは、とても理に適っている。
組織のビジョンとの親和性や重なりについても触れられていたので、独りよがりではないWin−Winのマイコンパスを持つことが理想であると思う。


プランドハプンスタンスセオリー(計画された偶発性理論)を、「こじじゅらぼー」(※)と表現していたのは、痛快だった!

(※)偶然の出来事を引き寄せるための行動指針
【好奇心、持続性、柔軟性、楽観性、冒険心】
これらの頭文字をとって、「こじじゅらぼー」(笑)
詳しくは本でご確認ください!

偶発性を起こすうえでの行動指針を、陽気で可愛い響きに変換することで、日常の中でも意識し続けられるようにした工夫は「お見事!」と!

プランドハプンスタンスセオリーは、時に安易に飛びついたり、言い訳に使ったり、すがってしまいがちだけど…。
何も行動しなくて、都合よく“偶然に”良いことが起こるのではなく、日々の中で行動指針に基づいた行動を発揮することで、自ら偶然を引き寄せるものなので。



読み進めていく中で、もちろん男性として、夫として、人事担当者として、マネジメント職として、といった感じで、自分自身の役割別の視点で考えを巡らせていった。
ただ、僕の場合は、既に女性のキャリアに関しての許容が広く、この本の内容は再確認といった活用の仕方が合っていた。

その視点とは別で、例えば、キャリアコンサルタントの陽子が僕(男性)であった場合で、そして悩める美咲と愛がそれぞれと同年代の男性社員だったら、僕はどのように彼らと向き合っていくのだろうか、といった視点で読むと更に深い思考が出来た。

男性の場合は、そもそも「こうあるべき」といった思考が強い傾向にあり、特に「仕事を優先すべき」とか「家庭を守るべき」など、昔から作られてきた太くて長いレールが存在しており、大半はそのレールに乗っている。

そういった意味では、女性以上に、社会的な常識や良識、価値観に覆われてしまっているのではないか。
自分の「本当の気持ち」なんてそもそも考えたことはなく、考えようとしても、取り払う、取り除かなければならないしがらみや固定概念は、女性の比では無いのではないかと感じた。

岩橋さんのアプローチを参考に、僕は男性のキャリア形成を、より深く支援していきたいと感じるきっかけを、この本から得ることが出来た。

女性も、そして男性も、自らの人生(ライフ)や職業(キャリア)といった大海原を航海するうえで、自ら操縦する船の舵を、もっと主体的に、そして意識的にきって良いと思う。

支えとなるマイコンパスは肌身離さず、針が指し示す方向へ、めいいっぱい舵をきって突き進んでいくことで、きっと世界は拓けてくるのだから。


*INAZUMAN*


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