キャリアカウンセリングを受けるということ。(新卒就活編)
僕がキャリアカウンセリングに興味を持ち始めたのは、大学3年生の夏だった。
将来に対する漠然とした不安もあり、周りより少し早めに就活を始めた僕は、大学の就職課からの紹介により、県の機関であるキャリアセンターに足を運んだ。
そこは、若年者向けの就職支援機関として、就活に役立つ講座の受講や求人検索、就活相談などが無料で受けられる施設だった。
僕が訪れた目的はただひとつ、「就活相談」だ。
就活では自己分析が大事だと聞いたので、100均でノートを購入。
表紙に大きく「就活ノート」とタイトルを書き、
幼少期から今までの振り返りや、どういうことに興味・関心があったか、
今後どうなりたいかなど思いつくままに、安っちいノートに書き続けた。
想いだけは強くて、極太のペン先がにじむくらいな筆圧でなぐり書き、2ヶ月くらいでノートはぎっしりに埋まった。
意外と筆は進んだ。だけど、思考はかなりとっ散らかっていて、まとまりが無く、結局どうしたいのか何をしたいのか、自分でもこんがらがってわからなくなってしまっていた。
これはひとりで悩み続けても堂々巡りだし、モンモンとするだけで、何も変わりゃしないのではないか…。
そう思った僕は、書きなぐってボロボロとなった就活ノートを握り締め、キャリアセンターの就職相談に足を運んだ。
受付の案内に従い、個別のカウンセリングブースで座って待っていると…、
「こんにちは。はじめまして!」と元気な声が。
現れたのは40代半ばくらいの女性で、キャリアコーチという肩書の方だった。
ここでは便宜上、Nさんとさせてもらう。
「今日はどのようなご相談ですか?」
柔らかく優しい声と、安心感と包容力のある雰囲気を感じ、「この人になら相談しても大丈夫そう」と思い、少しずつ話始めた。
キャリアコーチのNさんは、時にうなずき、時に「うんうん」「へぇ〜」「そうなんだ〜」と相づちを打ちながら、拙い僕の話を真剣に聴いてくれた。
ひととおり話し終えたとき、僕は人生で初めて「ちゃんと話を聴いてもらえた!」と思えることが出来た。
話をさえぎること無く、自分の意見も挟まずに、最後まで僕の話を「うんうん」と共感しながら受けとめて聴いてくれたことは、とてもとても心地良く、僕はその時点ですでに8割ほど満足していた。
(ただただ話を聴いてもらっただけで、まだ悩みが解決した訳ではないのに…w)
ひととおり話尽くした僕に対して、今度はNさんが質問を投げかけてくれた。
Nさん:「さっき話してくれた“就活に対しての不安”という気持ちだけど、その不安という気持ちともう少し向き合ってみると、どんな感情が沸き出てくるかな〜。“嫌で苦しい”だったり、“何から手をつけたらいいのか分からない”だったり…。」
僕:「(しばらく考えて…)何か正解や成功法が見えてこないので、やり方が分からなくて不安という気持ちが強いです。」
Nさん:「正解や成功法を探しても見つからないという感じなんだね〜。これまでの経験では、正解や成功法は見つけ易かったのかな?」
このようなやり取りが何度か繰り返された。
即答出来る質問もあれば、「う〜ん…」と腕を組み考え込んで、しばらくの沈黙の後、言葉を紡ぎ出すような質問もあった。
口に出すことで、自分の言葉が自分の耳に入り、それをきっかけにまた思考がめぐり始める。それを繰り返しているうちに、徐々に頭の中がクリアになってきて、自分の価値観や在りたい姿がどんどんとリアルに想像出来てきて、明確になって言葉として出て来るようになった。
やる気がみなぎって来るというか、ワクワクして居ても立っても居られない、そんな感覚を体験をした。
そんなやり取りを終えたとき、最後に僕の口から出てきた言葉は…。
「Nさん…、僕は、あなたみたいになりたいです。」
この体験が、僕の初めて受けたキャリアカウンセリングであり、その道を目指したいと思い立ったキッカケでもあった。
それから12年の月日が流れて…
僕はキャリアカウンセリングのサービスを提供するために必要な資格(国家資格キャリアコンサルタント)を取得し、キャリアカウンセラーとして活動することが出来ている。
資格取得には、たくさんのインプットとアウトプットが求められ、何度も諦めそうになった。でもその度に、あのときの体験が僕を奮い立たせてくれて、何とかNさんと同じ土俵に立つことが出来た。
(技術はまだまだ到底及びませんが…)
キャリアとは、生き方や在り方そのものだ。
VUCA時代の今、人生の舵取り(キャリアオーナーシップ)を自らの意志で出来ることが、荒波を乗り越えていくための武器となる。
キャリアカウンセリングは、個人の成長や発達という積極的側面に強調点を置き、個人が環境の中で効果的かつ自律的に機能出来るように支援する関わり方である。
カウンセリングを通して、自分自身の可能性や価値観を知ることで、在りたい自分や理想に近づくためのアクションを明確にすることが出来る。
前述したとおり、以前の僕も、漠然とした不安から来る悩みや焦り・葛藤で、モンモンとした日々を過ごしていた。
そんなときにキャリアカウンセリングを受け、問いかけからの内省により、納得の歩みを見出すことが出来た経験がある。
あなたのそのモンモンとした気持ちを受け止め、ワクワクにつなげていく支援がキャリアカウンセリングである。
HALERUというオンラインコーチング&カウンセリングのサービスで、僕もキャリアカウンセラーとしてキャリア支援をしています。
もしご興味のある方がいらっしゃれば、ぜひ一度サイトを覗いてみてください^^
*INAZUMAN*
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?